ラベルの束の数が10以下、できれば7以下になるまですすめます。もうあつまらないと感じたら終了します。無理にはあつめません。
KJ法のコツ(14)「グループ編成(5段目)」により5段目のグループ編成がおわり、セットになったラベルの束は8束となりました。5段目の表札(より下の段で作成され、5段目まであがってきた表札もふくむ)は8枚となりました。このとき、今回のケースではそれはありませんでしたが、1段目の一匹狼が一匹狼のまま5段目まであがってきたとしても、それも、5段目の表札と同格としてかぞえます。
それではグループ編成は何段目まですすめればよいか? ラベルの束はいくつまで減ればよいのか? それは、束の数が10以下、できれば7以下とします。7つぐらいでしたら、人間は誰でも、ぱっと見ただけで全体像をすぐに掌握できます。しかし10をこえるとそうはいきません。このことが、のちの「図解化」の作業に影響します。10以下、できれば7以下でしたら図解化が容易にすすみます。
今回のケースでは5段目で8束になりましたのでグループ編成を終了してもかまいませんが、あつまるラベルがさらにあるかもしれませんので、6段目のラベルひろげにすすんでみます。
まず大観します。全体を丸ごととらえます。読むのではなく、見ます。

つぎに各ラベル(表札)を並列的にとらえなおし、それぞれを読んでそれぞれの志をききます。5回ぐらい読んでみたら1組のセットができました。

こられのラベルを統合し表札をつくります。

表札づくり「核融合法」をつかいます。

ラベルの束は7束になりました。一匹狼については黒点6個「・・・・・・」とします。

さらに大観し、そして各ラベルを読んだところ、これ以上はもうあつまらないと感じました。
したがってこれでグループ編成を終了します。
まとめ
- グループ編成は、ラベルの束の数が10以下、できれば7以下になるまですすめます。
- 7以下でしたら、ぱっと見ただけで全体像を誰でもすぐに掌握できます。
- もうあつまらないと感じたら終了します。
グループ編成のポイント
- グループ編成は、「ラベルひろげ→ラベルあつめ→表札づくり」をくりかえします。
- ラベルひろげでは、ひろげられたラベルを大観します。全体を丸ごと見ます。
- ラベルあつめでは、それぞれのラベルを並列的にとらえなおし、今度は、1枚1枚、順に読んで、各ラベルの志をきききます。現場の「声」の方向性と大きさをつかむようにします。相対的に志が類似するラベルをセットにします。
- 表札づくりでは、ラベルを統合し圧縮します。むずかしいと感じたら「核融合法」をつかいます。「殺し文句」のようなみじかいコンセプトの組みあわせが高次元への飛躍をうながします。
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KJ法のコツ(3) − ラベルづくりとラベルひろげ −
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KJ法のコツ(5) − ラベルあつめ −
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KJ法のコツ(7) − 表札づくり −
KJ法のコツ(8) − ラベルひろげとラベルあつめ(2段目)−
KJ法のコツ(9) − 表札づくり(2段目)−
KJ法のコツ(10) − ラベルひろげとラベルあつめ(3段目)−
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KJ法のコツ(12) − ラベルひろげとラベルあつめ(4段目)−
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日本語の作文法 ー 原則をつかう ー
▼ 参考文献
川喜田二郎(著)『野外科学の思想と方法』(川喜田二郎著作集 第3巻)、1996年、中央公論社
川喜田二郎(著)『KJ法 渾沌をして語らしめる』(川喜田二郎著作集 第5巻)、1996年、中央公論社
田野倉達弘(著)『野外科学と実験科学 − 仮説法の展開 −』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『KJ法実践記 情報処理と問題解決』、2023年、アマゾンKindle
田野倉達弘(著)『国際協力とKJ法 ネパール・ヒマラヤでの実践』、2024年、アマゾンKindle
(冒頭写真:ネパール、カスキ郡、ポカラ、ニューバザール、1997年12月5日、筆者撮影)