接続詞を工夫します。わかりやすい文章にします。あらたにおもいついたことはメモしておきます。
3.「矛盾葛藤」の島にひきつづき、4.「生活改善」の島の文章化にすすみます。図解中の元ラベルに記入してある()内の番号からデータカードを検索します。ここでは、No.24、26 をひっぱりだします。()内はデータカードにつけた番号であり、データカードの見出しと本文は「KJ法のコツ(資料)」にしめしてあります。
4. 生活改善
24 村のヘルスポストが地方政府の支援によって建設された。
ヘルスポストは、政府の支援によって建設された。VDC が予算をだして。
26 熱効率のよい改良カマドが一部の家ではつかわれている。
遊びにいった2つの家で改良かまどを使っていた。未だ設置されていない村人も設置したいが、今では、お金も高く質も落ちた物(カマド)がくるので設置を断念していると言っていた。
これらを、図解(と表札)をみながらつぎのように文章化しました。
4. 生活改善
住民の生活を改善するとりくみがすすめられている。たとえば地方政府(地方自治体)の予算により、ヘルスポスト(保健所)がサリジャ村にも建設された。また熱効率がよい改良かまどが一部の家でつかわれはじめ、調理にかかる女性たちの時間が短縮されつつある。しかし改良かまどは高額であり、質のひくいものもでまわっているので設置したいとおもっているが断念する人もいる。
*
ひきつづき、 5.「環境保全」にすすみます。図解中の元ラベルに記入してある()内の番号からデータカードを検索し、No.49、25 をひっぱりだします。()内はデータカードにつけた番号であり、データカードの見出しと本文は「KJ法のコツ(資料)」にしめしてあります。
5. 環境保全
49 植林を中心とした環境保全事業がすすめられている。
開発にともない環境が荒廃してはいけないので環境保全事業もはじめた。数年まえより、苗畑をつくり、管理人をおき、そこでそだった苗木を村内各所に村人たちが植えている。生活様式が変化するなかでゴミも増えてきたためゴミ処理事業もはじめた。
25 試行錯誤をしながらも苗畑管理は順調にすすんでいる。
ジャングル(森林奥地)から土を持ってくるのが大変である。片道2時間の道のり。苗木は、10数種類(材木・飼料・果樹など)をそだてた。椎茸は失敗した。村内に植林するだけでなく、苗木を隣村に売ることもある。
これらを、図解(と表札)をみながらつぎのように文章化しました。
5. 環境保全
数年まえより、苗畑をつくり、管理人をおき、そこでそだった苗木を村内各所に村人たちが植えている。苗木は、10数種類(材木・飼料・果樹など)をそだてた。苗木を隣村に売ることもある。ただしジャングル(森林奥地)から苗畑に土を持ってくるのが大変である。また椎茸栽培にもとりくんだがそれは失敗した。生活様式が変化するなかでゴミが増えてきたためゴミ処理事業もはじめた。試行錯誤をしながらも環境保全事業が植林を中心にすすめられている。
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6.「農牧業」は、やや複雑な島なので中の島に対して小見出しをつけます。データカードをひっぱりだします。
家畜の減少
17 畑作農業が中心で、養鶏はかなりすくなくなってきている。
鶏は、1軒につき15〜20羽飼っていると思うが昔に比べてかなり減少している。減少している理由に、畑でせっかく植えた種や芽を食べてしまうという理由がある。村の人々は、自分達の畑で野菜を収穫するので養鶏との両立が少し難しいところがある。
16 家畜を飼う村人が目にみえて減少している。
耕作用のゴルを飼う家が減っている。水牛は、5軒中3〜4件(約70%の村民)が飼育している。ゴルを飼う農家は、5件中2件(約40%の村民)程度まで減少している。ヤギは、家によってばらつきがあり、1軒につき1〜10頭飼育している。
農業振興
19 農業に関してのアドバイザーを村人たちがほっしている。
野菜を良く成長させる方法を教えてほしい。家庭菜園への興味が増えている。
20 農業の指導者を村人たちが必要としている。
農業のアドバイザーが村にいてほしい。
