run, look, watch, see, listen, hear, taste, talk, say, tell, think, believe, know, wonder, find -「基本動詞 ③」(NHK ラジオ英会話, 2022.06)-

イメージ(モデル)をつかいます。トップダウンとボトムアップの思考をくりかえします。似ている情報を区別しておぼえます。

イメージ(モデル)をつかいます。トップダウンとボトムアップの思考をくりかえします。似ている情報を区別しておぼえます。

NHK ラジオ英会話、今月は、視覚・聴覚などの感覚をあらわす動詞や思考・知識をあらわす動詞を中心に練習しています。

Lesson 41 run のイメージ

She runs a ramen shop in Tokyo.

run のイメージは「スピーディーに・線上を走る動き」です。便利な言い回しがたくさんあります。

Lesson 42 感覚を表す動詞:look

Look at me. Look what you’ve done to me!

look は、「目を向ける」という自発的な動作をあらわします。at は「点」をしめし、ある「点」にむけて「目を向ける」という意味です。

Lesson 43 感覚を表す動詞:watch

Please watch your step.

watch は「注視する」、「ジィィッと見る」ということです。

Lesson 44 感覚を表す動詞:see ① 

Can you see that stone over there?

see は「見える」、look のように目をむける自発的な動作ではなく、対象が目にはいっていること、認識されていることをあらわす、「向こうからやってくる感触」をもつ動詞です。

Lesson 46 感覚を表す動詞:see ②  

Can’t you see I’m busy?

see は、心が映像をとらえているということであり、look や watch よりもはるかにふかく心理と関わります。

Lesson 47 感覚を表す動詞:listen

He never listens to my advice.

listen は、「耳を傾ける」という自発的な動作をあらわします。look(目を向ける)の聴覚バージョンです。

Lesson 48 感覚を表す動詞:hear

Have you heard about Takuma?

hear は、「聞こえる」という、「音が、向こうからやってくる感触」をもつ動詞です。 see(見える)の聴覚バージョンです。

Lesson 49 感覚を表す動詞:taste、smell、feel

This sandwich tastes funny.

基本は、「this sandwich = funny」であり、taste の意味が文全体にオーバーラップして「this sandwich = funny〔な味がする〕」となる「説明型オーバーラッピング」の形です。

Lesson 51「話す」を表す動詞:talk、speak

Can we talk?

talk は「話し合う」であり、「コミュニケーション」に焦点がおかれた動詞です。speak は「(口から)音声を出す」という「一方通行」を基調とする動詞です。

Lesson 52「話す」を表す動詞:say

It says you can’t smoke.

say は「言葉を言う」ということです。

Lesson 53「話す」を表す動詞:tell

Please don’t tell anyone about this.

tell のイメージは「メッセージを伝える」です。

Lesson 54 心理に関わる動詞:think

I think you’re an amazing singer.

think は「思う・考える」ということです。

Lesson 56 心理に関わる動詞:believe 

I can’t believe it!

believe は think よりもふかく「心」に根をおろします。

Lesson 57 心理に関わる動詞:know

I know you’ll do a great job.

この例で「I know」は、「確信」をくわえる意識でつかわれています。

Lesson 58 心理に関わる動詞:wonder

I wonder if he still likes her.

wonder は「大きなクエスチョンマーク(?)が頭に浮かんでいる」イメージです。

Lesson 59 心理に関わる動詞:find

I found you a great T-shirt in Tokyo.

find は「見つける」ということであり、「あ、あった」「あ、そうだったんだ」という発見が多少なりともあります。

今月も、英語をはなすときに欠くことのできない基本動詞をその周辺表現とともに練習しています。日本語を経由しない英語力を身につけ、英語を英語としてつかいこなすためには基本動詞の習熟が不可欠であり、そのためには何といってもイメージが役だちます。

たとえば run のイメージは「スピーディーに・線上を走る動き」であり(図1)、run という英単語とそのイメージをひとまとまり(ファイル)にして記憶しておけば、run をふくむあらゆる英文が容易に理解できます。情報のひとまとまりを情報用語でファイルといい、ここではそれを球でモデル化します。

図1 run のファイルのモデル
図1 run のファイル
のモデル
(Lesson 41 の図を改変)

イメージを念頭におくとつぎの例文もすぐに理解できます。

My parents used to run a small hotel.
The buses run every 20 minutes.
The road runs around the campus.
My nose is running
Time is running short.
The well ran dry.
I’ve run out of cash.
Let me run a bath for you.
I run a program.

イメージから具体的な英文へ、トップダウンの思考がはたらき、さまざまな言い方をイメージが派生させ、イメージをおもいうかべればどんな英文でも理解でき、つかえるようになります。そしていろいろな英文に接したあとであらためてイメージを確認すればイメージが確実に身につき、わすれることはもうありません。多数の例文からイメージを確認するときには、今度は、ボトムアップの思考がはたらきます。イメージには、多様な情報を統合するはたらきがあり、これはモデルといってもよく、物事の見とおしをよくします。

また look・watch・see のような似た英単語のつかいわけもイメージをつかえば簡単にできます(図2)。そうでなく、日本語訳(理屈)でとりくんでいるといつまでも混同がつづきます。似ている情報を比較し区別しておぼえることは記憶法の重要なポイントのひとつです。

look・watch・see を区別しておぼえる
図2 look・watch・see を区別しておぼえる
(Lesson 42〜44 の図を改変)

talk・speak・say・tell もイメージをつかえば容易に区別できます(図3)。

talk・peak・say・tell をつかいわける
図3 talk・speak・say・tell をつかいわける
(Lesson 51〜53 の図を改変)

理屈でやっていると時間をかけた割に効果はあがらずストレスがたまりますが、イメージ(モデル)をつかえば直観がはたらき、情報処理が加速し、勉強がおもしろくなります。

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イメージと言葉をむすびつける - DVD「おとなの基礎英語 Australia」(1)-
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キー・イメージ - DVD「おとなの基礎英語 Australia」-
イメージして言う - 『おとなの基礎英語 Season3』(NHK テレビ DVD BOOK)-

▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2022年6月号、NHK テキスト)NHK 出版、2022年

▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド、ストラットフォード・アポン・エイボン、ウッドストリート(Wood St.)、1999年 撮影)

take, go, come, be, give, get -「基本動詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.05)-

心のなかにイメージがきざみこまれます。動機づけがたかまり記銘力がつよまります。イメージがふくらみます。

心のなかにイメージがきざみこまれます。動機づけがたかまり記銘力がつよまります。イメージがふくらみます。

Lesson 21 take の基本イメージ・「選択」

I’ll take these.

take のイメージは「手に取る」です。

Lesson 22 take のイメージは広がる

Let me take your temperature.

temperature という情報を「取る」というニュアンスでつかわれます。

Lesson 23 take の「受け入れる」

I’ll take your advice.

take の「手に取る」うごきはそのあと、「手に取ったものを自分のほうに引き寄せるしぐさ」があり、「受け入れる」というニュアンスが生じます。

Lesson 24 take の「かかる・必要とする」

It’ll only take 15 minutes or less if we walk fast.

take の「手に取る」は「手に取って使う」につながります。

Lesson 26 take の「持っていく・連れていく」

Can you take me to Stonehenge?

「ひょいと手に取ってどこかに持っていく」というイメージです。

Lesson 27 go の基本イメージ

I really have to go.

go のイメージは「元の場所から出ていき進んでいく」です。

Lesson 28 go の「進行」

It goes like this . . .

「元の場所から出ていき進んでいく」イメージです。

Lesson 29 come の基本イメージ

Nothing comes to mind.

come のイメージは「やってくる」であり、何かがこちらにちかづいてくる様子をイメージします。

Lesson 31 come の方向・go の方向

I’ll come and pick you up at the station.

英語には、会話で焦点があたっている場所(話題の中心になっている場所・相手のいる場所)を基準に go あるいは come をえらぶつよい傾向があります。ここでは、「相手がいる場所(駅)」が基準となり、そこにちかづく自分をイメージします。

Lesson 32 go の変化・come の変化

Our love’s gone sour.

移動をあらわす表現が状態の移行(変化)をあらわします。go は「元の・本来の・あるべき状態」から離れるうごき、 come はそうした場所にちかづくうごきをあらわすところから、「悪い変化」「よい変化」とざっくりかんがえてもよいです。

Lesson 33 be 動詞

(Is) everything OK?

be 動詞が省略されていました。時折省略されることが be 動詞の特殊性をものがたっており、be 動詞は実質的な意味をもたない単なる「つなぎ(=)」です。

Lesson 34 give のイメージ

This place gives me a strange feeling.

give は、何らかのものが何かから単に「出てくる」状況をイメージする動詞です。

Lesson 36 get の基本イメージ

I got the idea to actually eat here.

get は「(動いて)手に入れる」というイメージ、「動き」のニュアンスがいつも感じられます。get は一般動詞の中でもっとも汎用性・頻度がたかい「大物」です。

Lesson 37 get の「動き」

I’ll finally get to see the Pyramids!

get は、「(動いて)手に入れる」から「動き」一般へ意味をひろげています。

Lesson 38 get の「変化(~になる)」

Let’s get going.

get の「動き」は「変化」につながります。まわりの状況に触発されて、「(ジッとしていないで)もう行くことにしよう」といった、「動き出す」変化の感触がくわわっています。

Lesson 39 get の目的語説明型

I got Frankie to do it.

to 不定詞をつかった目的語説明型で get がつかわれています。矢印(→)を to で連想します。get が、Frankie を to 以下の行為に「押している」感触を意識します。

take のイメージは「手に取る」(図1)、go のイメージは「元の場所から出ていき進んでいく」、come のイメージは「やってくる」、give のイメージは、何らかのものが何かから「出てくる」(図2)、get のイメージは「動いて手に入れる」です(図3)。このような状況をイメージできれば日本語訳からおのずと解放され、動詞の力を手にすることができます。

take
図1 take のファイル
(Lesson 23 の図を改変)
図2 give のファイル
(Lesson 34 の図を改変)
図3 get のファイル
(Lesson 36 の図を改変)

たとえば take は、目の前にあるものを体をうごかさずに手にとるイメージですが、get は、そうではないことがすぐにわかります。「I’ll take a taxi.」と「I’ll get a taxi.」をくらべると、take は、タクシーを「選び取る」感触がありますがそこには動きはありません。一方、 get は、その場にいないタクシーを「捕まえてくる」という動きのニュアンスがあります。get は、「動き」一般をあらわすため、非常にたかい頻度でつかわれる「大物」です。

get started, get angry, get wet, get warmer, get drunk, get married, get excited, get disappointed など。

このように、イメージをつかえば直観的に理解でき記憶できます。時間も労力もいりません。そうではなく、イメージをつかわないで苦労していると潜在意識が拒絶反応をおこしてうまく記憶できません。

ラジオ英会話のテキストには、わかりやすいイメージ(絵)がいくつもでており、これらをみていれば単語が自在につかえるようになります。上記のようなファイルとして記憶しておけば、いくつものファイルをくみあわせたり体系化したりすることもできます。こうして、英語あるいは言葉に対する興味・関心がつよくなり学習の動機づけがあがり、記憶の第1段階で必要な記銘力が非常につよまります。

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印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
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イメージして、言葉でアウトプットする -「限定詞・助動詞・時表現」(NHK ラジオ英会話, 2020.01)-
メッセージをうけとり、メッセージをつたえる -「大きな『単語』:定型表現 ①」(NHK ラジオ英会話, 2020.02)-
心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-

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ファイルのしくみ -「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」(NHK Eテレ)-
イメージと言葉をむすびつける - DVD「おとなの基礎英語 Australia」(1)-
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キー・イメージ - DVD「おとなの基礎英語 Australia」-
イメージして言う - 『おとなの基礎英語 Season3』(NHK テレビ DVD BOOK)-

▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2022年5月号、NHK テキスト)NHK 出版、2022年

▼ CD
『NHK CD ラジオ英会話』(2022年5月号)

▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド、ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅(Stratford-upon-Avon station)、1999年 撮影)

感覚と錯覚 -「辛い!の科学」(日経サイエンス, 2022.05)-

〈インプット→プロセシング〉がおこります。辛みは味覚ではなく痛みです。錯覚がおこります。

辛さとは何か? 『日経サイエンス』2022年5月号が特集しています(注)。

感覚神経は皮膚の直下だけでなく,舌の内部にも伸びている(三叉神経と呼ぶ)。トウガラシを食べると舌の中へ浸透したカプサイシンが感覚神経表面の TRPV1 にくっつき,電気信号が発生する。この信号は,味覚神経ではなく三叉神経を経て脳へ届き,痛みの情報として処理される。

すなわち辛みとは味覚ではなく痛みでした。酸味や塩味といった味は、舌の表面にある味蕾(みらい)とよばれる感覚器官でとらえられますが、「辛み」(とくにトウガラシのカプサイシン(辛み成分))は、「TRPV1」(トリップ・ヴイワン)とよばれる舌の内部にある痛みのセンサーでとらえられます。カプサイシンが口にはいったり皮層に触れたりすると舌や皮膚のなかに はいりこんで、感覚神経の表面にある TRPV1 が反応し、このとき、体の側では、痛みの刺激が発生したと勘ちがいして、体温調整や傷の治療などに関わるさまざまな生理反応がおこります。

またトウガラシをたべると口のなかが熱く感じられます。顔から汗がでてきます。そこで TRPV1 は熱にも反応するのではないだろうかという仮説がたてられ実験がおこなわれました。

実験してみると, TRPV1 はまるで温度計のように,周囲の温度が43℃を超えた途端に活発な反応を見せた。

わたしたちは、体温が43℃以上になると熱を痛みとして感じ、これは、この危険な温度になると TRPV1 が反応して情報を脳へ伝達するためであることがわかりました。英語では、辛さも熱さも「hot」です。

しかしおなじ温度のスープであってもトウガラシがはいっていたほうが熱く感じるのはどうしてでしょうか?

辛い料理を食べているときは体内で TRPV1 が反応し続けているため,脳がちょっとした緊急事態に陥っている。

センサーが反応しつづけ異常をうったえるので、実際にはあがっていないにもかかわらず、脳は、体温があがったと判断し、いそいで体を冷却するように指令をだし、その結果 汗がでます。いわゆる「味覚性発汗」です。

また消化管にある感覚神経や自律神経にも TRPV1 をもつものがあり、カプサイシンをこれらがうけとると消化器官の活動は促進され、食欲増進につながります。フランス料理の前菜などにトウガラシをきかせた一品がだされるのはこのためです。

あるいはトウガラシ(カプサイシン)が皮膚にふれるとヒリヒリと痛くて熱い感じがするのはどうしてでしょうか?

味覚性発汗と同じく,実際には皮膚の異常は起きていないにもかかわらず,傷ができたと体が錯覚して発生する現象だ。

「神経原性炎症」とこれはよばれ、体は、傷ついたとおもわれる皮膚に各種の免疫細胞をおくろうとして皮膚直下の血管の血流量をあげ、その結果、皮膚表面が赤みをおび、温度もあがります。温度があがると TRPV1 が反応するためヒリヒリとした痛みがおこります。

このように、トウガラシの “辛み” 成分が、舌や皮膚などにある痛みセンサーにふれると電気信号が発生し、神経をとおってそれが脳におくられ、その信号を脳が処理すると、体温調整や傷の治療・食欲増進など、さまざまな生理反応がおこります。センサーと脳のこのようなはたらきは〈インプット→プロセシング〉といってもよく、情報処理の過程をここにみとめることができます。

しかしわたしたちが辛いとおもっていた感覚は実際には痛みだったのであり、また辛いものをたべて体が熱くなるとおもっていましたが実際には体温はあがっていませんでした。

わたしはかつて、ヒマラヤの比較的高地にいったときにとても辛いものを毎日たべている人々にであいました。気温がひくいためです。わたしも、体をあたためるために辛いものをたべていましたが、それは錯覚でした。おどろきです。感覚の科学的研究が錯覚をあきらかにします。

しかし錯覚とはいえ高地で寒さをしのげたのも事実です。したがって錯覚は、かならずしもすべてがわるいというのではなく、わたしたち人間は、経験的に錯覚をうまく利用してきたといってよいでしょう。

トウガラシは、ペルーの遺跡調査により、1万年も前から食されていたことがわかり、何千年も前の人々がこのみのトウガラシをえらんで栽培していた痕跡もみつかりました。15世紀以後、トウガラシは世界中にひろがり、あらゆる国々の人々の生活にとけこみ、いまや、トウガラシなくして食文化をかたることはできません。

今回の記事により、辛みの感覚の実態とともに錯覚についても理解できました。感覚と錯覚は一体的にとらえなければならず、自覚がないだけで意外に錯覚は普通におこっているとかんがえられます。今回は辛みをとりあげましたがほかの感覚にも錯覚があるでしょう。しかし錯覚を利用しているという事実もあります。感覚と錯覚の研究は今後ともつづきます。

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情報処理能力をたかめるために -『脳が生み出すイリュージョン』(別冊日経サイエンス)-
錯覚をいかす? -『Newton 錯視と錯覚の科学 からだの錯視』-
時間的変化にも心をくばる -『Newton 残像と消える錯視』-
空間にも心をくばる -『Newton 形と空間の錯視』-
インプットとプロセシングを自覚する -『Newton 明るさと色の錯視』-
錯視を体験する - 数理の国の錯視研究所(日本科学未来館)-
錯覚がおこっていることを自覚する(錯覚のまとめ)
情報処理のエラーをふせぐために -「錯視研究の最前線」-

▼ 注(参考文献)
出村政彬著「辛い!の科学」日経サイエンス, 611(2022年5月号), pp.28-43, 2022年


make, have, put, leave -「基本動詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.04)-

単語のイメージをおもいうかべます。イメージと単語がひとまとまりになってファイルになります。心のなかにファイルをふやし活用します。

単語のイメージをおもいうかべます。イメージと単語がひとまとまりになってファイルになります。心のなかにファイルをふやし活用します。

2022年度の NHK ラジオ英会話がはじまりました。今年度のテーマは「日本語を経由せずに表現する」です。基本単語をイメージで理解し、そのまわりにある表現を効果的に音読・暗唱します。基本動詞そして前置詞、形容詞へすすんでいきます。トップバッターは make です。

Lesson 1 make の基本イメージ

I’m sure you made the right decision.

make のイメージは「力を加えて作り上げる」です。

Lesson 2 make it

I’m not sure if we’ll make it to the planned landing site.

「力を加えて作り上げる」が、努力をして目的を達成することにつながります。

Lesson 3 make のとるさまざまな形 ①

She made me this Mexican bracelet.

目的語が2つの「授与型」です。

Lesson 4 make のとるさまざまな形 ②

It made me a little homesick.

「目的語説明型」でもつかえます。

Lesson 6 make のとるさまざまな形 ③

You can’t make her love you.

「目的語説明型」です。「力を加えて(強制的に)」状況を「作り上げる」ニュアンスがあります。

Lesson 7 have の基本イメージ

He will have blond hair and green eyes.

have のイメージは「周りにある」であり、位置をあらわす、うごきのない静的なイメージです。

Lesson 8 have の「権利・影響力」

We have a new piano in our house!

have のイメージは「周りにある」です。

Lesson 9 have の表す行為

You can have my camera.

have は「周りにある」位置関係をあらわし、位置関係から間接的に類推される行為をあらわすことがあります。

Lesson 11 have の目的語説明型 ①

Could you please have my order ready by seven?

「my order = ready by seven」の状況を「have する」というわけです。

Lesson 12 have の目的語説明型 ②

I’m not having you walk home alone in this rain.

「周りにある」イメージの延長、「許す・大目に見る」のつかいかたです。

Lesson 13 put の基本イメージ

I never put milk in my tea.

put は、「何かを・どこかに・ポンと移動する」というシンプルなイメージです。

Lesson 14 put のイメージを豊かに広げよ

Sure, as long as it doesn’t put too much pressure on the band.

「何かを・どこかに・ポン」というイメージです。

Lesson 16 put でネイティブスピーカーのイメージの広げ方を理解する

That’s why I am putting you in charge of the advertising department.

put が「何かを・ポン」する場所は、日本語の「置く」よりはるかに多彩です。

Lesson 17 leave の基本イメージ

It’s tough leaving this company.

leave のイメージは「ある場所から去る」です。

Lesson 18 leave のもうひとつの焦点

I left my wallet in the train.

leave のイメージは「ある場所から去る」ですが、「去る」という行為に注目する場合と「残されたモノ」に注目する場合(視点のちがい)があります。ここでは、「残されたモノ」に注目しています。


Lesson 19 leave の目的語説明

Don’t leave your valuables unattended.

「残されたモノ」に焦点があるつかいかたでは目的語説明型がとくに重要です。

今年度は、基本単語のイメージを身につけ、つかいこなします。たとえば make のイメージは図1のとおりです。

make
図1 make のモデル
(Lesson 1 の図を改変)

「力を加えて作り上げる」というイメージ(絵)のシンボル(符号)が「make」という単語です。イメージとシンボルがまとまって「ファイル」(情報のひとまとまり)をつくり、イメージはファイルの本体、単語はファイルの見出し(ファイル名)として機能します(図2)。

図2 ファイルのモデル

こうして make からイメージをおもいうかべ、イメージをおもいうかべて make をつかいます。英単語→日本語、日本語→英単語ではなく、英単語→イメージ、イメージ→英単語の練習をくりかえします。イメージは容易に記憶に定着するため、このようなイメージ訓練(心象法)はそのまま記憶法に発展します。視覚情報をつかうのは記憶法の基本でもあり、文字情報→視覚情報、視覚情報→文字情報の変換は記憶法のなかの「変質法」(注)の練習といってもよく、このような情報の質的変換は創造性開発にもつながります。

同様に、have のイメージは「周りにある」であり(図3)、put は「何かを・どこかに・ポン」であり、leave は「ある場所から去る」です。これらについてもイメージをおもいうかべます。

図3 have のモデル
図3 have のモデル
(Lesson 7 の図を改変)

たとえば Lesson 12「I’m not having you walk home alone in this rain.(私は、あなたをこの雨の中ひとりで歩いて帰らせたりはしませんよ。)」の have は、「使役動詞」と学校ではおしえられましたがこのような用語にとらわれる必要はなく、「周りにある」イメージを拡張させます。have は動きを感じさせない動詞であり、「~させる」が自然な訳になるときであっても make のように強制的に「させる」感触はないことがイメージにより直観的に理解できます。実におもしろい。

以下も「周りにある」イメージです。

  • have two windows
  • have a lot of rain
  • have an accident
  • have a headache
  • have tea
  • have a bath
  • be had
  • can’t have such behavior

すべてが have のイメージで理解できます。「be had」が「だまされる」であることもわかります。言葉とは類似な情報を統合するシンボル(符号)であり、言葉には、イメージをはじめさまざまな情報を統合する力があり、この力が、アウトプットに役だちます。

従来の “学校英語” や “受験英語” になれてきたわたしたち日本人にとっては日本語訳を頭からおいだしてイメージをつかうことはハードルがいくらかたかいかもしれませんが、日本語を脱することは英語を習得し、外国人とコミュニケーションをするために必要なことです。イメージをつかい、ファイル(情報のひとまとまり)を心のなかにふやしていく方法は情報処理をすすめアウトプットを容易にします。

