基本動詞 ⑤ − コミュニケーションに関わる動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.11)

情報処理

似ている単語をセットにして記憶します。相似と相違に注目します。労力を圧縮します。

NHK ラジオ英会話、2025年11月は、動詞学習のしめくくりとして、コミュニケーションに関わる動詞にとりくみました。各レッスンのキーセンテンスは以下のとおりです。和訳は(注)にしめしました。

Lesson 141 「話す」を表す動詞 ① ── talk、speak

I already talked to Roxy about that.

Lesson 142 「話す」を表す動詞 ② ── say

I want to say thank you for thinking of coming here.

Lesson 143 「話す」を表す動詞 ③ ── tell

I was just about to tell you something important.

Lesson 144 「話す」を表す動詞 ④ ── discuss、argue、chat、negotiate

They could have discussed it with us first.

Lesson 146 言葉で人を動かす動詞 ① ── ask

We can ask the server.

Lesson 147 言葉で人を動かす動詞 ② ── persuade、convince、order

Nana persuaded me to start exercising.

Lesson 148 情報を与える動詞 ① ── teach、instruct

Aoi has taught me a lot about the Edo period.

Lesson 149 情報を与える動詞 ② ── show、indicate

I’ll show you how to do it.

Lesson 151 情報を与える動詞 ③ ── explain、illustrate、demonstrate、describe

It’s difficult to explain my ideas about it.

Lesson 152 「すすめる」を表す動詞 ── recommend、suggest、propose

So, what do you recommend for an appetizer?

Lesson 153 要求・要請を表す動詞 ── require、request、demand

Developing robots requires long-term efforts.

Lesson 154 主張を表す動詞 ── insist、claim、assert

Let me get it. I insist.

Lesson 156 「許す」を表す動詞 ① ── let

Let me call you back in a few minutes.

Lesson 157 「許す」を表す動詞 ② ── permit、allow

Most visitors are not permitted in here.

Lesson 158 尊敬・敬意を表す動詞 ── respect、worship、admire、look up to

But they clearly respected her as an important figure.

Lesson 159 動詞と文型 ── get

I got my friends to help me.

(注)
  • 141 私は、それについてもうロキシーと話しました。
  • 142 ここに来ることを考えてくれたことに、ありがとうと私は言いたいです。
  • 143 私は、あなたに重要なことをちょうど言いかけていました。
  • 144 彼らは、まず私たちとそれを議論することもできたでしょうに。
  • 146 私たちは、お店の人に尋ねることができます。
  • 147 ナナは運動を始めるように私を説得しました。
  • 148 アオイさんは、江戸時代についていろいろなことを私に教えてくれました。
  • 149 私は、あなたにそれをどうやるかを教えてあげます。
  • 151 それについての私の考えを説明するのは難しいです。
  • 152 それで、あなたは前菜に何をすすめますか?
  • 153 ロボットを開発するには長期間の努力が必要です。
  • 154 私に払わせてください。お願いです。
  • 156 数分後に私にかけ直させてください。
  • 157 ほとんどの来場者は、ここに入ることを許可されていません。
  • 158 しかし、彼らは明らかに彼女を重要な人物として敬いました。
  • 159 私は、友達に手伝ってもらいました。

各動詞の中核イメージとそこから派生するイメージはつぎのとおりです(実際の絵(画像)はテキストを参照してください)。太字でしめした単語はキーセンテンスにでてきたとくに重要な動詞です。

  • talk:話し合う
  • speak:声を出す
  • say:(言葉を)言う
  • tell:メッセージを伝える
  • discuss:議論する(話題に攻撃を直接仕掛ける感触)
  • argue:白黒つける
  • chat:おしゃべりする
  • negotiate:合意に向けた綱引き
  • ask:求める(→ 尋ねる)→ お願いする(→ 頼む)
  • persuade:話し合いや理由を述べることにより相手に行動を起こさせる → 説得する
  • convince:相手の考え方やモノの見方を動かす → 説得する → 納得させる
  • order:命じる
  • teach:ある程度複雑な内容を時間をかけて教える
  • instruct:指示を与える
  • show:見えている → 見せる → 教えてあげる
  • indicate:求める情報にいたる → ヒントや手がかり・兆候などを表す
  • explain:平らにする → 説明する
  • illustrate:例などを示めしてわかりやすく説明する
  • demonstrate:明確に示めす
  • describe:描写によって説明する
  • recommend:何かを手で高く持ち上げながら指さし、「これですよ、これ」→ すすめる
  • suggest:気軽な提案
  • propose:事前によくねられたしっかりした提案
  • require:必要に根ざした要求する
  • request:丁寧に・正式に要請する
  • demand:非常に強く要求する
  • insist:強い意志の主張する
  • claim:正しさ権利を主張する
  • assert:臆せず明瞭に断固として意見を言う
  • let:(軽いタッチの)許す
  • permit:公式に認める → 許可する
  • allow:受け入れる → 許容する
  • respect:価値を認めて一目置く・尊重する・敬意を払う
  • worship:ひざまずいてもいいとすら思える無条件の称賛 → 崇拝する
  • admire:称賛・感服・感嘆
  • look up to:見上げる

