判断を表現する(NHK ラジオ英会話, 2023.11)

情報処理

判断はプロセシング、表現はアウトプットです。優先順位をきめて実行します。

NHK ラジオ英会話、今月のテーマは「判断を表現する」です。可能性や重要性・難易度・優先度などをしめし、みずからの判断をアウトプットし、相手につたえます。

Lesson 141 発言タイプ:可能性 ① 助動詞・助動詞類を用いて確信を伝える

This album will be a success.

will のイメージは「見通す」です。トンネルのむこうの景色をありありと見通すように未来を予見します。確信があり、自信があります。

そのほかの例も練習しましょう。

  • Excuse me, you must be David.
  • There should be no problem.
  • That lady has to be the one in charge.

must の「ちがいない」は、「A、B、Cの次はDにちがいない」といったつよい確信をあらわせます。should には、「~するはず・~であるはず」のつかい方があり、たかい可能性をあらわせます。have to は、「ちがいない」の背後に客観的確証があるように感じられます。

Lesson 142 発言タイプ:可能性 ② 強い確信を示す

I have no doubt that he’ll let you join.

have no doubt は「疑いがまったくない・間違いない」ということであり、つよい確信をあらわせます。

  • I’m sure [certain / convinced] he’ll understand.
  • He is sure [bound] to win.
  • In all likelihood they’ll win.
  • I guarantee you she’ll say yes.

be 〜 to … の形になれておきましょう。「これから」を感じさせる to 不定詞とのコンビネーションです。 bound は bind の過去分詞「縛られた」であり、 This train is bound for Nagoya.(この電車は名古屋行きです)といったつかい方をする単語です。名古屋以外に電車が行きようがないのと同様、「必ずそうなる」ことをしめせます。

Lesson 143 発言タイプ:可能性 ③ 高い可能性を示す

It’s likely that we will.

likely(~しそう・~しがち)は可能性がたかいことをあらわす形容詞であり、ある状況がおこるほうに天びんがおおきくかたむいていることをあらわせます。

  • He’s liable to do something stupid.
  • I bet traffic will be bad.
  • There’s a 60% chance of rain this weekend.
Lesson 144 発言タイプ:可能性 ④ 可能性がある・ありえる

Do you think it’s possible that I’ll meet my sales goals?

it’s possible that 〜 は「~の可能性がある・~はありえる」です。

  • She may be late.
  • You may (very) well meet them.
  • It’s not (entirely) unlikely you’ll see her there.
Lesson 146 発言タイプ:可能性 ⑤ ありそうもない

I’d be surprised if I got an interview.

I’d be surprised if 〜 は、可能性のひくさをあらわせるカジュアルな頻用表現です。

  • It’s doubtful that I’ll be selected.
  • There’s little chance (that) this can be repaired.
  • He hasn’t got [doesn’t have] a prayer of succeeding.
Lesson 147 発言タイプ:可能性 ⑥ ありえない

Zaytox doesn’t stand a chance against it!

stand a chance(チャンスがある)を否定し、「まったく望みはない・絶望的」といえます。

  • It’s impossible that this painting is real.
  • Not a chance.
  • No way.
Lesson 148 発言タイプ:正誤判断 ① 正しい

You’re on the right track!

track は「道・軌道」であり、電車の線路(railroad track)を想像してみるといいでしょう。on the right track は「正しい道筋の上にある」ということです。

  • That’s true.
  • Spot on.
  • Too right.
Lesson 149 発言タイプ:正誤判断 ② 間違いであることを伝える・判断を避ける

That’s not exactly right.

相手がただしくないことをつたえるときは、相手の気分を害さないよう配慮しなければなりません。「not + 強い表現」のコンビネーションをつかって語気をやわらげます。exactly right は「正確に・まさに正しい」であり、それを not で否定し、「必ずしも正しくはない」とします。That’s wrong.(それは間違いです)よりもはるかに耳にやさしい表現です。

  • I’m afraid I don’t agree with that.
  • There’s no clear-cut answer here.
  • I haven’t taken a side on that yet.

正誤判断ができないときにはその旨を相手につたえます。

Lesson 151 発言タイプ:印象 印象を伝える

It seems that you have an original King Zizilla figure from 1958.

印象をかたるときは、「~のように見える・思える・感じる」といった表現をつかいます。

  • This carpet feels nice and soft.
  • I got the impression that he was lying.
  • It’s giving me good vibes.

vibe は「感じ」「雰囲気」のことであり、カジュアルな表現です。

Lesson 152 発言タイプ:安全 安全性判断

Let’s play it safe and put on our spacesuits.

play it safe は「安全にプレーする→安全策をとる」ということです。安全を話題にするときに中心になる語は safe と risk です。

  • It’s risky to walk alone at night around here.
  • Take an umbrella in case it rains.
  • Take an umbrella. You can never be too careful [cautious].

in case 〜 は「~するといけないから・~の場合に備えて」ということです。

Lesson 153 発言タイプ:重要 ① 重要です

The important thing is to continue.