この方法は、ほかの外国語を習得するときにもつかえますし、あるいは言語にかぎらず、あたらしいことをまなぶときにも役だちます。あらゆる分野に応用できる普遍的な方法をラジオ英会話がおしえてくれます。

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類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
単純なイメージで本質をつかむ -「基本副詞・名詞(可算・不可算)」(NHK ラジオ英会話, 2019.12)-
イメージして、言葉でアウトプットする -「限定詞・助動詞・時表現」(NHK ラジオ英会話, 2020.01)-
メッセージをうけとり、メッセージをつたえる -「大きな『単語』:定型表現 ①」(NHK ラジオ英会話, 2020.02)-
心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-

▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2022年 4月号、NHK テキスト)NHK 出版、2022年

▼ CD
『NHK CD ラジオ英会話』(2022年4月号)

▼ 関連教材

▼ 注:参考文献
栗田昌裕著『栗田博士のSRS記憶法 ― 潜在能力をぐんぐんひきだす』ダイヤモンド社、1993年

(冒頭写真:イングランド、ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅(Stratford-upon-Avon station)、1999年 撮影)

情報処理のエラーをふせぐために -「錯視研究の最前線」-

脳の情報処理によって映像がうまれます。両眼をつかって奥行きをとらえます。さまざまな視点をもちます。

脳の情報処理によって映像がうまれます。両眼をつかって奥行きをとらえます。さまざまな視点をもちます。

錯視研究の第一人者・杉原厚吉さんが錯視に関する映像を公開しています。

錯覚作品「Magnet Like Slopes」(明治大学MIMS・杉原厚吉作)
錯覚作品「クローバーとハート」(明治大学MIMS・杉原厚吉作)
錯覚作品「Triply Ambiguous Object」(明治大学MIMS・杉原厚吉作)
3D Schröder Staircase
重力に逆らって坂道を上がる? 「錯覚すべり台」登場 新潟・八海山麓スキー場

YouTube

錯視が常識をくつがえします。

錯視を起こすには、① 片方の目だけで見る、② カメラで撮影した映像を見る、③ 大きく作って遠くから見る、などが必要です。「両目の間隔は六〜七mなので、両眼立体視が利くのはせいぜい十mまで」と言われます。そのため、③ 大きく作って遠くから見る時、両目で見ても錯視が起きるのです。(中略)

錯視が起きる背景には、① 一枚の画像には奥行きの情報がない(数学的性質)、② 脳は直角を優先する傾向が強い(心理学的性質)の二つがあると分かりました。

杉原厚吉著「見ることの常識が通じない錯視研究の最前線」學士曾会報, 953(注1)

日常生活でも錯視はおきます。注意してみても、本当の形をしったあとでもおこります。自覚がないだけです。たとえば香川県屋島の「お化け坂」もそうです。

屋島スカイウェイのミステリーゾーン「お化け坂」

YouTube

上り坂のあとに下り坂があってふたたび上り坂になるように感じますが実際はちがいます。脳は、急な方は上りで、ゆるやかな方は下りだと判断してしまいます。このような坂道錯視によりブレーキとアクセルをまちがえて交通事故がおこることがあります。

あるいはスポーツにおいても、錯視による誤審があることがすでによくしられています。

このように錯視は、脳の判断によっておこります。みるということ(視覚)には、目が光をうける段階(インプット)と情報を脳が処理して判断する段階(プロセシング)の2つの段階があり、錯視とは情報処理のエラーといってもよいでしょう。

たとえば片目でみると片目の情報しか処理されず錯視が容易におこります。写真撮影でも、レンズが普通は1本(1眼)であるため錯視がおこりやすくなります。「不思議なチーター“チタベロス”」をみてください。

「頭が3つ? 不思議なチーター“チタベロス” いつも仲良し」
(日テレNEWS, 2022.4.11)

これは合成写真ではありません。奥行きの情報がないために錯視がおこります。そもそも目に はいってきた光には奥行きの情報はなく、脳が、左右2つの目の視差を検出して奥行きを判断(想像)します。

このような錯視をふせぐために2眼カメラをわたしはしばしばつかいます(注2)。あるいは1眼カメラをつかうときでも、左足を軸足にして1枚、右足を軸足にして1枚撮影し、ステレオ写真(3D写真)にして錯視をふせぎます。あるいは現場にいってさまざまな視点から対象をみれば錯視をふせげます。背景や構造など、その場の全体もとらえるようにします。

錯視は往往におこり、時と場合によりさけられませんが、錯視がおこる仕組みをしることによってある程度ふせげるでしょう。またみたことをすべて信じず、情報をアウトプットするときに確認・検証をおこないます。固定観念やおもいこみもなくします。

情報処理のエラーとして錯視をとらえなおすと人間の情報処理の仕組みもわかってきます。光(電磁波の一部)を目がうけると電気信号にそれは変換され、神経をとおって信号が脳におくられ、それを脳が処理すると映像が生じます。わたしたちは目でみているとおもっていましたが、実は脳が像をつくりだしていたのであり、この過程でエラーがおこりえます。このような情報処理の仕組みは心のはたらきといいかえてもよく、わたしたち人間が認識している世界(宇宙)も心のはたらきの観点からとらえなおす必要があり、錯視は、このような現象をかんがえるための入口にもなります。

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▼ 注1
杉原厚吉著「見ることの常識が通じない錯視研究の最前線」學士曾会報, 953, pp.49-59, 2022年3月1日

▼ 注2:2眼(3D)カメラの例
FUJIFILM 3Dデジタルカメラ FinePix REAL 3D W3 F FX-3D W3S

▼ 参考文献
杉原厚吉著『新 錯視図鑑:脳がだまされる奇妙な世界を楽しむ・解き明かす・つくりだす』誠文堂新光社、2018年

▼ 関連書籍
杉原厚吉著『見て、知って、つくって! 錯視で遊ぼう: 脳がつくりだす不思議な知覚の世界』(子供の科学サイエンスブックスNEXT)誠文堂新光社, 2021年
杉原厚吉著『鏡のトリック立体キット 自分で作れる!錯覚アート』永岡書店, 2021年
杉原厚吉著『トリックアート図鑑 錯覚! 立体ペーパークラフト』 あかね書房, 2020年

目をきたえる -『目が一気によくなる! 魔法の3Dアート』-

視力が維持され回復します。近視・老眼・疲れ目にききます。脳が活性化します。

視力が維持され回復します。近視・老眼・疲れ目にききます。脳が活性化します。

一見 何がえがかれているのかわかりませんが立体視をすると絵がうきでてきます。それが「3D アート(イラスト)」です。本書は、とおくに焦点をあわせることで絵がうかびあがる「平行法」と手前で焦点をあわせることで絵がうかびあがる「交差法」の 3D イラストをのべ38点収録しており、たのしみながら目がきたえられます。

近視であれ老眼であれ、視力低下を撃退するポイントは、「目をきちんと使うこと」と「脳の活性化」です。(中略)

3D とは 3次元、つまり立体という意味です。若いころ、駆け出しの医師として多忙だった私の視力は、0.1まで落ちたことがありました。しかし、その後に回復し、50代後半の今でも、メガネは不要。運転免許証は裸眼で更新しています。

3D 視力回復法は、そんな私の、長年の習慣の一つ。視力維持に関しては、特に効果を実感している方法です。メガネやコンタクトレンズを使っているかたは、つけたままで行えます。

平行法で絵がうかびあがります(表紙から引用)

立体視のやりかたは本書でくわしく解説しています。またこちらも参考にしてください。

目に光がとどくと、その光の刺激を適切に処理し、物の形や色・おおきさ・距離などを認識するのは脳のはたらきです。目と脳は密接に関係しており、いつもとおなじように目をつかっているだけだとだんだん脳はなまけるようになります。

そこで目と脳を刺激し、視力低下をふせぎ視力を回復する方法として立体視(3D 視力回復法)が有効です。立体視は、目の筋肉である眼筋を緊張させたりゆるめたりするのでおとろえた眼筋の筋力アップになります。また立体視により、ふだんとはちがう活動をするとびっくりした脳は、「私の目は、いろいろな使い方をしている。目の働きをもっとよくしなければいけない」と、活性化していきます。

立体視には、平行法と交差法の2つの見方があり、目と脳のはたらきをいずれもたかめます。2種類とも是非おこなってください。まずは無理をせず、1日5分を目安にはじめましょう。

下の写真も立体視できます。奥ゆきをしっかりとらえてください。

平行法
平行法で立体視ができます
交差法
交差法で立体視ができます

視力がよくなると観察力がつよまります。目からのインプット能力がたかまります。インプット能力がたかまればプロセシング能力もアウトプット能力も向上します。

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立体視をして仏像に向きあう - 十文字美信著『ポケットに仏像』-
3D で宇宙をみる - 伊中明著『ハッブル宇宙望遠鏡でたどる果てしない宇宙の旅』-
富士山を立体視する

▼ 参考文献
本部千博監修・企画編集部編集『目が一気によくなる! 魔法の3Dアート」(マキノ出版ムック)マキノ出版、2021年

アウトプットのために -「追悼 立花隆の書棚」展 –

インプット:アウトプット = 100:1。場所(位置)で記憶します。情報を統合してアウトプットします。

インプット:アウトプット = 100:1。場所で記憶します。情報を統合してアウトプットします。

2021年4月30日に逝去したジャーナリスト・評論家の立花隆さんを追悼し、「追悼 立花隆の書棚」展が文春ギャラリーで一周忌を前に開催されています(注1)。仕事場兼書庫であった通称「猫ビル(ネコビル)」(注2)、通称「三丁目」、立教大学研究室・屋根裏の10万冊をこえる書棚の写真をみながら、立花さんの圧倒的な「知」の世界にはいりこみます。

写真家の薈田(わいだ)純一さんは「全部撮る」を条件に立花さんから書棚の撮影をゆるされ、2010年から週に3~5回かよい、7222枚もの写真を1年半かけてとりました。3m×8mの巨大な書棚写真がみどころであり、また1m×2.5mサイズの書棚写真や生原稿や立花さん愛用の品々も公開しています。

ステレオ写真は交差法で立体視ができます。
立体視のやりかたはこちらです

会場内
会場内
直筆原稿と愛用の品々
直筆原稿と愛用の品々
愛用のスーツケース
愛用のスーツケース

あたらしいことにとりくもうとおもったら本をまずみるとおもいます。そのとき立花さんは、「インプット100に対してアウトプット1」だといいます。たとえば1冊の本をかこうとおもったら最低100冊の本をよみます。ひとつのアウトプットの背後にはその100倍以上の取材・努力があり、膨大な情報が一本に統合されてアウトプットになります。

このようなことをくりかえしているうちに膨大な本があつまりました。仕事場兼書庫は3ヵ所あり、なかでも「猫ビル(ネコビル)」は、地下2階、地上3階+屋上、本をつりあげるクレーンもある「本の砦」です。これだけ膨大な本をどうやって整理していたのだろうか? 立花さんは「本をおいた場所で記憶していた」そうです。たとえば「あの本は、猫ビル3階の南側の書棚にある」というように。したがって「本をうごかして整理しないように」と秘書にいっていました。これは空間記憶法の実践例のひとつです。

同様なことは図書館で誰でもできます。ちかくの図書館にいって館内をブラブラして気にいった本があったら、それがおいてある場所(位置)を記憶します。まずは10冊ぐらい記憶するとよいでしょう。場所をつかえばいつでもすぐにおもいだせます。図書館でつかわれている日本十進分類法にとらわれる必要はありません。

空間記憶法は、無意識のうちに誰もがやっていることですが自覚しておこなうことが大事です。そうすれば本とはかぎらずあらゆる物・情報の記憶が容易になり、「あ、そういえば!」といったおもいつき・ひらめきもうまれやすくなります。