18 獣害予防としてのかかしはサルには効果がある。
カカシは、サル・トラによる被害予防。実際は、サルには効果はあるがトラにはない。
チャレンジ
32 飼育している家畜はおもにスイギュウとヤギである。
水牛3頭(ガイ1、ゴル2)、ヤギ5頭(大人2、子供3)を飼育している(ホームステイ先)。
33 家畜は、おもにスイギュウ・ヤギ・ウシであり、一部の世帯ではニワトリとウサギも飼育している。
サリジャ村の平均世帯の家畜所有例はつぎのとおりである。
・ヤギ:1〜10頭
・水牛:2〜3頭(多い世帯は5頭)
・牛:2〜4頭(3〜4、5軒)/ガイ(雌)→ ミルクのため、ゴル(雄)→ 畑を耕すため
・鶏:昔は飼う世帯が多くあったが、今は減っている.(苗・芽を食べてしまうため、必要な時はバザールに買いに行く)
・ウサギ:2頭、毛を集める(アンゴラウサギ)、食べることもある
14 ヤギは飼育が比較的容易であり村人たちの生活をささえている。
ヤギは、大きさも小さい家畜なので一頭あたりの飼育面積をかけずにすむ。比較的簡単に増やすことが可能。家計に必要な程度に調整しながら飼うことが可能。サリジャ村でも、ほぼ全ての農家が1〜10頭のヤギを飼っている。
15 アンゴラ毛や食肉用として売れるときいてウサギを飼いはじめた家がある。
ある家では、アンゴラを採る為に2頭から飼育をためしに始めた。他は、食用のために6〜7頭を飼っている。
これらを、図解(と表札)をみながらつぎのように文章化しました。
6.「農牧業」
家畜の減少
サリジャ村の人々は伝統的には半農半牧で生計をたててきたが、近年は、家畜を飼う村人は目にみえて減少し、畑作農業が中心になりつつある。たとえばニワトリは、1軒につき15〜20羽を飼っているが昔に比べてかなり減少している。その理由に、畑でせっかく植えた種や芽をニワトリが食べてしまうということがある。村人は、自分たちの畑で野菜を収穫するので養鶏との両立がややむずかしい。またスイギュウは、5軒中3〜4件(約70%の村民)が飼育している。ウシを飼う農家は、5件中2件(約40%の村民)程度まで減少している。ヤギは、家によってばらつきがあり、1軒につき1〜10頭を飼育している。
農業振興
畑作農業が中心になりつつあるなかで、農業に関してのアドバイザー(指導者)を村人たちは欲している。野菜をもっとよく成長させて収穫量を増やす方法を知りたい。家庭菜園への興味も増している。
またサルやトラ(ヒョウ)による獣害があるので獣害予防の方法も必要である。カカシをたてているが、サルには効果があるがトラ(ヒョウ)には効果がない。
チャレンジ
日本人メンバーがホームステイした家では、スイギュウ3頭(雌1、雄2)、ヤギ5頭(大人2、子供3)を飼育していた。
サリジャ村の平均世帯の家畜所有例はつぎのとおりである。ヤギは1〜10頭、スイギュウは2〜3頭(多い世帯は5頭)、ウシは2〜4頭(3〜4・5軒、雌ウシはミルクのため、雄ウシは畑を耕すために飼っている)、ニワトリは飼う世帯が昔は多くあったが今は減っている(必要なときは市場に買いにいく)、ウサギは2頭(毛を集めたり(アンゴラウサギ)、食用にしたりすることもある)である。
サリジャ村の家畜は、おもにスイギュウ・ヤギ・ウシであり、一部の世帯ではニワトリとウサギも飼育しているといえよう。
ヤギは小さい家畜なので、1頭あたりの飼育面積をあまりかけずにすみ、比較的簡単に増やすことができ、家計に必要な程度に調整しながら飼うことが可能なため、サリジャ村でも、ほぼ全ての農家が1〜10頭を飼っている。飼育が比較的容易なヤギは村人たちの生活をささえているといえよう。
アンゴラ毛や食肉用として売れるときいてウサギを飼いはじめた家もある。ある家では、アンゴラをとるために試しに2頭から飼育をはじめ、食用のためには6〜7頭を飼っている。あたらしい試みにチャレンジしながら牧畜・畜産にとりくんでいる。
このように、サリジャ村では、半農半牧の伝統はこわれて畑作が中心になりつつあるが、農牧業を振興させるための努力はつづけられている。
*
最後に、7. 「地場産業」の文章化をすすめます。小見出しをつけます。No.40、1、35、44、39、43 のデータカードをひっぱりだします。
