一芸に秀でれば多芸に通ず
NHK ラジオ英会話、2026年3月は、表現のイメージをまなぶ最終月として接続表現について練習しています。接続表現は、論旨の流れをととのえ、まとまった内容をつたえるために必須です。
各レッスンのキーセンテンスは以下のとおりです。和訳は(注)にしめしました。
Lesson 221 流れを表す and
In the dream, I saw an alien, and he was eating ramen.
Lesson 222 矢印の so
I wanted to surprise you, so I haven’t told you.
Lesson 223 選択の or
Are you an archaeologist, or are you a submarine pilot?
Lesson 224 打ち消しの but
Sounds good, but I didn’t know you baked pies.
Lesson 226 逆行を表すそのほかの表現
However, he won’t start teaching again until next month.
Lesson 227 時を表す when / while
When I was in college, I went to one of their live concerts.
Lesson 228 譲歩を表す although / though
Although I was at the concert, I don’t have the album.
Lesson 229 譲歩を表すそのほかの表現
Despite being the oldest person in the audience, I attended the concert!
Lesson 231 条件を表す if ── 基本
If you want to be successful, you must clean your windows every day.
Lesson 232 二択の whether / if
I can’t tell whether he’s East Asian or not.
Lesson 233 条件を表すさまざまな表現
You won’t make friends unless you learn to “read the air.”
Lesson 234 as の「=(イコール)」
I had an idea as I was leaving the pyramid.
Lesson 236 as を使ったさまざまな言い回し
As your tutor, I recommend you keep studying Japanese.
Lesson 237 時系列を表す表現
Before I forget, how did you become so fluent in English?
Lesson 238 原因・理由を表す表現 ①
Because I overslept, I missed the eight o’clock train.
Lesson 239 原因・理由を表す表現 ②
Because of the writing at the base, it has to be him.
(注)
- 221 その夢の中で、私は、異星人を見かけました、そして彼はラーメンを食べていました。
- 222 私は、あなたを驚かせたくて、だからあなたに言いませんでした。
- 223 あなたは考古学者ですか、それとも潜水艇のパイロットですか?
- 224 よさそうですが、私はあなたがパイを焼くのを知りませんでした。
- 226 しかしながら、彼は、来月までは再び教えることを始めないでしょう。
- 227 私は、大学在学中に、彼らのライブコンサートのひとつに行きました。
- 228 私は、そのコンサートにいましたが、そのアルバムは持っていません。
- 229 私は、観客の中でいちばんの年長者ですが、そのコンサートに参加しました!
- 231 もし成功したければ、毎日窓を掃除しなければなりません。
- 232 私には、彼が東アジア系の人か、そうでないかはわかりません。
- 233 あなたは、「空気を読む」ことを学ばなければ、友達を作れません。
- 234 私は、ピラミッドを出るときに、ある考えが浮かびました。
- 236 あなたの教師として、私は、あなたが日本語を勉強し続けることをすすめます。
- 237 私は、ピラミッドを出るときに、ある考えが浮かびました。
- 238 私は寝坊したため、8時の列車に乗り遅れました。
- 239 台座の文字からして、それは彼にちがいありません。
*
レッスンにでてきた重要単語の中核イメージはつぎのとおりです。実際の絵(画像)はテキストを参照してください。
- and:流れ
- so:矢印(⇨)→ だから(因果関係)
- or:選択 → または → さもないと
- but:打ち消し
- however:しかしながら、けれども(but よりもフォーマル)
- when:~する・したとき(時を表す)
- although / though:逆行はあるが大筋は変わらない(譲歩を表す)
- despite:軽蔑 → 見下して無視する → ~にもかかわらず
- if:二股に分岐する道でこちらにすすめば
- whether:~かどうか
- unless:~しないかぎり(範囲設定)
- as:=(イコール)→ 同時性
- before:前
- because:原因・理由
as のイメージは「=(イコール)」であり、この中核イメージを起点にさまざまな使い方に表現をひろげていくことができます。Lesson 234「I had an idea as I was leaving the pyramid.」では、イコールから同時性を連想することができ、同時性をあらわす接続詞としてつかわれています。when と比べると、2つの出来事が同時にかさなりあっている感触が as にはあります。単に「ピラミッドを出ていたときに ~」ではなく、「ピラミッドを出ながら~」という感触がしめせます。
このように、中核イメージをおぼえて、そこから連想することによって表現をひろげていくことができます。この方法により、必要最小限におぼえて最大限につかっていくことができます。そして連想は類推へ発展します。連想と類推をはたらかせれば、ひとつのことからあたらしいことをつぎつぎに習得していくことができます。
世の中には、何ヵ国語もひとりでつかえる人がいますが、彼らは、特殊な能力をもっているわけではなく、連想と類推をつかっています。具体的には、徹底的に英語にとりくんだら、あとは、そこからの連想と類推で、ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語などを比較的容易に習得しています。
あるいはわたしは、ネパール語にもとりくみましたが、それは語順が日本語とほぼおなじであるため、日本語からの連想と類推で学習していくことができました。日本人は、日本語からの類推で英語よりも容易にネパール語を習得することができます。
「一芸に秀でれば多芸に通ず」というのは決して天才技ではなく、中核情報、連想、類推によって誰にでも実現が可能だといってよいでしょう。
さて今月で、2019年度、2022年度にひきつづいておこなわれたイメージ訓練がおわりました。来年度(2026年度)は、2020年度、2023年度にひきつづいて本格的会話学習(応用・実践編)へすすみます。「より生活に密着した現実生活に即した会話をあつかい、濃密で即応性のある」プログラムになるとのことです。
大西泰斗先生らが指導するラジオ英会話は、(1)文法(英語の原則)、(2)イメージ訓練、(3)応用・実践、を1サイクルにしており、来年度は、第3サイクルの3年目にあたります。ごく大局的にみれば、(1)では英語の原則を理解し内面にインプットし、(2)のイメージ訓練ではプロセシングをすすめ、(3)の実践的な英会話ではアウトプットする、というように、(1)インプット、(2)プロセシング、(3)アウトプットにそれぞれ重点をおいているとみることができます。1サイクル(3年間)のながれをつかむことが大事です。〈インプット→プロセシング→アウトプット〉という情報処理の本質にかなったとてもすぐれたプログラムであり、英会話ができるようになるだけでなく情報処理能力もたかめることができます。