立花さんの書棚の写真を実際にみていくとおもしろそうな本がたくさんみつかります。たとえば「三丁目」の「中央机周り」のランプのそばの書棚をみていたら『見る』という本が興味をひきました。

書棚の例
書棚の例

そのまわりには、『読むということ』『ヒトはなぜ絵を描くのか』『視覚と記憶の情報処理』『もうひとつの視覚』『視覚のメカニズム』『眼と神経』『脳と視覚』『目が人を変える』『心は遺伝子の論理で決まるのか』『脳のなかの幽霊、ふたたび』『ブレイン・ルール』『意識する心』『なぜ記憶が消えるのか』『脳と心』『社会的脳』『読み 脳と心の情報処理』『脳科学と芸術』『視覚の文法』『生命とはなにか』『性の起源』『ヒトはいかにして人となったか』『人間はどこまでチンパンジーか?』・・・、というように、どんどん世界がひろがります。興味がわいてきます。今回の「書棚展(写真展)」と 立花隆著・薈田純一写真『立花隆の書棚』(中央公論新社)(注3)は参考文献集として役だちます。類書をさぐるために最適です。興味をひく本をみつたらその周辺にどんな本があるか、空間的なひろがりとして本がとらえられます。類推がはたらき、発想の場としてもつかえます。同様なことは図書館でもできます。日本十進分類法などの既存の分類法にとらわれる必要はありません。

そもそも立花さんに注目するようになったのはわたしも『田中角栄研究』(注4)からでした。しかしそのきっかけは地球科学者・竹内均の推薦文でした。

私はかつて、文藝春秋社発行の「諸君」という雑誌の書評欄で、この立花隆の「田中角栄研究」をりっぱな科学書であるとして推薦したことがある。(中略)

「田中角栄研究」の材料となったデータは、すべて公開のデータである。立花さんや、そのスタッフのだれかが、どこかの倉庫へしのびこんで盗み出してきたといったものではない。(中略)立花さんは、こういうデータの各々を年表にまとめ、それを横につなげてみて、そこから「田中角栄が怪しい」という推理をし、それをたんねんに跡付けたのである。

こういう方法はまったく科学的なものであり、また一つ一つの仕事は、たいへん地味な作業である。

竹内均著『私の知的鍛錬法 きれっぱしからの発想』徳間書店、1980年(注5)

立花さんは、公開データをたくさんあつめ、内面にインプットし、仮説をたて、推論し、検証しました。まさに科学的方法であり正攻法であり王道です。これは、竹内均がとくに指摘したように、大陸移動説を提唱し体系化したアルフレッド=ウェゲナーの方法とおなじであり、地球科学の方法であり、科学の方法です。アイザック=ニュートン、チャールズ=ダーウィン、アンリ=ポアンカレなどをみてもあきらかです。

このように、膨大なインプットからアウトプットをみちびくところに情報の統合がみられます。立花さんは、大量インプット、空間記憶法、統合出力のながれが重要であることをわたしたちにおしえてくれています。ちいさくとも密度のたかい展覧会でした。

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▼ 注1
追悼 立花隆の書棚展
場所:文春ギャラリー
会期:2022年4月11日~4月15日
※ 撮影が許可されています。
日本を代表するジャーナリスト 立花隆の一周忌を偲ぶ「追悼 立花隆の書棚展」が開催!(文春オンライン)

▼ 注2:猫ビル

▼ 注3
立花隆著・薈田純一写真『立花隆の書棚』 中央公論新社、2013年

▼ 注4
立花隆著『田中角栄研究全記録(上)』(講談社文庫)、講談社、1982年
立花隆著『田中角栄研究全記録(下)』(講談社文庫)、講談社、1982年
文藝春秋特別編集『「知の巨人」 立花隆のすべて』(文春ムック)‎文藝春秋、2021年

▼ 注5
竹内均著『私の知的鍛錬法 きれっぱしからの発想』徳間書店、1980年

ふとおもったことからはじまる仮説法・演繹法・帰納法

ふとおもったことを大事にします。事実・前提・仮説を区別します。仮説法→演繹法→帰納法とすすみます。

先日、あるショップにいったら、テーブルの上に赤い玉が1個おいてありました。そのすぐそばに箱があったので、その玉は、その箱の中からとりだされたのではないかとふとおもいました。

この出来事を冷静にかんがえなおしてみると(箱の中はみることはできませんでした)、テーブルの上に赤い玉がおいてあるという事実をみて、仮に、箱の中には赤い玉がいくつもはいっている(箱の中身は赤い玉である)という前提にたつと、その玉は、その箱の中からとりだされたのではないかという仮説がたてられる、ということになります。

  • 事実:テーブルの上に赤い玉がおいてある。
  • 前提:箱の中には赤い玉がいくつもはいっている。
  • 仮説:その玉は、その箱の中からとりだされたのではないだろうか。

こうして事実と前提にもとづいて仮説がたてられました。これは仮説法です(図1)。

図1 仮説法
図1 仮説法

一方、つぎのこともかんがえました。箱の中には赤い玉がいくつもはいっている(箱の中身は赤い玉である)ということを前提とすると、もし、その箱の中のものをとりだせば、それは赤い玉だろう。

  • 前提:箱の中には赤い玉がいくつもはいっている。
  • 仮説:もし、その箱の中のものをとりだせば・・・
  • 予見:それは赤い玉だろう。

この予見がただしいかどうかは、箱の中から中身を実際にとりだして確認すればよく、赤い玉であれば予見はただしかったことになり、事実として確認されます。実際にとりだしてみたところやはり赤い玉であり、予見は事実となりました。これは、推論をへて事実を確認するプロセスであり、演繹法です(図2)。

図2 演繹法
図2 演繹法

さらに、つぎのこともかんがえました。もし、箱の中から中身をもっととりだせば、それらはすべて赤い玉であるはずであり、いくつもの赤い玉が事実として確認できれば、その箱の中身は赤い玉であるといえるだろう。

実際にとりだしてみたところ、すべてが赤い玉だったので、箱の中身は赤い玉であるとかんがえられます。つまり、仮説法・演繹法でかんがえた前提がみちびかれます。これは帰納法です(図3)。

  • 仮説:箱の中から中身をもっととりだせば・・・
  • 事実:とりだしたものはすべて赤い玉である。
  • 前提:箱の中身は赤い玉であるといえる。
図3 帰納法
図3 帰納法

このように、仮説法・演繹法・帰納法という3つの論理がありますが、これらを、一連の出来事としてとらえなおすこともできます。

テーブルの上にあった赤い玉は、そばにある箱の中からとりだされたのではないだろうかという仮説をたてたら(仮説法)、それをたしかめるために(検証するために)箱の中から中身をさらにとりだしてみて、それらが赤い玉であったなら仮説の確からしさがたかまります(演繹法)。とりだしたものがすべてが赤い玉であったなら箱の中身はすべて赤い玉だろうとかんがえられます(帰納法)。中身をとりだして確認しながら仮説を検証する過程でデータがふえ(データとは事実を記載したもの)、箱の中身をすべてみなくても、中身が何であるか一般的なことが想像できます。

またたとえば、つぎのようなケースもかんがえられます。10個の玉を箱からとりだして、そのうちの9個は赤い玉、1個は白い玉だったとしたら、箱の中身のおよそ90%は赤い玉であり、およそ10%は白い玉であり、もし、箱の中に200個の玉がはいっていたとするとおよそ180個は赤い玉であり、およそ20個は白い玉であるといえます。この箱から玉を1個とりだしたら、およそ90%の確率でそれは赤い玉になるだろうという予測もできます。

このように、ふとおもったこと、ちょっとしたおもいつきを仮説としてとらえなおし、仮説法・演繹法・帰納法を連続的につかえば(図4)、一連のストーリーができ、論理が展開し話がひろがります。いわゆる直観も、このように論理的にとらえなおせばアウトプットに発展します。

図4 3段階モデル
図4 3段階モデル

仮説をたて、もしそうだとしたらとかんがえるのが基本であり、かんがえたとおりにもしならなかった場合は “失敗” ということになりますが、その場合は仮説をたてなおせばよいのであり、あらたなつぎの仮説の検証にすすんでいけます。かんがえられる仮説についてひとつひとつ検証していくことが必要なのであって、失敗は悲観すべき内容ではなく、ただしい仮説に到達するための手段です。失敗と成功という概念も、このような論理展開の文脈のなかでかんがえなおさなければなりません。

なお民族地理学者・KJ法創始者の川喜田二郎は、KJ法の基礎概念として、「野外科学」「書斎科学」「実験科学」とそれらをくみあわせた「W型問題解決モデル」を提唱し、これらはやや難解ですが、ここでのべた仮説法・演繹法・帰納法が野外科学・書斎科学・実験科学の原型であり、3段階モデルがW型問題解決モデルのエッセンスであり、仮説法・演繹法・帰納法がわかれば、野外科学・書斎科学・実験科学のちがいもよくわかり、問題解決もおのずとすすみます。

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▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論新社、2017年(初版1967年)
竹内均・上山春平『第三世代の学問 地球学の提唱』(中公新書)中央公論社、1977年
上山春平著『上山春平著作集第一巻 哲学の方法』法蔵館、1996年

那須サファリパーク事故・ヒューマンエラー説

事実・前提・仮説をおさえます。冷静に論理をすすめ、問題の核心にせまります。教訓をいかします。

事実・前提・仮説をおさえます。冷静に論理をすすめ、問題の核心にせまります。教訓をいかします。

2022年1月5日、栃木県那須町の那須サファリパーク(注1)でトラ(名前=ボルタ)に飼育員がおそわれる事故がありました。

5日午前8時半ごろ、栃木県那須町の「那須サファリパーク」から「飼育員がトラに襲われた」と119番があった。20代の男女計3人の飼育員がトラに頭や腕をかまれるなどして負傷し、緊急搬送された。女性1人は右手首から先を失う重傷という。

県警那須塩原署や同園によると、負傷したのは26歳と22歳の女性、24歳の男性。飼育担当の26歳の女性がトラを屋外の展示スペースに出す準備作業中、獣舎と屋外をつなぐ通路でトラ1頭と鉢合わせし襲われたという。叫び声を聞いて駆けつけた2人も相次いで襲われた。

「トラに襲われた飼育員 1人は右手失う重傷 那須サファリパーク」
毎日新聞、2022年1月5日

1月7日までにつぎの事実があきらかになりました(注2)。

  • トラ舎は平屋で、中には獣舎が五つ並んでおり、トラ2頭が使っていた。
  • トラは、展示終了後、移動用の「アニマル通路」を通って獣舎に戻り、夜を過ごすことになっている。
  • 4日も、ボルタは、展示スペース(外)に出て、閉園の午後4時半すぎには獣舎に戻る予定だった。
  • 獣舎の扉は、ワイヤ式ロープで開閉し、閉めた後は施錠することになっている。
  • 5日午前8時17分、女性飼育員(26)が獣舎が並んだ施設内に入り、園の安全確認をするために施設を通り抜けようとした。
  • 5日は凍結があり、ふだんは通らない施設内を園の安全確認のために通ろうとした。
  • もう1人の男性飼育員(21)は、安全確認後に電源を入れるため外に待機していた。
  • 「わあっ」という叫び声に、この男性飼育員が見ると、「キーパー通路」に女性飼育員とトラがいた。
  • 獣舎は通常は、夕方のトラ収容後に施錠するが、5日朝は獣舎外にトラがいた。
  • 「キーパー通路」と一番端の動物のいない獣舎の間の扉も、その獣舎と「アニマル通路」の間の扉も開いていた。
  • 別の男性飼育員(24)と施設内の「前室」の奥にいた別の女性飼育員(22)が駆けつけ、相次いで襲われた。
  • 午前8時55分ごろ、獣医師が麻酔銃をうち救助。葛原支配人が119番通報した。
  • ボルタが収容されていたはずの獣舎の扉は閉じて施錠してあった。
  • ボルタの獣舎には餌の肉を用意していたが、5日、餌の肉はそのまま残っていた。
  • 通路には、トラのフンが落ちていた。
  • 4日の閉園後、同日担当の飼育員2人は、ボルタが、「アニマル通路」までは戻ったことは確認しているが、獣舎に戻ったことは確認したかどうか不明だという。
トラ舎の平面図
トラ舎の平面図