ロクタ製造販売事業
40 ロクタ紙製造販売事業がすすんでいる。
ロクタ紙のミーティングにて、製品の種類は2種類、20g=20×30インチ → 10Nr、15g=19.5×26インチ → 7.5Nr。15gの製品は売っていない。20gの製品はクスマの買い手に売っている。他の買い手からは提示価格以下を要求され売っていない。製品の輸送は、ジープでクスマに行く人に3〜5Nr/kgで運んでもらう。シワの無い製品は500枚作ったうちの200枚に満たない。
1 ロクタ紙(手漉き紙)の製造販売事業が少しずつ進んでいる。
サリジャ村のロクタ紙の重量は15g/枚と20g/枚である。その大きさは、20×30インチと19.5×26インチである。これらのうち19.5×26インチのものはバクタプール・ハンディクラフトで買いとってくれる紙の大きさである。フレームは120個つくった。
販売価格は、15gの紙は7.5ルピー/枚、20gの紙は10ルピー/枚である。19.5×26インチの紙は今は売っていない。現在、クスマのローカル・ビジネスマンに売っている。クスマまでは、ジープで3〜5ルピー/kgで運んでもらっているのではないか(食べ物は(食品の運搬費は)この価格である)。
紙(商品)は、シワのないものが必要であるが、500枚中シワのないものは200枚にもならない。(提案として以下が出された(以下を順次実施していく):商品はシワなし。常に同じ厚さ。巻かないで送る。紙を送るときのために、紙をはさむ板を大工につくってもらう。買い手の要望どおりになっているかチェックする)
機織り事業
35 アロー(イラクサの一種)から繊維をとり、機織りにまわしている。
大イラクサは6〜8月に成長、2月には枯れる。アローとして機織りに利用する。小イラクサは、1年中成長、スープにして食べる。
44 機織り工房での作業と日常家業の両立は大変であるが充実感がある。
トレーニング期間が1週間とみじかく、作業工程をおぼえるのが大変だった。毎日工房で作業をしており(10〜17時まで)、朝晩は家の仕事をしている。工房での作業と日常家業の両立は大変であるが充実感がある。
39 機織り工房が、いこいの場、創意工夫の場になっている。
女性がたくさん集まるので会話ができて楽しい。自分達で案を出し商品をつくることができるので楽しい。この仕事をするまでは父母が現金を稼いでいたが、今は、自分達で現金収入を得ることができるようになった。この仕事に就く前に比べ、時間的に忙しいが充実している。小さい子供は家族に預けて工房に来るが、預けられない場合は工房に連れてくることもある。技術向上のために外部から指導者を呼んだり、自分達で教え合ったりするなど、トレーニングをしている。トレーニングの際に事前に村内に告知し、集まり、技術を身につけた人が工房で働いている。機織り工房の床が土であり寒いため、石を敷き改善する予定である。
43 縫製の訓練のために30人もの女性が他村からきている。
以前おしえた経験をもつ女性が講師になって女性たちに縫製をおしえている。他村からも、30人もの女性たちがサリジャにおそわりにきている。
つぎのように文章化しました。なお本項では、ネパールの「ロクタ紙」について一般の読者のために補足説明を冒頭に追加します。
7. 地場産業
ロクタ製造販売事業
サリジャ村には、ロクタとよばれる低木(ジンチョウゲ科、日本のミツマタの仲間)が自生しており、またネパール・ヒマラヤ各地の山村にはロクタから手漉き紙をつくる伝統技術がつたわっている。ロクタの樹皮をうすくはがし、乾燥させた部分が紙の原料になる。のこった部分は薪としてつかえる。そこでサリジャ村でも、手漉き紙づくりを本格的にはじめ、近隣の都市に販売できないかとかんがえ、日本の NGO の協力も得ながらロクタ紙製造販売事業が村の女性たちが中心になってはじまった。手漉き紙工房を建設し、手漉きの技術をもった職人に近隣の村からきてもらって講習会もひらいた。