重要を表す最も一般的な表現は important です。

  • It’s vital [essential / crucial / very important] to do that.
  • It is imperative that you remain calm.
  • We value our customers’ opinions.

imperative は、命令をイメージとする「極めて重要な・必要不可欠な」です。vital は「命に関わる」ということです。value は名詞でつかうと「価値」ですが、動詞でつかううと「尊重する・重んじる」となり、重要視していることをあらわせます。

Lesson 154 発言タイプ:重要 ② 重要ではありません

It’s not a big deal.

deal には、issue(問題)をあらわすつかい方があります。not a big deal は、「大した問題ではない」と、重要性を否定するカジュアルな表現となります。

  • Don’t sweat the small stuff.
  • It’s of little / no consequence.
  • I don’t care.

sweat は「汗をかく→心配する・恐れる」、of no consequence は「まったく結果にはつながらない→まったく重要ではない」。

Lesson 156 発言タイプ:難易 ① 難易を伝える

It’s hard to find time to read books.

it で心にうかんだ情景をうけ、「難しいんだよ」と文をはじめます。it はうける言葉です。そのあと、何が難しいのかを to 以下で説明していきます(説明ルール)。

  • That is a hard nut to crack.
  • That is a tough one.
  • That is no walk in the park.

a hard nut to crack は「割るのが難しい nut(木の実)」、比喩的に「難問・気難しい人」のことです。walk in the park はスイスイ気軽なこと、それを no で強烈に否定します。

Lesson 157 発言タイプ:難易 ② 簡単さ!

Consider it done!

「任せてください・お安いご用です」、相手の依頼や要望に自信を持って応答するフレーズです。「it = done(すでになされたもの)と考えろ」ということから、「任せてください」につながります。

Comfort comes before style.

  • That’s easy.
  • It’s a no-brainer.
  • It’s a cinch.

no-brainerは「頭を使わなくてもできる」、cinchも「ちょろい・極端に簡単なこと」であり、どちらも余裕しゃくしゃくで自信が感じられます。

Lesson 158 発言タイプ:優先 ① 優先の判断

Comfort comes before style.

優先をあらわす簡便な方法は順序をのべることです。come before 〜(~よりも前に来る)をつかい、快適さの優先順位がたかいことをしめします。before は「先・前」をあらわす順序表現です。

  • Family comes first.
  • I put family before everything else.
  • I’d take walking there over waiting for the bus.
Lesson 159 発言タイプ:優先 ② priority を使って

We shouldn’t get our priorities mixed up.

prior は「前の・先の」、順序を表す形容詞であり、その名詞形が priority(優先〈事項〉)です。優先であることを直接あらわせます。mix up(混同する・一緒くたにする)の過去分詞をつかった目的語説明型「our priorities = mixed up にする(get)」により、優先順位を見誤っていることをあらわせます。かたい感触の頻用フレーズです。

  • 〜 is our top [first / number-one] priority.
  • The party takes priority.
  • We need to prioritize customer satisfaction.

priority に動詞語尾 -ize(~にする・なる)をつけた prioritize(優先させる・優先順位をつける)はビジネスや研究など、かたい文脈でつかわれます。

今月のテーマは「判断を表現する」です。人間主体の情報処理の観点からとらえなおすと、判断はプロセシング、表現はアウトプットです。他者にいわれたことをただ実施するのではなく、みずから判断し、相手につたえ、実行します。

判断し表現する。
判断と表現のモデル

判断においてとくに重要なのは、みずからの課題・問題意識にもとづいて物事の優先順位をきめる(prioritize)ことです。あらゆる物事をおなじ比重でみていてはいけません。自分にとって何が重要で何が重要でないか、判断します。

たとえばやるべきことが6件あったとしたら、すべてを完璧にやろうとするのではなく、優先順位第1位、優先順位第2位、優先順位第3位、優先順位第4位、優先順位第5位、優先順位第6位というように、優先順位をはっきりきめ、優先順位第1位は、時間をかけてじっくりとりくみますが、優先順位第6位は、あまり時間をかけずに手抜きをするか、実施しないようにします。実施しないためにわざと失敗してみせる人も世の中にはいます。

教育現場などでは、手抜きというとわるいことだとおもい あまりおしえませんが実際には必要なことです。すべてを完璧・完全にやることは不可能であり、その必要もありません。不完全さに たえる訓練がいります。完璧主義の人は、あらゆる物事を平面的(2次元的)にみていて立体的(3次元的)にみることができないため優先順位をきめることができません。

たとえば学校の科目を勉強するときも、ある生徒は、1.社会、2.英語、3.国語、4.理科、5.数学という優先順位をつけるかもしれませんが、別の生徒は、1.数学、2.理科、3.英語、4.社会、5.国語という優先順位をつけるかもしれません。

あるいは会社で仕事をしているときなど、時間で順番をきめなければならないこともあります。まずこれをおこない、つぎにこれをおこない、第3番目にこっちをおこなうというように。

物事の優先順位がきまれば判断がさだまり、おのずと行動にうつれます。物事がうごきはじめます。

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▼ 参考文献 & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2023年11月号、NHK テキスト), 2023年, NHK 出版
『NHK CD ラジオ英会話』(Audible版, 2023年11月号), 2023年, NHK 出版

▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド, ロンドン自然史博物館(Natural History Museum, London, England), 1999年, 筆者撮影)

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