以上の事実(データ)をふまえ、扉や鍵がこわれたなど、構造的・物理的な欠陥・破損がトラ舎(建物)にはなかったことを前提とすると、つぎの仮説がたてられます。

展示スペース(外)からもどってきたトラ(ボルタ)は「アニマル通路」までははいりましたが、飼育員が扉をあけていなかったため「獣舎」にははいれず、「アニマル通路」で一夜をすごし、翌朝、「獣舎 ①」と「アニマル通路」をとおって展示スペース(外)にでようとした飼育員と鉢合わせ、飼育員は、「キーパー通路」へにげようとしておそわれ、かけつけた2人の飼育員も「キーパー通路」でおそわれたのではないでしょうか。すなわちこの事故は、トラを獣舎にもどさなかったというヒューマンエラーによっておこったとかんがえられます(ヒューマンエラー説)。

  • 事実:上記のとおり。
  • 前提:トラ舎(建物)には欠陥・破損はなかった。
  • 仮説:ヒューマンエラー説。

〈事実→前提→仮説〉とすすむこの論理は仮説法です。仮説をたてるためには事実と前提を区別しておさえる必要があります。

そしてもし、この仮説がただしいとすると、マニュアルどおりに飼育員・関係者が行動していなかった、マニュアルが不完全だった、トラ舎および施設の管理・運営に問題があった、注意力・集中力が関係者に欠けていたなど、仮説を裏づける証言が多数えられるだろうと予想できます。

そこで実際に、関係者からききとりをして確認します。現場検証もあわせてすすめます。結果は記録され、あらたな証拠となります。

1月15日までにつぎの証言がえられました(注3)。

  • 事故前日の今月4日、2人の飼育員が、展示スペースと獣舎をつなぐアニマル通路までトラを入れたが、1人は、別の動物を収容するため、「獣舎に(餌の)肉を置いてトラを入れて」と指示し、先にトラ舎を出た。もう1人は、「肉は置いたが、獣舎との間の扉を開けたかどうか覚えていない」という。
  • 事故前日、飼育員がトラを獣舎へ収容する際、マニュアルに定められた2人ではなく、1人で作業していた。マニュアルでは、2人で獣舎の中に入ったことを目視で確認することになっていた。
  • 前日にトラを獣舎に戻す際に、おりのある建物周辺に雪が積もっていたため、普段は行わない除雪作業に飼育員は追われていた。業務マニュアルの手順にはない雪かきを行っていた。
  • トラが、獣舎に入るのを嫌がるなど異常事態があった時は日誌に記録するが、そのような記録もなかった。
  • トラ舎を抜けて展示スペースへ向かうこともよくあった。「アニマル通路」を飼育員が通ることが常態化していた。
  • トラ舎を抜けずに展示スペースへ出入りするための外部からの出入口の扉は壊れて使えない状態だった。
  • 前提:トラ舎(建物)には欠陥・破損はなかった。
  • 仮説:ヒューマンエラー説。
  • 予想と確認:上記の証言・現場検証。

〈前提→仮説→予想と確認〉とすすむこの論理は演繹法です。

こうして演繹法をくりかえしているとあらたな事実がつぎつぎにうかびあがります。たとえば、「トラ舎を抜けずに展示スペースへ出入りするための外部からの出入口の扉がこわれていた」、「アニマル通路を飼育員が通ることが常態化していた」、「飼育員は前日、通常の手順にはない除雪作業をおこなっていた」などは新事実であり、今回の事故が単純なヒューマンエラーではないことがわかります。施設や組織の構造的欠陥、通常とはちがう出来事があり注意力が低下したなど、はじめに見当をつけた以上のことがわかってきます。あらたにえられた情報を総合すれば、今回のヒューマンエラーの背後にあるもっとおおきな問題があきらかになります。本質的・一般的なことにせまれます。この過程は帰納法です。

今回の事故では、「キーパー通路」つまり人間の領域までトラがでてきており、場合によっては、「前室」から、外の駐車場(サファリパークの入口)までトラがでてきた可能性もありました。

那須サファリパークでは1997年と2000年にも、ライオンに飼育員がおそわれる事故がおこっており、また京都市動物園では2008年、トラにおそわれ飼育員が死亡しています。これらの教訓は残念ながらいかされませんでした。ふたたび事故をおこさないために冷静に論理をすすめ、解決策を立案しなければなりません。

▼ 注1
那須サファリパーク

▼ 注2
「トラに襲われた飼育員 1人は右手失う重傷 那須サファリパーク」(毎日新聞、2022年1月5日)
トラに襲われ飼育員3人けが 2人重傷 栃木 那須サファリパーク(NHK NES WEB、2020年1月5日)
「『わあっ』と叫び声、なぜおりの外にトラ? 那須サファリパーク事故」(朝日新聞、2022年1月7日)
「飼育マニュアル違反か 那須サファリに行政指導 トラに襲われ飼育員けが」(とちぎテレビ、2022年1月7日)

▼ 注3
「トラに襲われ3人けが 除雪作業影響で確認不十分か 団体調査」(首都圏 NEWS WEB、2020年1月12日)
「事故前日に1人でトラ収容作業 獣舎への扉開け忘れとの見方」(下野新聞、2020年1月15日)

「味覚 - 食を “味わう” メカニズム -」(milsil 2021 No.6)

舌はセンサー、脳はプロセッサーです。味は脳で生じます。情報処理を自覚します。

舌はセンサー、脳はプロセッサーです。味は脳で生じます。情報処理を自覚します。

国立科学博物館の情報誌『milsil』2021年 No.6 が味覚を特集しています。

ヒトを含む哺乳動物では、舌に存在する味蕾(みらい)が味覚受容器官(センサー)として働き、食べ物に含まれる化学物質を感知します。(中略)

次に、味細胞から出た味の情報は電気信号となって神経へと伝達されて脳へと入っていきます。(中略)

近年の神経科学の技術革新により、味細胞から出たそれぞれの味の情報は、脳内の味覚伝導路で互いに交わることなく味覚野まで到達するということが明らかになってきました。

神経科学の近年の進歩により味を感じる仕組みがくわしくわかってきました。口のなかにはいってきた食べ物(化学物質)の刺激は、舌の表面にならぶ「味蕾(みらい)」とよばれる器官で受容され、電気的な信号に変換され、神経系によって電気信号が脳につたわり、脳が味を認識します。つまり味は脳で感じています(味は脳がつくりだします)。味蕾はセンサー、脳はプロセッサーといってもよいでしょう。

味蕾は、花の蕾(つぼみ)のような形をしているのでこうよばれ、舌の先端と側面と奥の部分に分布しており、大人では5000〜7500個ほどあり、一つ一つの味蕾は50〜100個の「味細胞(みさいぼう)」で構成され、基本五味のいずれかをそれぞれの味細胞が感知します。基本五味とは、甘味・うま味・苦味・塩味・酸味であり、甘味は砂糖などの糖質、うま味は肉類や野菜にふくまれるアミノ酸や核酸などの栄養素の存在をしめし、塩味は食塩である塩化ナトリウムの味、酸味は酢やレモンなど酸性度を決める水素イオンの味です。また苦味はさまざまな物質に対して感じられ、毒素の検知におもに関与します。なお うま味は日本人が発見した味であり、出汁(だし)にふくまれるグルタミン酸というアミノ酸のおいしさから名づけられ、世界的にも「umami」とよばれます。

味細胞からでた味の情報は電気信号となって神経へ伝達され脳へはいります。電気信号は、脳内の味覚伝導路でたがいにまじわることなく味覚野まで到達するということが近年あきらかになってきました。つまり脳には、たとえば甘味情報だけをつたえる神経の配線(甘味神経)や苦味情報だけつたえる神経の配線(苦味神経)が存在し、味蕾から大脳皮質味覚野まで一直線に信号が到達します。味覚情報のこうした脳内での流れは「ラベルドライン(標識された線という意味)」とよばれます。

味覚情報はさらに、「扁桃体(へんとうたい)」とよばれる感情をつくりだす脳の領域におくられ、甘味のおいしさや苦味のまずさがつくられ、味覚に対する価値判断がうまれます。

このように、舌はセンサーであり、脳はプロセッサーであり、インプットとプロセシングがおこっており、味とは絶対的なものではなく、人間独特の情報処理の結果として生じたものです。食べ物(物質)そのものに味がついているわけではなく、さまざまな情報を味として認識しているにすぎません。

物質を受容して生じる感覚としては嗅覚も同様です。嗅覚も、低分子化合物を受容して生じる感覚ですが、味覚は、ppm(100万分率)以上の高濃度で感じるのに対し、嗅覚は、ppb(10億分率)や ppt(1兆分率)といったごく低濃度で生じるという特徴があります。

あるいは視覚や聴覚も同様であり、光(電磁波)に色がついているわけではなく、空気振動に音(音色)がついているわけではなく、情報処理が脳でおこって色や音が生じます。

こうして、わたしたち人間は感覚をつかって環境を認識していますが、その環境は絶対的なものではなく、人間独特の情報処理の結果として生じています。すなわち基本的に人間は情報処理をする存在であるといえます。このことに気がつくことはとても大事なことであり、情報処理を自覚するだけでもこれまで以上に物事がすすみます。

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おいしさが大脳で認識される仕組みを知る -『Newton』2016年1月号 –
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特別展「ユニバーサル・ミュージアム ― さわる!“触”の大博覧会」(国立民族学博物館)- インプットを自覚する –
すべての感覚を大きくひらいて情報処理をすすめる - 広瀬浩二郎著『触る門には福来たる』-
皮膚感覚を自覚しとぎすます

▼ 参考文献
『milsil』2021年 No.6、国立科学博物館(味覚 - 食を “味わう” メカニズム -)

▼ 関連書籍

3D 国立科学博物館「宇宙を見る眼」- 地動説・ケプラーの法則・万有引力の法則 –

地動説の発想からすべてがはじまりました。仮説法・演繹法・帰納法がつかわれました。事実・前提・仮説をおさえることが重要です。

地動説の発想からすべてがはじまりました。仮説法・演繹法・帰納法がつかわれました。事実・前提・仮説をおさえることが重要です。

国立科学博物館・地球館の地下3階は「自然のしくみを探る」展示フロアであり、その「宇宙を探る」展示エリアの第1コーナーでは「宇宙を見る眼」と題して宇宙を観測してきた歴史を解説しています(注1)。

ステレオ写真は交差法で立体視ができます。
立体視のやりかたはこちらです

「宇宙をみる眼」展示コーナー
「宇宙をみる眼」展示コーナー
ガリレオとニュートンの望遠鏡
ガリレオ(上)とニュートン(下)の望遠鏡(複製)
ニュートンの望遠鏡
ニュートンの望遠鏡(複製)
すばる望遠鏡
すばる望遠鏡(模型)
略年表
  • 1473 ニコラウス=コペルニクス、うまれる。
  • 1543 コペルニクス、『天体の回転について』を出版する(地動説を発表)。
  • 1564 ガリレオ=ガリレイ、うまれる。
  • 1571 ヨハネス=ケプラー、うまれる。
  • 1608 望遠鏡が発明される。
  • 1609 ガリレイ、自作の望遠鏡で天体を観測する。
  • 1609 ケプラー、『新天文学』を出版する(ケプラーの第1法則・第2法則を発表)。
  • 1610 ガリレイ、『星界からの報告』を出版する(あらたな観測により地動説を実証)。
  • 1611 ケプラー式屈折望遠鏡が考案される。
  • 1619 ケプラー、『世界の調和』を出版する(ケプラーの第3法則を発表)。
  • 1642 アイザック=ニュートン、うまれる。
  • 1668 ニュートンにより反射望遠鏡が製作される。
  • 1687 ニュートン、『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』を出版する(万有引力の法則などを発表、力学を体系化)。
年表

