判断します。決断し、実行します。いつやるか?今でしょ!
ラジオ英会話、今月は、判断とこれからにかかわる表現をまなびました。
Lesson 161 発言タイプ:失敗「失敗を伝える」
I really messed up.
mess は、「汚い(散らかった・混乱した)状態」を意味し、動詞でもちいた mess up は「汚くする・台無しにする・失敗する」を意味します。
いくつかのバリエーションを手に入れておきましょう。
- I’m responsible for the failure.
- The deal fell through.
- My plan went sideways quickly.
Lesson 162 発言タイプ:成功「成功を伝える」
We made it!
made it は、「成功した・成し遂げた」、「やったあ!」というニュアンスのフレーズです。動詞 make のイメージの「(力を入れて)作り上げる」が達成感につながります。
- All my effort came to fruition.
- My hard work paid off.
- Congratulations! You nailed it.
Lesson 163 発言タイプ:類似・同一・相違「類似・同一・相違を伝える」
A movie can be a far cry from the actual novel.
be a far cry from 〜(~とは大違い)は「相違」をあらわすフレーズです。cry(叫ぶ)しなくては声が届かないほどの距離が感じられます。
- My opinion is different from yours.
- My plan is similar to, if not the same as yours.
- They are birds of a feather [two peas in a pod].
「birds of a feather(同じ羽毛の鳥→同類の集まり[人々]、同じ穴のむじな、似たような連中)」は、「Birds of a feather flock together.(類は友を呼ぶ)」ということわざからきています。「two peas in a pod(さやの中の2つの豆)」はそっくり、うりふたつ、仲よしという意味です。
Lesson 164 発言タイプ:普通「当然・普通・よくあることを伝える」
It’s only natural that they are excited.
It’s only natural that 〜 は「~はごく自然・当然(の成り行き)だ」ということです(only は強調)。
- Wearing suits is the norm here.
- It’s quite common for siblings to argue.
- Let’s go to the usual place.
Lesson 166 発言タイプ:評価 ①「評価する」
Don’t underestimate the power of the human mind.
underestimate は、 estimate(評価する・見積もる)に under が加わって「過小評価する」ということです。「過大評価する」は overestimate です。
- That restaurant is overrated nowadays.
- You can’t judge a book by its cover.
- I appreciate the importance of English education.
Lesson 167 発言タイプ:評価 ②「問題点を伝える」
My only issue is this closet.
issue は「(検討・議論を要する)問題(点)」という意味です。 issue のイメージは「外に出る」であり、目の前にぶらさがる解決を要する問題だということです。
- The trouble [problem / issue] is that time is very limited.
- My biggest concern [worry] is that there won’t be enough time.
- I have a health problem.
Lesson 168 発言タイプ:これから ①「目標・希望を伝える」
It is my goal that people recognize we are connected to the past.
将来の目標をのべます。
- My goal [aim] is to eliminate poverty.
- I will / am going to / want to / would like to become an astronaut.
- What’s your endgame?
Lesson 169 発言タイプ:これから ②「決める1 ── 決定・決心の基本表現」
I’ve decided to do something totally different.
I’ve decided to 〜 は「私は~することに決めました」、決定・決心をつたえられます。現在完了形が、現在その心積もりであることをしめします。decide は「これから動詞」、目的語として to 不定詞をとる動詞です。
- I made a quick [snap] decision to 〜.
- I’ve reached [come to] a decision to 〜.
- That was a tough call.
callは、「(典型的には2者間の)決定・選択」という意味でつかうこともできます。スポーツの審判は声をあげて判定します。
Lesson 171 発言タイプ:これから ③「決める2 ── 決めかねている」
He is on the fence.
on the fence は、どちらにおりようかなとまよっていて、決断しかねていることをしめせます。sitting on the fence ともいえます。
- I haven’t decided if [whether] I want dessert.
- I don’t know [am not sure] if I’m ready for marriage.
- I’m in [of] two minds about getting a pet.
