be は単なる「イコール」、have は「周りにある」です。中核イメージから連想し、類推します。
NHK ラジオ英会話、7月から、基本動詞の練習がはじまり、まず、静的な意味をふくむ動詞と移動系動詞にとりくみました。各レッスンのキーセンテンスは以下のとおりです。和訳は(注)にしめしました。
Lesson 61 静的な意味を含む動詞 ① ── be 動詞
I’m fine.
Lesson 62 静的な意味を含む動詞 ② ── stay、remain
I just want to remain here for a while.
Lesson 63 静的な意味を含む動詞 ③ ── keep
She needs to keep her attention on her studies.
Lesson 64 静的な意味を含む動詞 ④ ── hold
Hold my bag for me, will you?
Lesson 66 静的な意味を含む動詞 ⑤ ── have の基本
I’m happy to have on the show, Madoka!
Lesson 67 静的な意味を含む動詞 ⑥ ── 行為を表す have
I have dinner there occasionally.
Lesson 68 静的な意味を含む動詞 ⑦ ── 目的語説明型で使われる have
Glad to have you back.
Lesson 69 移動を表す動詞 ① ── go の「元の場所から出ていく」
I have to go now.
Lesson 71 移動を表す動詞 ② ── go の「進む」
How’s everything going?
Lesson 72 移動を表す動詞 ③ ── come
But I want to come back in the future.
Lesson 73 移動を表す動詞 ④ ── go の方向・come の方向
Why is everything going wrong?
Lesson 74 移動を表す動詞 ⑤ ── run
If you’ve run out of places to visit.
Lesson 76 移動を表す動詞 ⑥ ── arrive、reach
We’ve arrived at the pyramid.
Lesson 77 移動を表す動詞 ⑦ ── leave の「立ち去る」
Our flight leaving for London boards soon.
Lesson 78 移動を表す動詞 ⑧ ── leave の「残す」
Leave it to me.
Lesson 79 移動を表す動詞 ⑨ ── leave の目的語説明型
You left the door open.
(注)
- 61 私は大丈夫です。
- 62 私は、しばらくの間ここにとどまりたいだけです。
- 63 彼女は勉強に集中する必要があります。
- 64 私のバッグを持っていてくれませんか?
- 66 私は、この番組にマドカを迎えてうれしく思います!
- 67 私は、時折そこで夕食を食べます。
- 68 あなたが戻ってきてくれてうれしいです。
- 69 私はもう行かなくてはなりません。
- 71 調子はどうですか?
- 72 しかし私は、将来戻ってきたいと思っています。
- 73 どうしてすべてがうまくいっていないのでしょう?
- 74 もし、あなたが訪れる場所がなくなったなら。
- 76 私たちは、そのピラミッドに到着しました。
- 77 ロンドン行きの私たちの便はまもなく搭乗です。
- 78 私にそれを任せてください。
- 79 あなたは、ドアを開けたままにしていました。
*
各動詞の中核イメージとそこから派生するイメージはつぎのとおりです。
- be:単なるイコール
- remain:とどまる(のこる)
- keep:(そのままの状態を)たもつ
- hold:しっかり持つ
- have:周りにある → 行為
- go:元の場所から出ていく → 進む → わるい変化
- come:やってくる(go とは逆の動き)→ よい変化
- run:走る(線上を走る、スピーディに走る)
- arrive:到着する(単なる動作)
- leave:立ち去る → のこす、放っておく
それぞれの単語(動詞)をみてイメージ(絵)がすぐにおもいうかぶでしょうか?
be 動詞は、単なる「=(イコール)」であり、主語の説明でつかわれる「つなぎ」の動詞であり、実質的な意味はなく、意識もおかれない軽い動詞です。その軽さから、よわく・すばやく発音し、「I’m」のように短縮形を優先します。
have は「周りにある」イメージであり、基本的に位置をあらわす静的な単語です。「持っている」という日本語訳にはあてはまらない例がたくさんありますので、あくまでもイメージをえがきながらつかってください。Lesson 66「I’m happy to have on the show, Madoka!」は「マドカを近くに置いて → 迎えて」という意味です。また連想により「行為」をあらわすこともできます。Lesson 67「I have dinner there occasionally.」の have dinner は「夕食をとる」であり、eat dinner とはことなり具体的な動作は表現されません。話し手の「周りに夕食」、そこから「食べる」が連想されています。have は、目的語説明型で非常に頻繁につかえ、この型では、目的語とそのうしろに配された説明語句との間に「=(イコール)」あるいは「主語・述語」の関係があります。Lesson 68「Glad to have you back.」は、「you=back という状況を have する → あなたが戻ってくる」ということです。
go は、「行く」という訳語ではなく、「元の場所から出ていって進んでいく」というイメージでつかんでください。Lesson 71「How’s everything going?」では、「すべての事柄がどのように進んでいっているのか」と、出来事の進行状況・流れがイメージされています。一方、come は、ある場所にちかづく動きをイメージします。go とは逆の動きです。そして、go と come からは、go は「わるい変化」、come は「よい変化」が連想できます。go は、「本来の、あるべき、コントロールされた場所から出ていく」、 come は、「そうした場所にやってくる」という無意識の解釈がはたらきます。
arrive、reach、get to はいずれも到着すると訳されますがイメージはことなり、arrive は「到着するという単なる動作」、reach は「手を伸ばして(対象物に)タッチする」、get to は「その状況に達するまでの動き → 〜する機会を得る」というイメージです。おなじ日本語訳が複数の語につかわれることがよくあるため日本語訳で英単語を正確に理解することはできません。
わたしたち日本人は、学校教育で英文和訳を徹底的にやらされました。日本語訳で英語を理解しようとがんばる癖がしみつきました。しかしこうして今ふりかえってみると日本のやり方は不適切だったことがわかります。それもさることながら、そもそも本当の英語がわかっていない人が英語をおしえていました。スポーツとおなじで外国語も、まちがった方法をくりかえしているといつまでたっても上達しません。くるしみがつづきます。
