接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.02)

情報処理

基本イメージから連想します。前提は現在形です。話の流れ(フロー)をつくります。

NHK ラジオ英会話、今月は、接続詞にとりくんでいます。接続詞は話の道しるべ、文をくみあわせ話を展開するために必須です。主要な接続詞 when からはじめます。

Lesson 201 主要接続詞 ⑤:when

I get nervous when I talk to her.

「when+節」は、主たる節の内容がいつおこるのかをしめします。

Lesson 202 主要接続詞 ⑥:while

Wait in the café over there while I go buy them.

while は、2つの歯車が同時にまわっているイメージです。「while+節」では、while 節の状況がおこっているあいだ、同時に、主節の状況もおこっていることが意識されます。

Lesson 203 主要接続詞 ⑦:though、although

Even though I have a driver’s license, I hardly ever drive.

though、although は、全体のながれにそわないちょっとした逆流があることをあらわします。この文は、「ほとんど運転しない」が主たる内容であり、「免許を持っている」がちょっとした逆流です。even though(~ではあるが)は though を強調した形です。

Lesson 204 主要接続詞 ⑧:though

He can be a bit strict sometimes, though.

though は、節をともわず単独でもつかえます。「~なんだけどね」と、つけたす感じです。それまでの話のながれにちょこっとした逆流をくわえられます。though は although よりも「軽い」単語です。

Lesson 206 主要接続詞 ⑨:if

If she marries him, I’ll have a lot of chances to talk with him.

if のイメージは、「こちらのほうに進めば」です。if 節は、未来のことでも現在形をつかいます。if 文は、条件がなりたつ前提で「そうしたら~」と話をすすめ、実際におこっているとみなすため現在形となります。また帰結をあらす節では、will や can など、助動詞の使用が標準です。if があらすのは、「もし~なら」という仮定の話であるため、その行く末は、「~でしょう・しますよ・できますよ」と助動詞でむすぶのが自然です。

Lesson 207 主要接続詞 ⑩:if

I’m not sure if he truly needs me.

この if 節は、「彼が私を本当に必要としているかどうか」という二択をあらわします。これは、「条件」とは無縁ではなく、「もし~なら」という条件はそうでなかった場合も連想させ、つまり二択を感じさせます。

Lesson 208 主要接続詞 ⑪:if

It’s just as if I had taken a train from Tokyo to Shinjuku!

as のイメージは「=(イコール)」です。つまりこのフレーズは、「もし(if)~なら、そうであるように(as)」ということです。ここでは仮定法がつかわれ、「実際はそうではないのに」という反事実のニュアンスが加味されています。

Lesson 209 主要接続詞 ⑫:as

I cut my finger as I was chopping carrots.

as のイメージは「=(イコール)」です。そこから「同時性」がうまれます。as は、出来事がいつおこったのかを単にしめす when や while よりもはるかにつよい接触感をもちます。

Lesson 211 主要接続詞 ⑬:as

As you know, tomorrow is Valentine’s Day.

as のイメージは「=(イコール)」です。as you know は「あなたも知っているとおり」となります。

Lesson 212 時のフロー ①

I’ll just go to the restroom before we leave.

before は、出来事の順序関係のフローを作る重要な表現です。「私たちが出発する」が前提と感じられている(おこるとみなされている)ため、未来の状況であっても現在形をつかいます。

Lesson 213 時のフロー ②

Now that we have a sofa, let’s have a party here.

「now +(that) 節」で「今は~だから」をあらわせます。now(現在)の状況を (that) 節でくわしく説明できます。

Lesson 214 理由・原因のフロー ①

I didn’t play so well because I didn’t practice enough.

because は、ほかにつかいみちがない単機能の接続詞であるので「理由・原因」をまちがいなくしめせます。

Lesson 216 理由・原因のフロー ②

It’s because he liked one of the members, and another member started dating her.

It’s [That’s] because 〜 は、「それは~だから」と理由をあたえる表現です。

Lesson 217 理由・原因のフロー ③

Thanks to your performance, we had a great scene there.