Lesson 172 発言タイプ:これから ④「決める3 ── 決意表明」
I won’t let you down again!
won’t は will not の短縮形であり、「~しません」とつい意志をはこび、決意をあらわすもっとも簡単な形です。let 以下は、「you = down という状況を let(許す)」ということ(目的語説明型)です。
- I will return.
- I’m going to marry him someday.
- I’m determined to find the truth.
Lesson 173 発言タイプ:これから ⑤「決める4 ── 決意表明+α」
I’m going to be a teacher no matter what it takes.
be going to 〜(~するつもり)のあらわす決意に、その強調「何があろうと~(します)」をくわえます。what it takes は、takes の後ろに空所があり、「それが何を必要とする」という wh節、それに no matter(重要ではない)をくわえ、「何が必要であろうとも(重要ではない・変わらない)→ 何が何でも」となります。
- I’ll follow you wherever you go.
- I’ll do that (even) if it’s the last thing I do!
- I’ll do that (even) if it kills me!
Lesson 174 発言タイプ:これから ⑥「決める5 ── 尻込みする相手を鼓舞する」
It’s now or never.
「now(今)か never(まったくやらない)か」の選択で、尻込みする相手に今やるべきだとつたえます。相手を鼓舞し決断をせまります。
- If not now, when?
- There’s no time like the present.
- What better time than now?
Lesson 176 発言タイプ:これから ⑦ 「これから」で始まる働きかけ1
I’m going with my friend. Would you like to join us?
進行形で、未来の予定をあらわせます。非常に頻度のたかい言い回しです。Would you like 〜? で「お誘い」します。
- I’m going to the supermarket. Won’t you come with me?
- I’m leaving at 9:00 tomorrow. Please have a taxi ready.
- I’ll get my bags. Please bring the car around, OK?
Lesson 177 発言タイプ:これから ⑧ 「これから」で始まる働きかけ2
I fly to Hawaii on Friday on business. Can you give me a ride to the airport?
現在形 fly をつかいます。現在形であらわす未来は「確定未来」であり、現在の事実としてあつうことのできる確実な未来についてのべることができます。典型的には、「時刻表(タイムテーブル)」「カレンダー上の事実」「式次第」など。
- Your flight boards at 2:10. Please have your boarding pass ready.
- Tomorrow is my birthday. Have you booked a table at a top restaurant?
- I’m going to visit Tokyo. Can you show me around?
Lesson 178 発言タイプ:これから ⑨ 「これから」を表すそのほかの表現
I’m planning to start a new business here on this island.
be planning to 〜 は「~することを計画している」、「これから」をあらわせます。plan(計画する)は「これから動詞」であり、to 不定詞と強固にむすびつきます。
- I’ve arranged to meet some friends.
- I’m scheduled to arrive in London on Tuesday.
- I’m thinking of doing eco-tours.
Lesson 179 発言タイプ:これから ⑩ 相手の都合を尋ねる
Would you be free to join us?
相手の都合をたずねます。「これから」をつたえるときは相手の都合に関する質問がつきものです。Are you free?(空いていますか・時間がありますか?)を例文のように丁寧にいうこともできます。
- Would you have time to 〜?
- Will you be able to join us?
- When works for you?
work forは「都合がいい・予定が合う」という意味でつかえます。相手が関わる予定をのべてからいいます。
*
判断をすれば、つぎは決断し実行です。「これから」です。
ただし重要なことは、「If not now, when?」(今やらなくていつやるのですか?, Lesson 174)ということです。
日本ではつぎのようにいいます。
「いつやるか? 今でしょ!」(現代文講師・林修)
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▼ 参考文献 & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2023年12月号、NHK テキスト), 2023年, NHK 出版
『NHK CD ラジオ英会話』(Audible版, 2023年12月号), 2023年, NHK 出版
(冒頭写真:イングランド, ケンブリッジ大学, キングス・カレッジ(The King’s College of Our Lady and Saint Nicholas in Cambridge, England), 1999年, 筆者撮影)