「ガリレオの望遠鏡」は、イタリアのフィレンツェ科学史博物館に保存されている、ガリレオ=ガリレイ(1564-1642)自作の2本の望遠鏡のうちの1本を現地で忠実に複製したものです。木製筒に金模様のはいった革張りで、倍率は約20倍、対物レンズは焦点距離980mmで有効口径16mmにしぼった凸レンズ、接眼レンズは焦点距離48mmの凹レンズであり、木星観測に使用され、1610年に出版された『星界の報告』に貢献したといわれます。

ガリレオ=ガリレイは近代科学の祖といわれ、1608年頃オランダで発明されたといわれる望遠鏡に興味をもち、みずからの工夫で60本以上の望遠鏡を生涯で製作し、月のクレーター、太陽の黒点と自転、木星の4大衛星などをつぎつぎに発見しました。

またヨハネス=ケプラー(1571-1630)が1611年に考案した屈折望遠鏡は、接岸レンズを凸レンズにしたものであり、この形式が今日ではひろく使用されています。

「ニュートンの望遠鏡」は、アイザック=ニュートン(1642-1727)が考案・製作し、英国王立協会に1671年に提出した反射望遠鏡を忠実に複製したものです。屈折望遠鏡では、天体の像をむすばせるための対物レンズとして凸レンズをつかうため、色収差(光の波長によって焦点の位置がことなるためにおこる像のゆがみ)をとりさることができないとかんがえ、凹面反射鏡を対物側にもちいました。1668年にはじめて製作したものは口径34mmのちいさなものでしたが、実際に使用できる世界最初の反射望遠鏡となりました。

ニュートンは、万有引力を発見したことでひろくしられ、数学・力学・光学・天文学などのおおくの分野で先駆的な理論的研究のみならず実験的研究をおこない、近代科学の土台をきずきました。

「すばる望遠鏡」は、世界でもっとも条件のよい観測地のひとつであるハワイ島マウナケア山頂に1991年から8年の歳月をかけて日本の国立天文台が建設した世界最大級の望遠鏡です。主鏡の口径は8.2mもあり、1枚鏡の望遠鏡としては世界最大であり、光をあつめるレンズや鏡の口径はおおきいほどくらい天体やとおくの天体を観測でき、またその構造もこまかくしらべることができます。


すばる望遠鏡の位置

古代の人々は、地は不動で天がうごいているとおもっておいました(天動説)。その仕組みとして、アリストテレス式の物理的モデル、プトレマイオス式の数学的モデル、両者の折衷モデルなどが考案されてきました。

しかし15世紀、コペルニクスが登場します。コペルニクスは、それまでの天文学に不満をもち、「宇宙の形態とその部分の確固たる均衡を発見することも結論することもできなかった」とのべ、従来の複雑なモデルは宇宙の実相をあらわしてはおらず、もっとすっきりした宇宙像がえがけるはずだとかんがえます。宇宙は調和しているという美意識がここにはあります。

こうして、天動説にかわり地動説を提唱します。

そして地動説は、それまでにえられていたすべての天文学的観測データで証明できるはずだとかんがえ、定量的に検証します。地動説にもとづいて計算をやりなおし確認します。

このようにして最終的に、太陽を中心として、地球をふくめた諸惑星がそのまわりをまわり、諸惑星は、水星-金星-地球-火星-木星-土星の順にならんでいるという、太陽中心のあたらしい宇宙モデルを提唱します。

地球が運動しているという可能性はコペルニクス以前にもかたられていましたが、仮説をたて、定量的に検証し、惑星軌道の並び順までも確定した太陽系モデルを提唱したのはコペルニクスが最初であり、ここに、宇宙観の歴史的な転換がおこります。

その後、ガリレイやケプラーがコペルニクスを支持し、コペルニクスの路線のうえにたってあたらしい天文学をうちたてていきます。

ケプラーは、膨大な観測データをもつ天文観測家・ティコ=ブラーエの弟子となり、コペルニクスの太陽系モデルをティコ=ブラーエのデータで検証します。ティコ=ブラーエのもとに検証のためのデータが唯一あることをケプラーはよくしっており、とくに、火星の軌道を集中的に解析し成果をあげ、最終的に、ケプラーの法則(第1、第2、第3)をみちびきます。

そしてニュートンが登場します。ニュートンは、ケプラーの第3法則などをつかって万有引力の法則をみいだします。この法則は、まず、天体の運行を説明するためにつくられましたが、その後、ニュートン力学であらゆる現象が説明できるようになり、近代科学の創設者とニュートンはいわれるようになります。

以上の天文学史を論理的に整理するとつぎのようになります。

コペルニクスは、それまでの天文学の現状をみて不満をもち、宇宙の調和(美意識)を前提にして地動説を提唱しました。

  • 事実:天文学の現状
  • 前提:宇宙の調和
  • 仮説:地動説

〈事実→前提→仮説〉とすすむ論理は仮説法といえます。

つぎに、宇宙の調和を前提とし、地動説がもしただしいとすると、天文学的観測データ(観測事実)でそれは証明できるはずであると推論し、検証しました。

  • 前提:宇宙の調和
  • 仮説:地動説
  • 事実:観測データ

〈前提→仮説→事実〉とすすむ論理(推論と検証)は演繹法です。なおデータとは、観測事実を数値などで記述したものです。

そして地動説と観測データ(事実)にもとづいて、普遍的に通用するあたらしい太陽系モデルを提唱しました。

  • 仮説:地動説
  • 事実:観測データ
  • 普遍:太陽系モデル

〈仮説→事実→普遍〉とすすむ論理は帰納法です。

仮説法・演繹法・帰納法を図示(モデル化)すると図1のようになります。

(1)仮説法、(2)演繹法、(3)帰納法
図1 (1)仮説法、(2)演繹法、(3)帰納法

仮説法・演繹法・帰納法はこの順序でつかうと効果があがり、これを、「3段階モデル」といいます(図2)。

3段階モデル
図2 3段階モデル

コペルニクス以前にも地動説をのべた学者はいましたが、彼のように仮説をたて、あらゆるデータで検証し、普遍的なモデルをあきらかにした、つまり科学的な手続きをふんで研究し、その結果を体系化したのはコペルニクスが最初だったのであり、コペルニクスが注目される理由がここにあります。このあと、根本的に発想をかえることによって物事の見方が180度かわり、物事のあたらしい局面をひらくことを「コペルニクス的転回」というようになります。

つぎにケプラーは、コペルニクスの太陽系モデルを、あらたな前提として、あらたなデータ(事実)でそれを検証し、さらに、普遍的に通用するケプラーの法則をみいだしました。太陽系モデルを、あらたなデータで検証する過程は演繹法(注2)、膨大なデータから普遍的な法則をあきらかにする過程は帰納法です。

そしてニュートンは、ケプラーの法則をあらたなデータで検証し、膨大なデータから万有引力の法則をみいだし、力学を体系化しました。ここでも、演繹法と帰納法がもちいられました。

こうして、コペルニクスのあたらしいモデルは、あらたな演繹法と帰納法をうみだしました。3段階モデルにおいて第3段階目までいたると、それが、より高次元の第1段階になります。コペルニクスの段階は、より高次元のケプラーの第1段階になり、ケプラーの段階は、より高次元のニュートンの第1段階になりました。3段階モデルは1回だけおこなわれるのではなく、循環的に何回もおこなわれ、しかも、仮説・事実・前提と、おなじところをグルグルまわっているのではなく、展開し発展します。これを、「3段階循環モデル」といいます(図3)。

図3 3段階循環モデル
  • 1:仮説法により、地動説を発想する。
  • 2:演繹法により、地動説を定量的に検証する。
  • 3:帰納法により、太陽系モデルをみいだす。
  • 2’:演繹法により、太陽系モデルを定量的に検証する。
  • 3’:帰納法により、ケプラーの法則をみいだす。
  • 2″:演繹法により、ケプラーの法則などを定量的に検証する。
  • 3″:帰納法により、万有引力をみいだす、力学を体系化する。

地動説からすべてがはじまりました。〈1→2→2’→2″〉のラインは事実レベルが重視され、〈1→3→3’→3″〉のラインは思考レベルが重視され、こうして研究がすすみました。

これで、コペルニクスからケプラーそしてニュートンへいたる(地動説からケプラーの法則・万有引力の法則そして力学大系へいたる)天文学史・科学史がすっきり整理され、わかりやすくなりました。

このような3段階循環モデルは科学研究にかぎらずあらゆる課題につかうことができます。事実・前提・仮説を区別しておさえることが重要です。

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3D 国立科学博物館「自然をみる技」 – 望遠鏡による視覚の拡張 –
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宇宙の階層構造をイメージする - 国立科学博物館「宇宙を探る」-
複雑な現象を単純化して本質にせまる - 国立科学博物館「法則を探る」-
3D 国立科学博物館 - リンク集 –

「大宇宙展 - 星と人の歴史 -」(東洋文庫ミュージアム)をみる
発見と発展の歴史をたどる -[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)-

大陸移動説と3段階モデル - ウェゲナー『大陸と海洋の起源』-
3段階モデルと情報処理
事実レベルと思考レベル - 3段階モデル –
論理の3段階モデル - 新型コロナウイルスの感染拡大 –
新型ウイルス感染爆発・武漢市場起因説 -「動物からヒトへ」(日経サイエンス 2021.12号)-
仮説法・演繹法・帰納法 -「統計」(Newton 増刊 2)-
論理をすすめる -「統計と確率」(Newton 2019.4号)-
統計と予測 - ワインの方程式 –
予測の論理とカオス -『天気予報の科学』(Newton)-
聖徳太子鎮魂説 - 特別展「聖徳太子と法隆寺」(東京国立博物館)-
オオクニヌシ鎮魂説 - 特別展「出雲と大和」(東京国立博物館)-

▼ 参考文献
国立科学博物館編集『地球館ガイドブック』国立科学博物館、2016年
中山茂著『天の科学史』講談社、2011年
山本義隆著『世界の見方の転換1 天文学の復興と天地学の提唱』みすず書房、2014年
山本義隆著『世界の見方の転換2 地動説の提唱と宇宙論の相克』みすず書房、2014年
山本義隆著『世界の見方の転換3 世界の一元化と天文学の改革』みすず書房、2014年
上山春平著『上山春平著作集 第一巻 哲学の方法』法蔵館、1996年

※ 中山茂著『天の科学史』(講談社)は、一般の読者を対象にした天の科学研究史の入門書であり、平易な文章でわかりやすくかかれ、天動説と地動説など、天と地の探究がどのようにすすんできたのか基本的なことがよく理解できました。
※ 山本義隆著『世界の見方の転換』全3巻(みすず書房)は全1416ページにもおよぶ大著であり、天文の科学史と世界観の転換についてこれほど詳細に正確に記述した本はほかにはありません。とくに、第2巻『地動説の提唱と宇宙論の相克』の第5章「ニコラウス・コペルニクス -太陽系の体系化と世界の一元化-」と、第3巻『世界の一元化と天文学の改革』の第12章「ヨハネス・ケプラー -物理学的天文学の誕生-」がとても参考になりました。
※ 上山春平著『上山春平著作集 第一巻 哲学の方法』(法蔵館)は、アメリカの学者・チャールズ=S=パースの方法論にもとづいて、アブダクション(仮説法)・ディダクション(演繹法)・インダクション(帰納法)について詳述しています。わたしは、同著『弁証法の系譜』(未來社、こぶし書房)をかつてよんで探究や論理の基本的な方法を身につけました。この『弁証法の系譜』が、『上山春平著作集 第一巻 哲学の方法』に収録されています。

