イメージをえがいて言語能力をたかめます。心の場を整理します。情報処理の速度をはやめます。
NHK ラジオ英会話、2025年10月は、知覚・思考・知識などの心理に関わる動詞にとりくみました。各レッスンのキーセンテンスは以下のとおりです。和訳は(注)にしめしました。
Lesson 121 知覚を表す動詞 ① ── look、watch
Let’s look at this realistically.
Lesson 122 知覚を表す動詞 ② ── see
I can see that.
Lesson 123 知覚を表す動詞 ③ ── hear、listen
I heard you rushed to help him after his accident.
Lesson 124 知覚を表す動詞 ④ ── smell、taste、feel
I smell something burning.
Lesson 126 思考を表す動詞 ① ── think
I think you made a wise choice.
Lesson 127 思考を表す動詞 ② ── guess、consider、believe
I guess I’m a blue-eyed samurai.
Lesson 128 思考を表す動詞 ③ ── suppose、expect
There are many first-time visitors, I suppose.
Lesson 129 思考を表す動詞 ④ ── suspect、doubt、speculate
He’ll laugh out loud, I suspect.
Lesson 131 理解を表す動詞 ── understand、grasp、comprehend、follow
I don’t understand how people could have built this back then.
Lesson 132 知識を表す動詞 ── know
I know what that symbol means.
Lesson 133 気づく・わかるを表す動詞 ── realize、recognize、notice
I didn’t realize I had so many fans from various backgrounds.
Lesson 134 発見を表す動詞 ── find、discover
Do you find that idea unbelievable?
Lesson 136 「ハテナ(?)」を表す動詞 ── wonder
I’m wondering if someone cut the power on purpose.
Lesson 137 欲求・希望を表す動詞 ① ── want、would like
Do you want me to go shopping with you?
Lesson 138 欲求・希望を表す動詞 ② ── hope、wish
I hope to stay in Japan a few months out of the year.
Lesson 139 好悪を表す動詞 ── love、like、hate、dislike
Everybody loves that civilization.
(注)
- 121 現実的にこれを見ましょう。
- 122 (私にはそれが)わかります。
- 123 彼の事故のあと、彼を助けるためにあなたが駆けつけたと私は聞きました。
- 124 何かが焼けるにおいがします。
- 126 あなたが賢い選択をしたと私は思います。
- 127 青い目のサムライなのだと私は思います。
- 128 初めて来た人が多くいるのだと私は思います。
- 129 彼は大笑いすると私は思います。
- 131 当時、どのように人々がこれを作れたのかを私は理解できません。
- 132 私は、その記号が何を意味するのかを知っています。
- 133 さまざまな背景のとてもたくさんのファンを私が持っていたことに、私は気がつきませんでした。
- 134 その考えは信じられないとあなたは思いますか?
- 136 誰かがわざと電源を切ったのでしょうか。
- 137 あなたは私に、一緒に買い物に行ってほしいですか?
- 138 私は1年のうち数か月、日本に滞在することを望んでいます。
- 139 みんなあの文明が大好きです。
*
各動詞の中核イメージとそこから派生するイメージはつぎのとおりです(実際の絵(画像)はテキストを参照してください)。太字でしめした単語はキーセンテンスにでてきたとくに重要な動詞です。
- look:目を向ける(自発的な動作)(単なる動作をあらわす自動型でつかう)。
- watch:ジーッと見る
- see:見える(対象を視覚がとらえている(刺激がむこうからやってきて頭にはいる感覚))→ わかる
- hear:聞こえる(刺激が向こうからやってきて頭に入る感覚)→ 聞いて知っている
- listen:耳を傾ける(自発的な動作)
- smell:においがする(刺激がやってくる) or においを嗅ぐ(自発的な行為)
- taste:味がする or 味見する
- feel:感じる or さわる
- think:思う・考える(幅ひろく思考をあらす万能選手)
- guess:think よりもぐっと確信度が落ちるあてずっぽうをふくむ推測
- consider:深い熟考
- believe:心に深く根をおろした信念・確信
- suppose:今までの経験・データ・前提にもとづいて思う(土台に(下に(sup-)+ 置く(pose))
- expect:これからこうなるはずだ
- suspect:もしかするとこうじゃないのかと考える→複雑な道筋をたどりながら考える
- doubt:そうではない・ありそうにないと思う
- speculate:確たる証拠がない、確かなことは言えない
- understand:理解する(をあらわすもっとも標準的な動詞)。
- grasp:つかむ → 把握する → きっちり理解する
- comprehend:つかむ
- follow:ついていく → 理解する
- know:知識をあらわすもっとも標準的な動詞
- realize:ぼんやりしていたものがクッキリと形をとる → 気がつく → 実現する
- recognize:データなどにてらして「ああ、あれだな」とわかる
- notice:心のアンテナにひっかかる
- find:見つける → 発見(「あ、あった」と、頭の中でクリック音が鳴るような感じ)
- discover:おおってあるものを取りのぞき発見する
- wonder:頭の上に大きなクエスチョンマーク(?)→ ~なのかな・かしら → 遠回しの疑問・依頼
- want:切実な欲求(つよく生々しい感触)
- would like:〜を好む → 〜が欲しい(丁寧な言い回し)
- hope:望む・希望する
- wish:望む・願う(want と hope よりも現実感のとぼしい夢みるような質感)
- love:愛する(like よりも格段に深く強い感情)
- like:好き
- dislike:嫌い
- hate:憎む・大嫌い(怒りにつながるはげしい感情)
「あれが見える?」「すばらしいと思います」「そんなの知っているよ」など、ひごろ多用されるこの種の動詞をふかく理解すると表現の幅がひろがります。