4月から、大西先生らのラジオ英会話は9年目にはいりますが、それは単なる9年目ではなく、このようなサイクルになっているのであり、おどろくべき累積的効果がここにあらわれます。
したがって来年度(2026年度)はアウトプットに重点をおくとよいでしょう。相手にむかって声にだして英語を発するのはアウトプットです。そこでは、さまざまな情報を統合してアウトプットすることを心がけます。統合的アウトプットをめざします。情報が多様だからといってそのままアウトプットしたら相手は混乱するだけです。言葉に統合してアウトプットしてこそ自分のメッセージが相手につたわります。
このような訓練から、アウトプットの本質は統合であることもわかります。アウトプットでは統合の原理がはたらきます。言葉の力とは情報の統合力です。この原理は、英会話だけでなく何語でもつかえます。英語を起点としてさまざまな言語を習得していくときに役だちます。あるいは外国語にかぎらずほかの分野でも統合力をつかって学習を発展させていくことができます。
▼ 参考文献(テキスト) & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2026年3月号、NHK テキスト), 2026年, NHK 出版
『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版)』, (2026年3月号), 2026年, NHK 出版
※ 今年度から、音声教材は、 NHK 出版のサイトからもダウンロードできるようになりました。
NHK語学テキスト音声「ラジオ英会話」
▼ 関連記事「英語の原則」
▼ 関連記事
2019年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
- 言葉とイメージ -「前置詞のイメージの完成」(NHK ラジオ英会話, 2019.05)-
- イメージをうごかす -「基本動詞の征服 ①」(NHK ラジオ英会話, 2019.06)-
- イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
- プログラムにしたがって練習する -「基本動詞の征服 ③」(NHK ラジオ英会話, 2019.08)-
- 類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
- スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
- 印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
- 単純なイメージで本質をつかむ -「基本副詞・名詞(可算・不可算)」(NHK ラジオ英会話, 2019.12)-
- イメージして、言葉でアウトプットする -「限定詞・助動詞・時表現」(NHK ラジオ英会話, 2020.01)-
- メッセージをうけとり、メッセージをつたえる -「大きな『単語』:定型表現 ①」(NHK ラジオ英会話, 2020.02)-
- 心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-
2022年度 NHK ラジオ英会話
- make, have, put, leave -「基本動詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.04)-
- take, go, come, be, give, get -「基本動詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.05)-
- run, look, watch, see, listen, hear, taste, talk, say, tell, think, believe, know, wonder, find -「基本動詞 ③」(NHK ラジオ英会話, 2022.06)-
- 動詞のまとめ -「基本動詞 ④」(NHK ラジオ英会話, 2022.07)-
- about, at, on, in, over, above -「前置詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.08)-
- among, before, after, along, by, under, beyond, behind, with, without, across -「前置詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.09)-
- 前置詞のまとめ(NHK ラジオ英会話, 2022.10)
- 形容詞・副詞(NHK ラジオ英会話, 2022.11)
- 副詞・限定詞(NHK ラジオ英会話, 2022.12)
- 限定詞・名詞関連・接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.01)
- ⭐️接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.02)
- 発言の流れ(フロー)をつくる(NHK ラジオ英会話, 2023.03)
2025年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞 ①(NHKラジオ英会話, 2025.04)
- 前置詞 ②(NHKラジオ英会話, 2025.05)
- 前置詞 ③(NHKラジオ英会話, 2025.06)
- 基本動詞 ① − 静的な意味を含む動詞と移動系動詞 −(NHK ラジオ英会話, 2025.07)
- 基本動詞 ② − 移動・配置を表す動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.08)
- 基本動詞 ③ − 創造・入手を表す動詞など − (NHK ラジオ英会話, 2025.09)
- 基本動詞 ④ − 知覚・思考・知識を表す動詞など − (NHK ラジオ英会話, 2025.10)
- 基本動詞 ⑤ − コミュニケーションに関わる動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.11)
- 形容詞・副詞 ①(NHK ラジオ英会話, 2025.12)
- 形容詞・副詞 ②(NHK ラジオ英会話, 2026.01)
- 限定詞・代名詞・名詞(NHK ラジオ英会話, 2026.02)
- 接続表現(NHK ラジオ英会話, 2026.03)
大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』
- 目をとじてイメージする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(1)-
- アイコンをつかって英単語を活用する - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『単語イメージハンドブック』(2)-
- 心のなかに情報をファイルする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(3)-
▼ 参考になる本
大西泰斗・デイビット=エバンス(著)『普通の英単語』(東進ブックス)、2025年、ナガセ
大西泰斗・ポール=マクベイ(著)『英単語 基本イメージ集中講義(NHK出版新書)、2020年、NHK 出版
栗田昌裕(著)『心と体に効く驚異のイメージ訓練法』、1993年、廣済堂出版
(冒頭写真:Diamond Head, Oahu, Hawaii, USA, 2015.9.13, 筆者撮影)