▼ 注1
国立科学博物館
地球館 地下3階「自然のしくみを探る」
おうちで体験!かはくVR

▼ 注2:演繹法の例
もし、コペルニクスの太陽系モデルがただしく、太陽のまわりを地球がまわっているとすると、地球から観測される恒星に「年周視差」が発見されるはずだと推論(予見)できます。年周視差とは、地球の公転によって恒星の方向が季節によりいくらかちがってみえるという現象です。そして19世紀に、観測技術が発達し、年周視差が実際に発見されました(観測事実として確認されました)。

  • 前提(普遍):太陽系モデル
  • 仮説:地動説
  • 事実:年周視差の発見

〈前提→仮説→事実〉とすすむ論理は演繹法であり、これにより前提と仮説の蓋然性がたかまります。年周視差は一例であり、このような演繹法(推論と検証)をくりかえすことにより証拠がふえ、前提と仮説はゆるぎないものになっていきます。

電気信号を処理して感覚がうまれる -「電気刺激で意識を探る」(日経サイエンス 2021.12号)-

目で光をうけます。電気信号が神経をながれます。脳の視覚野が映像をつくります。

目で光をうけます。電気信号が神経をながれます。脳の視覚野が映像をつくります。

ロサンゼルスのセカンド・サイ ト・メディカル・プロダクツ社が、視力をうしなった人たちのために「オリオン」という人工視覚装具を開発しました。

ある被験者はいいます。

何も見えていなかった状態から,点滅しながら動き回る小さな光が見える状態に突然変わり,その光の意味を読み解くところまで来た。どんな形でも機能的な視覚を取り戻せたのは本当に素晴らしい。

日経サイエンス, 606(2021年12月号)

この装置は、メガネにつけた小型カメラの画像を電気信号に変換し、被験者の脳の視覚野に設置された60個の電極に無線でおくって電流をうみだします。被験者は、点状の光の集合体を認識することができ、これを手がかりに方向を把握することができます。オリオンは、それまで真っ暗闇のなかにいた人々の生活の質を大幅に改善し、道路を安全に横断し、玄関口の場所を特定することを可能にしました。

このことは、見るという現象には2つの段階があることをおしえてくれます。第1の段階は、目が、光(電磁波)をうけて電気信号にそれを変換する段階であり、第2の段階は、その電気信号を脳が処理して映像をうみだす段階であり、第1はインプット、第2はプロセシングといってもよいでしょう。こうして、映像は脳でつくりだされるのであり、わたしたちは目ではなく「脳で見ている」わけです。

この仕組みをつかって、人工視覚装置の研究開発が1960年代にはじまりました。目が見えない人の視力を部分的に回復することは決して夢ではありません。

人間の神経系は、超高密度で複雑に相互接続したスイッチング素子のネットワークに電流がながれることによって作動していることがわかっており、脳のなかでは、毎秒1兆回発生している電気信号が、何百億ものことなる細胞からなるネットワークをながれます。このような電気信号を脳が処理することによって、視覚にかぎらず聴覚や味覚・嗅覚・触覚など、さまざまな感覚がうまれます。

こうして、わたしたち人間は、人間独自の情報処理の結果として環境を認識するのであり、わたしたちがしっている環境は人間の環境であり、絶対不変に存在するものではありません。

このように、人間は情報処理をする存在であることに気がつくことはとても大事であり、そのために、脳科学や人工装具の研究成果はたいへん参考になります。脳は、心のはたらきをしるためのモデルといってもよいでしょう。

▼ 関連記事
バリアと感覚 - 皮膚(Newton 2020.5号)-
感覚器をつかって情報をインプットする 〜 岩堀修明著『図解・感覚器の進化』〜
皮膚は身体と環境をうつす鏡である -「ひび割れは適応の証し」(ナショナルジオグラフィック 2019.3号)-
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すべての感覚を大きくひらいて情報処理をすすめる - 広瀬浩二郎著『触る門には福来たる』-
皮膚感覚を自覚しとぎすます

▼ 参考文献
C.コッホ「電気刺激で意識を探る」pp.66-71, 日経サイエンス, 606(2021年12月号)

モデルをつかう -「時表現を極める ②」(NHK ラジオ英会話, 2021.12)-

時表現(時制)はまちがってはなりません。イメージをつかみます。モデルをつかうとつかい勝手がよくなります。

時表現(時制)はまちがってはなりません。イメージをつかみます。モデルをつかうとつかい勝手がよくなります。

NHK ラジオ英会話、今月は、過去完了形・未来完了形・未来表現・仮定法・動詞原形を用いる形を練習しています。とくに仮定法についてじっくりとりくんでいます。

LESSON 161 過去完了形(had+過去分詞)

By the time you came back from lunch, Arnold had already left.

過去完了形は過去の時点を意識します。

LESSON 162 未来完了形(will have + 過去分詞)

I’ll have finished by around four o’clock.

未来の時点を will で見通し、そして「そのときまでに」出来事がおこっていることを意識します。

LESSON 163 助動詞+完了形

I must have left it in the clubroom.

must(ちがいない)とおもった時点までに、have 以降の出来事がおこったということをしめします。「(過去に)部室に置いてきた(にちがいない)」と現在確信しています。

LESSON 164 未来表現 ①: be going to

I’m going to check out the new stationery shop.

状況が to 以下の事態にむけて進行中という「流れの中」のイメージです。

LESSON 166 未来表現 ②: will

We’ll make it in time.

will は「見通す」イメージを持つ助動詞であり、未来の出来事をあらわすことが頻繁にあります。原因が目に見える「be going to」とは区別しましょう。

LESSON 167 未来表現 ③:現在進行形・現在形の未来

Are they having another concert?

現在進行形が未来の予定をあらわします。

LESSON 168 仮定法 ①:仮定法の心理

I wish I had another friend.

「もうひとり友達がいればいいのに」という現在の内容に過去形 had がつかわれています。仮定法の作り方は「時表現を過去方向にひとつずらす」ことであり、この操作の理由は「距離感」にあります。仮定法の意味は「現実離れ」であり、それを形の上で表現するために本来の時表現から「離して」います。

LESSON 169 仮定法 ②:仮定法の be 動詞

I wish you were here with me.

「現実離れ」をしめすために過去方向に時表現をひとつずらし were とします(注)。

LESSON 171 仮定法 ③:過去の事柄に対する仮定法

I wish I hadn’t said such a stupid thing to her.

過去の事柄について述べているのに過去完了形がつかわれるのは「距離をとる」意識があるからであり、本来の過去形から距離をとった過去完了形で「現実離れ」をあらわします。

LESSON 172 仮定法 ④: if 節を使った仮定法 1

If he stopped complaining, our team would work more efficiently.

「現実離れ」(反事実)をあらわすときには「時表現を過去方向にひとつずらす」という仮定法の基本はいつもおなじです。むすびの節では、「〜となるでしょうねぇ」とひかえめに「ホンワカ」むすぶのが定石です。

LESSON 173 仮定法 ⑤: if 節を使った仮定法 2

If you had asked me, I would have helped you.

過去の事柄で、「現実離れ」(反事実)をあらわすために過去から距離をとる過去完了形をつかいます。過去についての仮定法も「ありえない・ホンワカ」というリズムになります。

LESSON 174 仮定法⑥: if 節を使った仮定法 3

If you had followed my advice, you wouldn’t be in trouble now.

if 節の中は、過去の事柄に対する反事実ですから過去完了形、むすびは、今の状況に思いをはせるため助動詞の過去形 would/could/might をつかいます。

LESSON 176 仮定法 ⑦:織り込まれた条件

Without your support, I couldn’t have gotten the student loan.

「Without your support」は単に「あなたの助けなし」ということであり、ここに、条件のニュアンスをうみだすのは「couldn’t have」です。

LESSON 177 仮定法 ⑧:仮定法を用いたさまざまな表現

If only Arnold Sylvester were here.

「if only」は仮定法とむすびつき、「~であったらいいのに」と、かなわぬ願望や残念におもう気持ちを感情ゆたかにあらわします。

LESSON 178 仮定法 ⑨:文脈を受ける仮定法・助動詞の過去形

I would start by making some pencil sketches of the scenes.

相談に対して、「私なら~するでしょう」とうけています。ポイントは助動詞の過去形です。

LESSON 179 動詞原形を用いる形

I propose the money be spent on new computers for the library.

文全体は propose の内容を the money 以下の節(従属節)が説明するリポート文です。この節の中で、be 動詞の原形 be がつかわれています。「願望・提案・要求」などを表す動詞に後続する節では、動詞は、原形あるいは「should+動詞(原形)」となります。

過去完了形は、過去のある時点から視線がさらに過去にさかのぼるときにつかい、過去の時点をつねに意識します。

未来完了形は、現在完了形の「今に迫ってくる」を、未来の時点に平行移動した「未来のある時点までに」をしめす形であり、未来の時点を will で見通し、そして「そのときまでに」出来事がおこっていることを意識します。

未来表現では、「be going to」のイメージは「流れの中」であり、「will」のイメージは「見通す」であり、これらは区別しなければならず、「be going to」と「will」の変換練習はやめたほうがよいです。

仮定法は、「時表現を過去方向にひとつずらす」ことによって表現でき、「現実離れ」(反事実)の意味は「距離感」(距離をとること)からうまれます(図)。

距離感をイメージ
図 距離感のモデル
(テキスト LESSON 168 の図を簡略化)

動詞原形を用いる形においては、動詞が原形になるのは「実現していない」からであり、命令文でもおなじです。命令文も、その内容は実現していませんので現在形はつかえません。

以上のように、日本語訳ではなくイメージをつかむことを心がけると学習が加速します。日本語訳はちがってもイメージはおなじという例がたくさんあり、イメージがえがければ、日本語訳を暗記しているよりもはるかに理解がすすみます。

たとえば仮定法は、距離感をイメージする(とおくをながめる)ことによってつかえるようになります。仮定法にかぎらず、距離感があるとき(距離をとるとき)には過去形をつかい、これによって、丁寧な言い方や控えめな言い方やすぎさったことも表現(アウトプット)できます。

イメージを厳選し抽象化したものはモデルといってもよいでしょう。ラジオ英会話のテキストには、実際につかえるすぐれたモデルがいくつも掲載されていてたいへん参考になります。モデルを身につければ英語のつかい勝手が格段によくなり、言語にも、一貫したルールがあることもわかります。

先月と今月のレッスンでは時表現にじっくりとりくみ、とても中身のこい訓練になりました。英語にかぎらず何語でも、時表現(時制)は絶対にまちがわないほうがよいです。わたしも、外国人の友人からかつて注意されました。時制をまちがえるとすぐに誤解が生じます。言葉には、多少まちがっても通じる部分とまちがうとミスコミニケーションがかならず生じる部分とがあります(もうひとつ絶対にまちがってはいけないのは数値(数字)です)。

おおくの人々にとっての言語は、“勉強” するというよりもいかにつかいこなすかが課題になるとおもいます。ラジオ英会話をモデルにしてくりかえし練習していくとよいでしょう。

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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2021年12月号テキスト)NHK 出版、2021年

▼ CD
NHK CD ラジオ英会話 2021年12月号

▼ 関連教材

注)
be 動詞をつかった仮定法では、単数主語でも be 動詞は were とするのが通例でしたが、これは、仮定法が特別な形をもっていたときのなごりであり、現在では、「単数主語 + was」も多用されます。「時表現を過去方向にひとつずらす」という仮定法のルールがここにもはたらいています。
I wish I were a bird. = I wish I was a bird.
I wish my boyfriend were less shy. = I wish my boyfriend was less shy.

