NHK ラジオ英会話、今月は、限定詞、可算・不可算名詞、接続詞などにとりくんでいます。日本語に訳すのではなくイメージし連想します。
Lesson 181 all、every のイメージ
Every family has its chef.
all が全体をひっくるめる「全部」というおおらかな単語であるのに対し、every 〜 は「どの~もみんな」と、個々に意識がおよびます。every がつねに単数あつかいなのはそのためです。
Lesson 182 no のイメージ
I have no friends.
no のイメージは「全然ない・ゼロ・漆黒」であり、非常につよい表現です。「I don’t have any friends.」よりも、「いない」をずっとつよくしめせます。
Lesson 183 other のバリエーション
Could you show me another? Could you show me the other? Could you show me the others? Could you show me others? Some are cheap, and others are expensive.
another は an に other がついた単語です。a(n) のイメージは、「(ほかにもあり)特定のひとつに決まらない」ですから、another は、「ほかにもある中のひとつ」ということです。「Could you show me another?」は、店にあるいくつかのうち「どれかひとつ」をみせてくださいという意味です。
the other は「全体で2つしかない」場合にもちいます。the のイメージは「ひとつに決まる」ですから、「ほか」がひとつに決まるのはそもそも2つしかありません。
the others は「残り全部」ということです。「the +複数形」はひとつに決まるようなグループ、つまり特定のグループ全体を指さします。the United States of America(アメリカ合衆国)、 the Yamadas(ヤマダさん一家)といった例があります。
限定詞のつかない表現は、何ら具体性のない「~というもの・~一般」です others は、ボンヤリと「別のもの」とのべており、その場にある任意のいくつかということです。この表現は、「ボンヤリとある」を意味する some といいコンビネーションをつくります。
Lesson 184 both、either、neither
Both of them? You can have both toys. You can have either toy. You can have neither toy.
2者間の選択を表す表現に both、either、neither があります。「Both of them?」の both は2者が同時に視野にはいって「両方」ということです。他方、either は「ひとつひとつに目を向ける」意識であり、「どちら(か)」です。neither は either の否定、「どちらも~ない」となります。
Lesson 186 人々一般を表す
You only live once.
「人は一度しか生きない」ということです。この文の you は、話し相手をあらわす you ではなく、「人々一般」をもっとも広範囲にしめす気軽な表現です。you だからといって話し手をふくまないわけではなく、話し手をふくめた「人々一般」を意味します。
Lesson 187 it の基本
What’s that? — It’s a universal translator.
質問者は「あれは何?」と that で対象物を「指し」ます。そして that で指しているものを受けて、「万能翻訳機ですよ」とこたえます。日本語では、相手の発言を受け一拍置いて「・万能翻訳機ですよ」とこたえます(・は前の表現を受ける一拍です)。日本語では言葉にあらわれない「受ける」意識が英語の it です。it は、「それ」と訳されることがおおい単語ですが、指しているわけではありません。日本語訳にとらわれてはなりません。
Lesson 188 it を説明するリズム
It’s difficult to have a restaurant in this area.
「it で文を始め、その説明を後ろに置く」リズムです。この文で話し手は、心にうかんだ状況を「受け」て、「It’s difficult」とまずいいます。そのままでは何がむずかしいのかわからないため、後ろで、it の内容説明をのべます(説明ルール)。それが to 以下の「この地域でレストランをやっていくのは、ね」の部分です。it の特徴的なリズムをつかいます。
Lesson 189 it を使って強調
It was a Dutch person that invented the telescope.
「強調したい箇所を前に出して目立たせよう」という形です。「A Dutch person invented the telescope.」といえばすむところを、「it was」をつかって、主語の「a Dutch person」を前にひっぱりだします。「オランダ人だったんだよ」とまず強調し、そして that 以下で「オランダ人」を説明します。「it+be動詞」で要素をひっぱりだし、that 以下で展開します。この形は、「it の強調構文」ともよばれますがそのような文法用語は役にたたず、it のイメージ・機能と説明ルールをつかうことが大事です。
What’s that? ― It’s a wine bottle opener.(あれは何ですか? ― ワインのコルク抜きです。) I’m really sorry. It won’t happen again.(本当にすみません。二度としません。)
状況を受ける it
It’s a fine day today.(今日は晴れの日です。) It’s five o’clock now.(今5時です。) It’s dark here.(ここは暗いです。)
前の文脈から容易に想像可能な内容を受ける it
Let’s call it a day.(今日はここまでにしましょう。) You can make it if you try hard.(頑張ればできますよ。) That’s it!(それだ!) I got it.(わかりました。)
call it a day の it は「これまでの仕事内容」です。make it の make は「作り上げる」、make と it のコンビで「成し遂げる」、文脈によっては「間に合う」です。That’s it! は、さまざまな意味になりますが、it に、「私たちの求めるもの」を想像すれば「それだ!」となります。
it で表した内容をあとづけで説明する
It takes only 15 minutes from here to your earth. (ここから地球まで行くのに、わずか15分しかかかりません。)
it は、積極的な意味をもたない「受ける」だけの単語であるため、it であらわした内容をあとづけで説明する形がよくつかわれます(説明ルール)。「15分しかかかりませんよ」とのべたあと、「ここから地球まではね」と説明します。まず it で文をはじめ、あとで説明します。it のとる特徴的なリズムをいかします。