たとえば、talk・speak・say・tell はどれも似た意味をもちますが、talk は「話し会う」ですから、相手がおり、話し会う相手を「talk to 〜」として to でさししめします。それに対して speak は「音声を出す」という一方通行のイメージであり、オーディオ機器の「スピーカー」も一方的に音声をだします。また say は、「(言葉を)言う」イメージであり、「What does that sign say?(あの看板には何と書いてありますか?)」のように、無生物主語が得意な動詞でもあります。「the chart says 〜(チャートは~と言っている)」、「the letter says 〜(手紙は~と言っている)」などと気軽につかえます。そして tell のイメージは「メッセージを伝える」ですから、「~に…をあげる・くれる」という授与をあらわす授与型と相性がよく、talk・speak・say・tell の中で授与型がつかえるのは tell だけです。

あるいは teach は、「ある程度複雑な内容を時間をかけて教える」イメージですから、「駅までの道を教えてください。(Could you please show [tell] me the way to the station?)」や「住所を教えてください。(Let me know your address.)」といった場面でつかうことはできません。「教える」という日本語訳でおぼえるのではなくイメージをえがいてください。あるいは instruct は「指示を与える」イメージであり、「driving instructor(教習所の指導員)」といえば、あれこれ指示をだしながら教えている人がイメージできます。

さて、これで、2025年7月から5ヵ月にわたってつづけられた動詞の練習がおわりました。たくさんの動詞をまなびました。これまでやってきたように、似ている動詞を関連づけてまとめて記憶するようにすると学習の効率があがります。たとえば talk・speak・say・tell をまとめておぼえておきます。

しかし一方で、これらは似ているが違うのであって、違いも認識して似ている単語を区別しておぼえていかなければなりません。似ている単語をセットにしておぼえる一方で、それらの相違も理解しなければなりません。相似と同時に相違にも注目します。相似と相違なんて、おまえのいっていることは矛盾しているではないかという人がいるかもしれませんが、そのような矛盾をのりこえていくのが学習です。難しさがそこにあります。

それではどうすればよいか?理屈ではなくイメージをつかってください。学習の難しさと今いいましたが、実は、イメージをつかえば簡単にできます。イメージをつかえば直観がはたらき、イメージがえがければ情報がこんがらがることはありません。労力が圧縮でき、学習時間が短縮します。能力のたかい人はどんな分野でもイメージをうまくつかっています。

こうして、似ているが違う情報をセットにして区別して記憶し活用すれば、思考が鮮明になり類推もはたらき、情報処理の速度もあがって明快なアウトプットができるようになります。

やや高度な話しになりましたがこのような訓練がおのずとできてしまうのもラジオ英会話のすごいところです。

▼ 参考文献(テキスト) & 音声教材

『NHK ラジオ英会話』(2025年11月号、NHK テキスト), 2025年, NHK 出版

ラジオ英会話

『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版)』, (2025年11月号), 2025年, NHK 出版

※ 今年度から、音声教材は、 NHK 出版のサイトからもダウンロードできるようになりました。
NHK語学テキスト音声「ラジオ英会話」

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2019年度 NHK ラジオ英会話
2022年度 NHK ラジオ英会話
2025年度 NHK ラジオ英会話
大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』
▼ 参考になる本
普通の英単語

大西泰斗・デイビット=エバンス(著)『普通の英単語』(東進ブックス)、2025年、ナガセ

ラジオ英会話

大西泰斗・ポール=マクベイ(著)『英単語 基本イメージ集中講義(NHK出版新書)、2020年、NHK 出版

イメージ訓練法

栗田昌裕(著)『心と体に効く驚異のイメージ訓練法』、1993年、廣済堂出版

トラベルボトル

(冒頭写真:Zebra, Honolulu Zoo, Oahu, Hawaii, USA, 2015.9.12, 筆者撮影)

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