(冒頭写真:イングランド、ロンドン、テムズ川(River Thames)、1999年 撮影)

距離感をイメージする -「時表現を極める ①」(NHK ラジオ英会話, 2021.11)-

指定ルールが前提です。空間的なひろがりのなかでイメージします。次元をあげれば学習が加速します。

指定ルールにもとづいて練習します。空間的なひろがりのなかでイメージします。次元をあげれば学習が加速します。

今月の NHK ラジオ英会話は「時表現」を練習しています。「指定ルール」をつかいます。

LESSON 141 過去形 ①:時表現の定位置

It started to rain when we were about to sing our last song.

「指定ルール:指定は前に置く」によって「時」は「前置き」です。「遠いあのとき」をおもいうかべながら「It started to rain」といいます。

LESSON 142 過去形 ②:過去形のイメージ展開1──丁寧

Could you please sign here in my notebook?

生々しい要望から距離をとる感覚で過去形をつかいます。

LESSON 143 過去形 ③:過去形のイメージ展開2──控えめ

I might go to karaoke with her.

過去形の持つ距離感「遠く離れた」により助動詞の過去形は「控えめ」を表現します。現在形のもつ意味から「退き・引いた」感触がこのつかいかたをうみだします。

LESSON 144 現在形 ①:広く・一般的な内容

I’m a digital solutions manager.

現在形のイメージは「身の回り」です。「身の回り」は、「広く・一般的に成り立つ」 をうみだします。

LESSON 146 現在形 ②:現在の思考は現在形で

I think you’re doing a fantastic job.

「身の回り」の感覚は、「現在の思考・感情・知識は現在形で」につながります。

LESSON 147 現在形 ③:宣言・実演

I apologize for not keeping my promise.

話し手の周りで出来事が形づくられることから現在形が選択されます。

LESSON 148 現在形 ④:未来の出来事を前提とするなら現在形

I’ll let you know as soon as I get more information.

そうした状況がおこっていることを「前提」としており、おこっているのが前提なら、現在おこっていることをしめす現在形の使用は自然なことです。

LESSON 149 進行形 ①:進行形の基礎

I’m living in Japan on a work visa.

「比較的短期間続く行為の描写」です。

LESSON 151 進行形 ②:注意すべき進行形

He was sneezing non-stop.

進行形は「比較的短期間続く行為の描写」であり、ここでは、瞬間的な動作が一定期間くりかえされ、つづきます。

LESSON 152 進行形 ③:進行形は外から眺める

Look, I’m apologizing.

進行形は、現在形とはことなり、現在おこっていることを客観的に描写します。

LESSON 153 進行形 ④:進行形は躍動的な行為

I was having a meeting at that time.

会議をするという行為がおこなわれているため進行形となっています。進行形にできるか否かは行為と感じられるかどうか。

LESSON 154 現在完了形 ①:間近に起こった出来事(完了用法)

Look. It’s stopped raining.

この形のイメージは「(今に)迫ってくる」です。過去に属する事柄を「今・現在」にひきつけてかたります。

LESSON 156 現在完了形 ②:過去から現在に至る視線(継続用法)

My spare room has been empty for three weeks.

視線が、過去から現在にむかって移動し、 empty の状態が現在までつづいています。

LESSON 157 現在完了形 ③:過去を今の経験としてとらえる(経験用法)

I’ve traveled all over the world.

過去の出来事を現在にひきつけてかたります。「(今に)迫ってくる」イメージです。

LESSON 158 現在完了形 ④:過去の出来事がもたらす現在(結果用法)

I’ve turned off the water, so it’s OK now.

「水を止めました」という過去の出来事を描写するだけではなく、「水を止めた、その結果、現在水が止まっている」までを意味にふくみます。「(今に)迫ってくる」イメージです。

LESSON 159 現在完了進行形(ずっと~している)

She’s been reading comic books all afternoon.

「(今に)迫ってくる」と、生き生きとした行為の描写である「進行形」とのハイブリッドです。「行為が今に至るまで続く=ずっと~している」となります。

「指定ルール」(指定は前に置く)にもとづいて練習をすすめます。

「遠いあのとき」をおもいうかべながら過去形をつかいます。過去形は、「遠く離れた」という距離感をもつ表現であり、距離感のイメージから「丁寧」ないいかたや「控えめ」ないいかたもうまれます。それに対して現在形は、「身の回り」をイメージし、「現在の思考・感情・知識」、「話し手の周りの出来事」、「前提」などは現在形でいいます。また進行形は「比較的短期間続く行為の描写」であり、現在形とはことなります。現在完了形は、「今に迫ってくる」イメージであり、過去に属する事柄を「今・現在」にひきつけてかたります。

このように、イメージをつかえば、過去形・現在形・現在進行形・現在完了形がこんなに簡単に理解できます。これだけのことです。形式にとらわれずにイメージすることが大事です。

時は、〈過去→現在→未来〉というように1次元でながれるものですが、これをイメージするときには空間をつかい、3次元空間のなかで出来事や対象をおもいうかべることになります。

遠くをイメージしたときには過去形をつかい、はるかかなたは遠い過去に相当し、身の回りをイメージしたときは現在形をつかい、身の回りは現在に相当し、比較的短期間つづく行為をイメージし描写するときには進行形をつかい、遠くから手元にせまってくるイメージでは現在完了形をつかいます。

イメージすることはとても簡単な練習ですが、実は、たいへん奥ぶかい内容をふくんでおり、空間をイメージすることは言語学習にかぎらずあらゆる学習につかえる普遍的な方法です。空間記憶法もその一例です。ラジオ英会話はその方法を実践的にしめしてくれます。

時(過去→現在→未来)や言葉をつかってかんがえるのは1次元ですがイメージ空間は3次元のひろがりであり、1次元から3次元に次元をあげるだけでとくに努力をしなくても情報処理が一気に加速します。そのうえで努力もすればさらに加速するでしょう。

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関係詞節による修飾 - NHK ラジオ英会話(1月)-
仮定法と it - NHK ラジオ英会話(2月)-
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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2021年11月号テキスト)NHK 出版、2021年

▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド、ロンドン、コヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)、1999年 撮影)

心をはたらかせる -「助動詞の征服」(NHK ラジオ英会話, 2021.10)-

助動詞は、心の働きをあらわします。〈プロセシング→アウトプット〉訓練をします。情報の流れが加速します。

助動詞は、心の働きをあらわします。〈プロセシング→アウトプット〉訓練をします。情報の流れが加速します。

NHK ラジオ英会話、今月は、助動詞を練習しています。助動詞の位置も「指定ルール」できまります。

LESSON 121 助動詞学習で最も大切なこと

She may get disappointed.

「指定ルール」により助動詞がこの位置におかれます。

LESSON 122 助動詞 may の推量

He may or may not be ill.

may は「推量(~かもしれない)」をあらわし、おおよそ50%の可能性しかありません。may のイメージは「開かれたドア」であり、「閉ざされていない」程度の可能性をしめします。

LESSON 123 助動詞 may の許可

You may use a dictionary during the test.

may があらわすのは「上から下」への許可です。

LESSON 124 助動詞 must の義務

You must use a pen when you fill out this form.

must のイメージは「高い圧力」です。

LESSON 126 助動詞 must の強い確信

There must be some mistake.

「ちがいない」は、どうしてもそうならざるをえないという結論への「高い圧力」からうまれます。そう考えざるをえないという「高い圧力」の感覚とともに練習します。

LESSON 127 助動詞 will の予測

If you go there today, you’ll feel much better tomorrow.

will のイメージは「見通す」です。トンネルの出口の先の情景がありありと見えているという感触です。

LESSON 128 助動詞 will の意志

I’ll give you a hand.

「見通す」は「意志(~するよ)」もうみます。未来に目をやり、「~するよ」という感触です。

LESSON 129 助動詞 can の「できる」

She can swim like a fish.

can のイメージは「潜在」です。秘めた力を見抜く感触をともないます。

LESSON 131 助動詞 can の許可

Don’t worry, you can use this guitar.

can の「潜在」というイメージは「許可」につながります。「許可」といっても、 may のような「権威あるものが下す許可」ではありません。

LESSON 132 助動詞 can の潜在的性質

It can be noisy here at times.

「潜在」から、「潜在的性質:~しうる・~することがある」がうまれます。

LESSON 133 助動詞 should のアドバイス

You shouldn’t jump to conclusions.

should のイメージは「進むべき道」であり、そこから、「アドバイス」がうまれます。「must のマイルドバージョン」です。

LESSON 134 助動詞 should の確信

Don’t worry, it should arrive any minute.

「進むべき道」は、must の「~にちがいない(確信)」のマイルドバージョン、「~のはず」というつかい方をうみだします。

LESSON 136 助動詞類 have to

I have to hand in this report first thing tomorrow morning.

must があくまで主観的な「しなくちゃだめだよ」であるのに対し、 have to には客観的な必要性が感じられます。

LESSON 137 助動詞類 be going to

Hurry, you’re going to be late for your piano lesson!

be going to の「流れの中」を意識しながら練習します。

LESSON 138 助動詞類 had better、used to

We had better clean up the kitchen before Mom gets back.

had better は切迫感あふれる表現です。

LESSON 139 助動詞は重ねて使えない

I should be able to get there by five.

人間は、2つの心理を同時にもつことができないため、助動詞をかさねてつかうことはできません。

「指定ルール」(指定は前に置く)は助動詞の位置にも作用します。may・must・will・can・should など、 助動詞は「心理を表す」表現であり、動詞句の内容が事実そのものではなく、心理内の話なのだと指定します。指定ルールのこのような語順を習得することがとても大切であり、語順とは意識の順番であり、意識とは心の働きです。心の働きは心理といってもよいでしょう。

したがって心の働きがそのまま語順になり言葉としてあらわせるように練習します。そうではなく、日本語の語順でかんがえ英語にあてはめようとすると混乱し、ストレスが蓄積します。

人間がおこなう情報処理(人間主体の情報処理)の観点からいうと、心の働きとはプロセシング、言葉でいいあらわすことはアウトプットです。プロセシングからアウトプットへスムーズに移行する方法のほうがストレスがなく自然であり、情報がながれます。語順のことなる日本語に英語をあてはめようとしたり、心のはたらきがそもそもなかったりすれば情報はながれず、アウトプットもうまくできないのは当然のことです。言葉とは、言葉になる前に心のなかに生じたこと(プロセシング)を、言葉にしてあらわしたものです(アウトプット)。

このような、心をはたらかせてアウトプットするというやり方は、文法書を徹底的によみこんで練習問題にとりくむといったやり方ではなく、どこでも気楽に簡単にできる練習法です。

英語とはかぎらず何語でも、勉強しはじめて半年〜1年で日常会話が普通にできるようになる人と10年たっても日常会話もできない人がいるのは練習法がちがうからです。従来の「日本人式」勉強法で教科書などをよみながら苦労してくるしんでいるとなかなか進歩しません。〈プロセシング→アウトプット〉訓練をしたほうがよいでしょう。

なお今月の番組で、もとになるイメージが助動詞にもあり、may は「開かれたドア」、must は「高い圧力」、will は「見通す」、can は「潜在」、should は「進むべき道」というそれぞれのイメージがわかりました。イメージもおもいうかべれば心がはたらき、アウトプットへおのずとすすめます。情報の流れが加速します。

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▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド、ロンドン上空、1999年 撮影)