KJ法のコツ(7) − 表札づくり −

情報処理

それぞれのラベルがうったえかけてくる志をききます。それらを統合し要約します。あたらしいラベルに記入します。

KJ法のコツ(5)「ラベルあつめ」ではラベルのセットが7組できました。

つぎに「表札づくり」にはいります。

それぞれのセットについて、セットになったラベルをかさね、その上に、あたらしい空白のラベルをのせます。

表札づくり

空白のラベルをのせたセットが各所にできます。

表札づくり

どれでもよいので1組のセットをとりだし、元ラベルの右に空白のラベルをおきます。ここでは、左上のセットをとりだしました。

表札づくり

それぞれの元ラベルがうったえかけてくる志をよくきいて、それらを統合し要約し、あたらしいラベルに記入します。これが「表札づくり」です。ラベルの右下隅には、1段目の最初の「表札」であることをしめすために「1-1」と記入しておきます。表札づくりは、今後、2段目、3段目・・・とつづき、今おこなっているのは1段目の表札づくりです。

表札づくり

元ラベルを再度よみなおして表札が適切であるかどうかを確認し、よければ、元ラベルをかさね、その上に表札をのせ、コンピューターをつかって作業をすすめているときはそれらを「グループ化」します。紙のラベルなどをつかっているときはクリップでとめます。

表札づくり

これを、元ラベルがあった場所にもどします。

表札づくり

2枚目の表札づくりにはいります。セットになったラベルをとりだします。表札をつくっていく順序はどうでもよく、つくりやすいものからはじめればよいです。

表札づくり

それぞれのラベルがうったえかけてくる志をきいて、それらを統合し要約し、あたらしいラベルに記入します。ラベルの右下隅に、1段目の2番目につくった表札であることをしめすために「1-2」と記入します。

表札づくり

元ラベルを再度よみなおして表札が適切であるかどうかを確認し、よければ、元ラベルと表札をかさね、コンピューターをつかって作業をすすめているときはそれらを「グループ化」し、紙のラベルなどをつかっているときはクリップでとめます。

表札づくり

元ラベルがあった場所にもどします。

表札づくり

3枚目の表札をつくります。

セットをとりだします。

表札をつくり、ラベルの右下隅に、1段目の3番目につくった表札であることをしめすために「1-3」と記入します。

表札づくり

元ラベルがあった場所にもどします。

表札づくり

以下同様に、セットになったラベルをとりだし、表札をつくっていきます。

表札づくり

表札をつけたセットを元の場所にもどします。そして一匹狼のラベルについては、それが1段目の一匹狼であったことをしめすために、ラベルの右下隅に黒点「・」を記入しておきます。

表札づくり
表札づくり

これで、1段目の表札づくりはおわりです。

ラベルはファイルの見出し(表面構造)であり、ラベルあつめはファイルあつめですから、表札は、あつまったファイルの内容を統合し要約したものであり、統合されてあらたにできたファイルの見出しです。表札づくりは、あらたなファイルの核心をついているのが理想ですが、データカードの見出しづくりに似ていて、実際には、そのそばをとおっていればよいです。完璧をもとめすぎるよりも不完全さに耐え、先にすすみます。

中心のちかくを切るように
核心のそばをとおっていればよい

なお「(1)ラベルひろげ→(2)ラベルあつめ→(3)表札づくり」は「グループ編成」といい、1段目のグループ編成がおわれば2段目のグループ編成にはいり、このサイクルを何回もくりかえしていきます。

グループ編成
グループ編成のサイクル

ところでこのような作業をしていると、「そういえばこんなこともあった」、「○○ではないだろうか」、「○○すべきだ」などと、あらたに事実をおもいだしたり、仮説・意見などをおもいついたりしますが、それらは、あらたにラベルにして現在の元ラベルに追加することはしません。メモして別にのこし、後述する「累積KJ法」という方法で活用します。

まとめ

  1. ラベルあつめでセットになったラベルをとりだします。
  2. それぞれのラベルがうったえかけてくる志をきき、それらを統合し要約し、あたらしいラベルに記入し、表札をつくります。
  3. 表札の右下隅には、1段目の最初の表札であれば「1-1」と記入します。1段目の2番目であれば「1-2」、1段目の3番目であれば「1-3」・・・、と記入します。
  4. 元ラベルのセットの上に表札をかさねグループ化します。
  5. 表札をかさねたセットを元ラベルがあった場所にもどします。
  6. 順次、セットに表札をつけていきます。
  7. 一匹狼のラベルは、その右下隅に黒点「・」を記入します。

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KJ法のコツ(21) − 図解化(全体図)−

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日本語の作文法 ー 原則をつかう ー

▼ 参考文献

KJ法
野外科学と実験科学
KJ法実践記

川喜田二郎(著)『野外科学の思想と方法』(川喜田二郎著作集 第3巻)、1996年、中央公論社
川喜田二郎(著)『KJ法 渾沌をして語らしめる』(川喜田二郎著作集 第5巻)、1996年、中央公論社
田野倉達弘(著)『野外科学と実験科学 − 仮説法の展開 −』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『KJ法実践記 情報処理と問題解決』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『国際協力とKJ法 ネパール・ヒマラヤでの実践』、2024年、アマゾンKindle

(冒頭写真:ネパール、カスキ郡、ポカラ、ニュー・バザール、1997年11月22日、筆者撮影)

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