「thanks to +名詞」は「理由・原因」に「感謝」がくわったフレーズです。to の後ろには名詞が使われます。

Lesson 218 結果のフロー ①

I’ve never read haiku in front of an audience before, so I’m nervous.

so のイメージは「矢印(→)」です。この文でも、「初めてなので緊張している」という「原因から結果」への流れをつくっています。「流れ」を感じさせる and でもゆるやかに「結果」をあらわせます。

Lesson 219 結果のフロー ②

As a result, we have to cancel the tour.

as は「=(イコール)」です。「結果」をあらすことができるのは、so や and といった接続詞だけではありません。

今月は、文をくみあわせ、よどみない会話のフローを展開するために役だつ接続詞・接続表現をまなびました。来年度の番組にむけて、より実践的なプログラムになってきました。

接続詞のまとめ

()内はイメージです。

  1. although(though よりも軽い逆流)
  2. and(流れ)
  3. as(=(イコール))
  4. because(理由・原因)
  5. before(出来事の順序関係)
  6. but(流れを打ち消す)
  7. if(こちらのほうに進めば→二択)
  8. or(選択)
  9. so(矢印(→))
  10. though(逆流)
  11. when(時→場合)
  12. while(2つの歯車が同時にまわっている)
基本イメージと連想

I’m a big fan of sake, while my wife prefers wine.

たとえば while の基本イメージは「2つの歯車が同時にまわっている」であり、2つの歯車をイメージすると2つの状況が連想でき、「一方では~であるのに対し・・・」という対比をあらわすことができます。

Let me know if you’re free on Monday.

また if は、Yの字を横にしたイメージであり、「こちらのほうに進めば」ということですが、それから、「二択」(〜かどうか)が連想できます。

理由・原因 -さまざまな言い方-

I didn’t play so well because I didn’t practice enough.
I didn’t play so well, since I didn’t practice enough.
I didn’t play so well, as I didn’t practice enough.
I didn’t practice enough, so I didn’t play so well.
I didn’t practice enough, and I didn’t play so well.

because は、ほかにつかいみちがない単機能の接続詞であるので「理由・原因」をガッチリしめせますが、理由・原因をしめす接続詞はほかにもあります。

since のイメージは「起点」です。理由・原因を「起点」とし、その出来事がおこったことをあらわせます。since は単機能ではありませんからガッチリ感は because ほどではありません。

as のイメージは「=(イコール)」です。同時性から、ほんのりと因果関係が想像できます。ガッチリ感はさがり、かすかにむすびつける感触から上品さ・フォーマル感のたかさも感じられます。

so のイメージは矢印(→)です。因果関係にもつかえます。

and のイメージは「流れ」です。ゆるく気軽に因果関係をしめせます。

前提は現在形

Call me when you arrive at the hotel.

when 節の動詞 arrive が、未来の状況なのに will もつかわれず現在形なのは、「ホテルに着いた」が前提となり(主節の前提となり)、それがおこっているとイメージできるためです。will(~だろう)などという心理もはたらきません。

この現在形は、when 節だけでなく、as soon as 〜(〜するとすぐ)、after 〜(~したあと)、before 〜(~する前)、until 〜 (~まで)、if 〜(もし~なら)など、時や条件をあらわす節にひろくみられます。「前提は現在形」とおぼえておきましょう。

以上のように、基本イメージをまず身につけ、そこから連想することによって英語がわかり、つかえるようになります。むずかしいことは何もありません。

それにしてもここまで言語が合理的で単純・明快だったとは。日本語もおなじです。

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▼ 参考文献 & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2023年2月号、NHK テキスト)NHK 出版、2023年
『NHK CD ラジオ英会話』(2023年2月号)NHK 出版、2023年

▼ 関連教材

(冒頭写真:イングランド、オックスフォード、ハイ・ストリート(The High Street in Oxford, England)、1999年、筆者撮影)

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