前置詞をイメージします。もとのイメージから連想します。フレーズの意味がわかります。
NHK ラジオ英会話、今月からは前置詞にとりくみます。
Lesson 81 about のイメージ
I weigh about 80 kilos now.
about のイメージはボンヤリと「周り」です。
Lesson 82 at のイメージ ①
I bought them at the mall.
at のイメージは「点」です。
Lesson 83 at のイメージ ②
I was at Big West Film School for three years.
地点をあらわす at にはそこでの状況を連想させることがあります。
Lesson 84 at のイメージ ③
I wanted to at least try something related to space.
最上級は「最もレベルの高い点」をあらわすので最上級と at はたいへん仲がいいです。
Lesson 86 on のイメージ ①
You have a big stain on your shirt.
on のイメージは「上に乗っている」ですが位置関係から「接触」をあらわします。
Lesson 87 on のイメージ ②
She talked on and on about space.
on が「線上」をしめすことから「継続」をあらわします。
Lesson 88 on のイメージ ③
She went to Singapore on business. She’ll be back on Friday.
「ステージ上の on」です。
Lesson 89 on のイメージ ④
Our future depends on your decision.
「支える」イメージで on がつかわれています。
Lesson 91 on のイメージ ⑤
What’s on your mind?
「上に乗っている」から「圧力」のイメージです。
Lesson 92 in のイメージ ①
Once, I got in trouble for dumping garbage on the ground.
in は「内部にある」という位置関係をあらわします。
Lesson 93 in のイメージ ②
I’ve gotten used to seeing Roxy in that chair.
「内部にある」から「包まれ感」につながります。
Lesson 94 in のイメージ ③
Would you mind if I dropped in later during your office hours today?
drop in は drop(落ちる)と in(中に)であり、何かの途中に「ポテッと気軽に立ち寄る」ということです。
Lesson 96 over のイメージ ①
I wanted to see that huge robot statue over there.
over のイメージは「上に円弧(アーチ)」です。
Lesson 97 over のイメージ ②
Let me put my jacket over you.
「上に円弧(アーチ)」が「覆う」をうみだします。
Lesson 98 over のイメージ ③
When class is over, how about going over to Big West Coffee?
出来事があり、その上を、アーチをえがいてのりこえるイメージが「出来事が終わる」になります。また go over は「距離感」を感じさせます。
Lesson 99 above のイメージ
Something is appearing above those mountains.
above のイメージは「高さが上」です。
*
前置詞は、位置関係をあらわす単純なイメージをもちます。日本語訳ではなくイメージをつかみ、柔軟にひろげていくことが大切です。
たとえば on の基本イメージは、「上に乗っている(接触)」であり(図 1a)、それから「線上(継続)」(図2b)、「ステージ上」(図 3c)、「支える」(図 4d)、「圧力」(図 5d)というようにつぎつぎにイメージがひろがります。下図のように、イメージと言葉がむすびついた情報のひとまとまりをファイルといい、イメージは情報の本体、言葉はその見出しとして機能します。

(Lesson 86 の図を改変)

(Lesson 87 の図を改変)

(Lesson 88 の図を改変)

(Lesson 89 の図を改変)

(Lesson 91 の図を改変)
あるいは over の基本イメージは、「上に円弧(アーチ)」であり(図 2a)、それから「覆う」(図 2b)、「出来事を乗り越える(出来事が終わる)」(図 2c)というようにイメージがひろがります。

(Lesson 96 の図を改変)

(Lesson 97 の図を改変)

(Lesson 98 の図を改変)
このように、ひとつの基本イメージから、それに類似・関連するイメージをおもいえがく、つまり連想することによって直観的に意味がわかるのであり、あるイメージをしたら一歩先をさらにイメージするとよく、こうして「一を聞いて十を知る」ことになります。
これはたのしい連想ゲームのようでもあり、このような連想法は、心象法(イメージ訓練)の発展形としてとても有用で、これは、ほかの言語を習得するときにもつかえますし、それのみならず万学に通じる普遍的な方法であることに気づいてください。ラジオ英会話はこのことを実践的におしえてくれます。
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▼ 参考文献 & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2022年8月号、NHK テキスト)NHK 出版、2022年
『NHK CD ラジオ英会話』(2022年8月号)NHK 出版、2022年
(冒頭写真:イングランド、ストラットフォード・アポン・エイボン、ロイヤル・シェイクスピア劇場(Royal Shakespeare Theatre)、1999年、筆者撮影)