心のなかにイメージがきざみこまれます。動機づけがたかまり記銘力がつよまります。イメージがふくらみます。
NHK ラジオ英会話、先月にひきつづき基本動詞にとりくみます。
Lesson 21 take の基本イメージ・「選択」
I’ll take these.
take のイメージは「手に取る」です。
Lesson 22 take のイメージは広がる
Let me take your temperature.
temperature という情報を「取る」というニュアンスでつかわれます。
Lesson 23 take の「受け入れる」
I’ll take your advice.
take の「手に取る」うごきはそのあと、「手に取ったものを自分のほうに引き寄せるしぐさ」があり、「受け入れる」というニュアンスが生じます。
Lesson 24 take の「かかる・必要とする」
It’ll only take 15 minutes or less if we walk fast.
take の「手に取る」は「手に取って使う」につながります。
Lesson 26 take の「持っていく・連れていく」
Can you take me to Stonehenge?
「ひょいと手に取ってどこかに持っていく」というイメージです。
Lesson 27 go の基本イメージ
I really have to go.
go のイメージは「元の場所から出ていき進んでいく」です。
Lesson 28 go の「進行」
It goes like this . . .
「元の場所から出ていき進んでいく」イメージです。
Lesson 29 come の基本イメージ
Nothing comes to mind.
come のイメージは「やってくる」であり、何かがこちらにちかづいてくる様子をイメージします。
Lesson 31 come の方向・go の方向
I’ll come and pick you up at the station.
英語には、会話で焦点があたっている場所(話題の中心になっている場所・相手のいる場所)を基準に go あるいは come をえらぶつよい傾向があります。ここでは、「相手がいる場所(駅)」が基準となり、そこにちかづく自分をイメージします。
Lesson 32 go の変化・come の変化
Our love’s gone sour.
移動をあらわす表現が状態の移行(変化)をあらわします。go は「元の・本来の・あるべき状態」から離れるうごき、 come はそうした場所にちかづくうごきをあらわすところから、「悪い変化」「よい変化」とざっくりかんがえてもよいです。
Lesson 33 be 動詞
(Is) everything OK?
be 動詞が省略されていました。時折省略されることが be 動詞の特殊性をものがたっており、be 動詞は実質的な意味をもたない単なる「つなぎ(=)」です。
Lesson 34 give のイメージ
This place gives me a strange feeling.
give は、何らかのものが何かから単に「出てくる」状況をイメージする動詞です。
Lesson 36 get の基本イメージ
I got the idea to actually eat here.
get は「(動いて)手に入れる」というイメージ、「動き」のニュアンスがいつも感じられます。get は一般動詞の中でもっとも汎用性・頻度がたかい「大物」です。
Lesson 37 get の「動き」
I’ll finally get to see the Pyramids!
get は、「(動いて)手に入れる」から「動き」一般へ意味をひろげています。
Lesson 38 get の「変化(~になる)」
Let’s get going.
get の「動き」は「変化」につながります。まわりの状況に触発されて、「(ジッとしていないで)もう行くことにしよう」といった、「動き出す」変化の感触がくわわっています。
Lesson 39 get の目的語説明型
I got Frankie to do it.
to 不定詞をつかった目的語説明型で get がつかわれています。矢印(→)を to で連想します。get が、Frankie を to 以下の行為に「押している」感触を意識します。
*
take のイメージは「手に取る」(図1)、go のイメージは「元の場所から出ていき進んでいく」、come のイメージは「やってくる」、give のイメージは、何らかのものが何かから「出てくる」(図2)、get のイメージは「動いて手に入れる」です(図3)。このような状況をイメージできれば日本語訳からおのずと解放され、動詞の力を手にすることができます。
たとえば take は、目の前にあるものを体をうごかさずに手にとるイメージですが、get は、そうではないことがすぐにわかります。「I’ll take a taxi.」と「I’ll get a taxi.」をくらべると、take は、タクシーを「選び取る」感触がありますがそこには動きはありません。一方、 get は、その場にいないタクシーを「捕まえてくる」という動きのニュアンスがあります。get は、「動き」一般をあらわすため、非常にたかい頻度でつかわれる「大物」です。
get started, get angry, get wet, get warmer, get drunk, get married, get excited, get disappointed など。
このように、イメージをつかえば直観的に理解でき記憶できます。時間も労力もいりません。そうではなく、イメージをつかわないで苦労していると潜在意識が拒絶反応をおこしてうまく記憶できません。
ラジオ英会話のテキストには、わかりやすいイメージ(絵)がいくつもでており、これらをみていれば単語が自在につかえるようになります。上記のようなファイルとして記憶しておけば、いくつものファイルをくみあわせたり体系化したりすることもできます。こうして、英語あるいは言葉に対する興味・関心がつよくなり学習の動機づけがあがり、記憶の第1段階で必要な記銘力が非常につよまります。
▼ 関連記事
英語でアウトプット!
▼ 関連記事(2022年度 NHK ラジオ英会話)
make, have, put, leave -「基本動詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.04)-
take, go, come, be, give, get -「基本動詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.05)-
run, look, watch, see, listen, hear, taste, talk, say, tell, think, believe, know, wonder, find -「基本動詞 ③」(NHK ラジオ英会話, 2022.06)-
bring, carry, drive, arrive, reach, turn, break, set, change, stop, would like, want, wish, hope, let, ask, keep, recommend, suggest, show, explain, illustrate, demonstrate, respect -「基本動詞 ④」(NHK ラジオ英会話, 2022.07)-
about, at, on, in, over, above -「前置詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.08)-
▼ 関連記事(2019年度 NHK ラジオ英会話)
前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
言葉とイメージ -「前置詞のイメージの完成」(NHK ラジオ英会話, 2019.05)-
イメージをうごかす -「基本動詞の征服 ①」(NHK ラジオ英会話, 2019.06)-
イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
プログラムにしたがって練習する -「基本動詞の征服 ③」(NHK ラジオ英会話, 2019.08)-
類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
単純なイメージで本質をつかむ -「基本副詞・名詞(可算・不可算)」(NHK ラジオ英会話, 2019.12)-
イメージして、言葉でアウトプットする -「限定詞・助動詞・時表現」(NHK ラジオ英会話, 2020.01)-
メッセージをうけとり、メッセージをつたえる -「大きな『単語』:定型表現 ①」(NHK ラジオ英会話, 2020.02)-
心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-
▼ 関連記事(テレビ英会話)
ファイルのしくみ -「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」(NHK Eテレ)-
イメージと言葉をむすびつける - DVD「おとなの基礎英語 Australia」(1)-
イメージと言葉をむすびつける - DVD「おとなの基礎英語 Australia」(2)-
キー・イメージ - DVD「おとなの基礎英語 Australia」-
イメージして言う - 『おとなの基礎英語 Season3』(NHK テレビ DVD BOOK)-
▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2022年5月号、NHK テキスト)NHK 出版、2022年
(冒頭写真:イングランド、ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅(Stratford-upon-Avon station)、1999年、筆者撮影)