ロクタ紙製造販売事業のメンバーのミーティングにおいて、事業計画と進捗状況の確認がおこなわれた。紙製品の種類は2種類であり、20g のもの(20×30インチ、10ネパールルピー/枚で販売)と 15g のもの(19.5×26インチ、 7.5ネパールルピー/枚で販売予定)があるが、15g の製品は今は売っていない。20g の製品は、近隣の都市クスマのあるローカル・ビジネスマンに売っている。他の買い手からは提示価格以下を要求されたため売っていない。製品の輸送に関しては、ジープでクスマに行く人に 3〜5ネパールルピー/kg ではこんでもらっている。15g(19.5×26インチ)のものは、首都カトマンドゥの近郊に位置するバクタプール・ハンディクラフトで買いとってくれる紙の大きさであるがまだ販売していない。紙漉きでつかうフレームは120個つくった。しわの無い製品がのぞましいが、現在のところ、500枚つくったなかでそれは200枚に満たない。
メンバー・ミーティングにおいてつぎの項目を今後順次実施してくことが提案された。商品(紙)はしわのないものをつくる。つねに同じ厚さにする。巻かないで送る。商品をはこぶときのために紙をはさむ板を大工につくってもらう。買い手の要望どおりになっているかつねにチェックする。
機織り事業
一方、アロー(大イラクサの一種)から繊維をとり、糸を紡ぎ、機織りをする事業も女性が中心になってすすめられている。大イラクサは、6〜8月に成長し、2月には枯れ、ネパール・ヒマラヤでは天然素材としてひろくもちいられている。 小イラクサは1年中成長し、スープにして食べる。
機織り工房が建設された。工房の床は今は土であり寒いため、石を敷き改善する予定である。トレーニング・コースも開催された。トレーニング期間が1週間とみじかかったため作業工程をおぼえるのは大変だった。工房のメンバーは、10から17時まで毎日作業をしており、朝晩は家の仕事をしている。工房での作業と日常の家業の両立は大変であるが充実感がある。この仕事につく前にくらべて時間的にはいそがしいが充実している。
この仕事をするまでは父母が現金をかせいでいたが、今は、現金収入を自分で得ることができるようになった。
工房には、女性がたくさん集まるので会話ができてたのしく、また自分達で案をだして商品をつくることができるのもたのしい。小さい子供は家族にあずけて工房にくるが、あずけられない場合は工房につれてくることもある。機織り事業は、現金収入が得られるだけでなく、憩いと創意工夫の場にもなっている。
技術向上のために、外部から指導者をよんだり、自分達で教え合ったりするなどしてトレーニングを随時おこなっている。トレーニングの際には、事前に村内に告知し、以前おしえた経験をもつ女性が講師になって女性たちに縫製を指導している。他村からも、30人もの女性たちがサリジャ村におそわりにきている。
このように、手漉き紙事業と機織り事業という女性たちがになう地場産業が地域社会を活性化させているといえよう。
まとめ
- 接続詞を工夫して文をつなげます。
- 日本語の原則を参照してわかりやすい文章にします。
- 必要があれば補足説明を追加します。
- あらたにおもいついたことはメモしておきます。
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KJ法のコツ(4) − ラベルと記憶 −
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日本語の作文法 ー 原則をつかう ー
▼ 参考文献
川喜田二郎(著)『野外科学の思想と方法』(川喜田二郎著作集 第3巻)、1996年、中央公論社
川喜田二郎(著)『KJ法 渾沌をして語らしめる』(川喜田二郎著作集 第5巻)、1996年、中央公論社
田野倉達弘(著)『野外科学と実験科学 − 仮説法の展開 −』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『KJ法実践記 情報処理と問題解決』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『国際協力とKJ法 ネパール・ヒマラヤでの実践』、2024年、アマゾンKindle
(冒頭写真:ネパール、カトマンドゥ盆地、1998年2月20日、スワヤンブナート(寺院)から筆者撮影)