ではどうすればよいか?大西泰斗先生らが指導するラジオ英会話を受講してください。イメージング(心象法)を実践してください。まず、それぞれの単語の中核イメージを理解し記憶します。そしてその中核イメージから連想をはたらかせ、その単語のつかい方を拡張していきます。連想されたイメージは中核イメージに類似な情報であり、類似な情報同士は密接につながります。類似な要素があるもの同士はつぎつぎにむすびついていき、そこでは類推がはたらきます。これは類比法といってもよいでしょう。そしてこの能力が、実際に外国にいってみるとたいへん役にたちます。
理解とは、すでにしっている情報に類似な情報が結合することによって生じる現象です。すでにもっている知識と類似な情報に接したり、類似なことをおもいついたりしたときに「わかった!」という気持ちが生じます。この原理をつかうのが類比法であり、記憶という現象もこれによって苦痛なく容易にすすみます。
このように、イメージング(心象法)、連想法、類比法(類推)と訓練を発展させれば、外国語あるいはその他の科目でも、たのしみながら創造的に学習をすすめていくことができます。ラジオ英会話は応用範囲がかなりひろい番組であるといえるでしょう。
※ 上記の単語(動詞)をみてイメージし、イメージして単語をいう練習をします(画像は、NHKテキスト『ラジオ英会話 2025年7月号』から引用)。
(クリック(タップ)で拡大)
▼ ラジオ英会話「フレーズ集(キーセンテンス集)」
▼ 参考文献(テキスト) & 音声教材
『NHK ラジオ英会話』(2025年7月号、NHK テキスト), 2025年, NHK 出版
『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版)』, (2025年7月号), 2025年, NHK 出版
※ 今年度から、音声教材は、 NHK 出版のサイトからもダウンロードできるようになりました。
NHK語学テキスト音声「ラジオ英会話」
▼ 関連記事「英語の原則」
▼ 関連記事
2019年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
- 言葉とイメージ -「前置詞のイメージの完成」(NHK ラジオ英会話, 2019.05)-
- ⭐️イメージをうごかす -「基本動詞の征服 ①」(NHK ラジオ英会話, 2019.06)-
- ⭐️イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
- ⭐️プログラムにしたがって練習する -「基本動詞の征服 ③」(NHK ラジオ英会話, 2019.08)-
- ⭐️類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
- ⭐️スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
- 印象をつかう -「基本形容詞」(NHK ラジオ英会話, 2019.11)-
- 単純なイメージで本質をつかむ -「基本副詞・名詞(可算・不可算)」(NHK ラジオ英会話, 2019.12)-
- イメージして、言葉でアウトプットする -「限定詞・助動詞・時表現」(NHK ラジオ英会話, 2020.01)-
- メッセージをうけとり、メッセージをつたえる -「大きな『単語』:定型表現 ①」(NHK ラジオ英会話, 2020.02)-
- 心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-
2022年度 NHK ラジオ英会話
- ⭐️make, have, put, leave -「基本動詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.04)-
- ⭐️take, go, come, be, give, get -「基本動詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.05)-
- ⭐️run, look, watch, see, listen, hear, taste, talk, say, tell, think, believe, know, wonder, find -「基本動詞 ③」(NHK ラジオ英会話, 2022.06)-
- ⭐️動詞のまとめ -「基本動詞 ④」(NHK ラジオ英会話, 2022.07)-
- about, at, on, in, over, above -「前置詞 ①」(NHK ラジオ英会話, 2022.08)-
- among, before, after, along, by, under, beyond, behind, with, without, across -「前置詞 ②」(NHK ラジオ英会話, 2022.09)-
- 前置詞のまとめ(NHK ラジオ英会話, 2022.10)
- 形容詞・副詞(NHK ラジオ英会話, 2022.11)
- 副詞・限定詞(NHK ラジオ英会話, 2022.12)
- 限定詞・名詞関連・接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.01)
- 接続詞(NHK ラジオ英会話, 2023.02)
- 発言の流れ(フロー)をつくる(NHK ラジオ英会話, 2023.03)
2025年度 NHK ラジオ英会話
- 前置詞 ①(NHKラジオ英会話, 2025.04)
- 前置詞 ②(NHKラジオ英会話, 2025.05)
- 前置詞 ③(NHKラジオ英会話, 2025.06)
- ⭐️基本動詞 ① − 静的な意味を含む動詞と移動系動詞 −(NHK ラジオ英会話, 2025.07)
- ⭐️基本動詞 ② − 移動・配置を表す動詞など −(NHK ラジオ英会話, 2025.08)
大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』
- 目をとじてイメージする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(1)-
- アイコンをつかって英単語を活用する - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『単語イメージハンドブック』(2)-
- 心のなかに情報をファイルする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(3)-
▼ 参考になる本
大西泰斗・デイビット=エバンス(著)『普通の英単語』(東進ブックス)、2025年、ナガセ
大西泰斗・ポール=マクベイ(著)『英単語 基本イメージ集中講義(NHK出版新書)、2020年、NHK 出版
栗田昌裕(著)『イラスト図解でよくわかる 記憶力がいままでの10倍よくなる法』、2018年、三笠書房
(冒頭写真:Friday Night Fireworks, Kahanamoku Beach, Oahu, Hawaii, USA, 2015.9.11, 筆者撮影)