たとえば know は、「知っている」にとどまらないふかさがあり、「know English」なら英語のたかい運用能力を想像させ、「know Ken」なら交友関係を通じてケンについてふかく理解していることをしめします。またそれまでに見聞きしたり経験したりしたことも know であらわせます。
あるいは wish は、want と hope よりも現実感のとぼしい夢みるような質感の単語であるため、「If you want to 〜」というよりも「If you wish to 〜」といったほうがはるかに丁寧にひびきます。I wish you were here.」といえば「あなたがここにいたらいいのに。」ということであり、これは仮定法であり、事実ではないこと、可能性が極端にひくいことをあらわす形であり、wish の現実感のとぼしさがこの形をよびこみます。夢みる様をイメージしながら wish をつかってください。

イメージ訓練をおこなうと言語能力がたしかにたかまります。イメージをえがくたびに心の場が整理され、情報をうけいれる余裕が生じ、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の速度が はやまります。
▼ 参考文献(テキスト) & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2025年10月号、NHK テキスト), 2025年, NHK 出版
『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版)』, (2025年10月号), 2025年, NHK 出版
※ 今年度から、音声教材は、 NHK 出版のサイトからもダウンロードできるようになりました。
NHK語学テキスト音声「ラジオ英会話」
▼ 関連記事「英語の原則」
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2019年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
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- ⭐️イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
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- ⭐️スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
- 印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
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2022年度 NHK ラジオ英会話
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- ⭐️take, go, come, be, give, get -「基本動詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.05)-
- ⭐️run, look, watch, see, listen, hear, taste, talk, say, tell, think, believe, know, wonder, find -「基本動詞 ③」(NHK ラジオ英会話, 2022.06)-
- ⭐️動詞のまとめ -「基本動詞 ④」(NHK ラジオ英会話, 2022.07)-
- about, at, on, in, over, above -「前置詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.08)-
- among, before, after, along, by, under, beyond, behind, with, without, across -「前置詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.09)-
- 前置詞のまとめ(NHK ラジオ英会話, 2022.10)
- 形容詞・副詞(NHK ラジオ英会話, 2022.11)
- 副詞・限定詞(NHK ラジオ英会話, 2022.12)
- 限定詞・名詞関連・接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.01)
- 接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.02)
- 発言の流れ(フロー)をつくる(NHK ラジオ英会話, 2023.03)
2025年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞 ①(NHKラジオ英会話, 2025.04)
- 前置詞 ②(NHKラジオ英会話, 2025.05)
- 前置詞 ③(NHKラジオ英会話, 2025.06)
- ⭐️基本動詞 ① − 静的な意味を含む動詞と移動系動詞 −(NHK ラジオ英会話, 2025.07)
- ⭐️基本動詞 ② − 移動・配置を表す動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.08)
- ⭐️基本動詞 ③ − 創造・入手を表す動詞など − (NHK ラジオ英会話, 2025.09)
- ⭐️基本動詞 ④ − 知覚・思考・知識を表す動詞など − (NHK ラジオ英会話, 2025.10)
- ⭐️基本動詞 ⑤ − コミュニケーションに関わる動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.11)
- 形容詞・副詞 ①(NHK ラジオ英会話, 2025.12)
大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』
- 目をとじてイメージする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(1)-
- アイコンをつかって英単語を活用する - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『単語イメージハンドブック』(2)-
- 心のなかに情報をファイルする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(3)-
▼ 参考になる本
大西泰斗・デイビット=エバンス(著)『普通の英単語』(東進ブックス)、2025年、ナガセ
大西泰斗・ポール=マクベイ(著)『英単語 基本イメージ集中講義(NHK出版新書)、2020年、NHK 出版
栗田昌裕(著)『心と体に効く驚異のイメージ訓練法』、1993年、廣済堂出版
(冒頭写真:Siamang Gibbon(フクロテナガザル), Honolulu Zoo, Oahu, Hawaii, USA, 2015.9.12, 筆者撮影)





