3D さくやこの花館「極地の植物」

咲くやこの花館は極地の植物も展示しています。低緯度から高緯度まで、熱帯から寒帯まで、多様な環境が実感できます。極限(極端)をしると全体像が容易につかめます。

咲くやこの花館

咲くやこの花館は極地の植物も展示しています。低緯度から高緯度まで、熱帯から寒帯まで、多様な環境が実感できます。極限(極端)をしると全体像が容易につかめます。

咲くやこの花館(注1)には、「極地の植物」展示室が高山植物室に隣接して小規模ながらあり、北極と南極の植物が紹介され、極限の環境を垣間みることができます。

ステレオ写真は平行法で立体視ができます(注2)。
立体視のやりかたはこちらです。

コケマンテマ
(ナデシコ科、周北極)
サリクス・ポラリス(ヤナギ類の仲間、ヤナギ科、北極圏)
サリクス・ポラリス
(ヤナギ類の仲間、ヤナギ科、北極圏)
クジャクシダ(adiantum pedatum、ホウライシダ科)
クジャクシダ
(adiantum pedatum、ホウライシダ科、周北極)
チョウノスケソウ(東アジア北部、バラ科)
チョウノスケソウ
(東アジア北部、バラ科)
クロヒゲゴケ
(サルオガセ科、周南極)
クロヒゲゴケ
(サルオガセ科、周南極)

北極圏は、北緯66度33分よりも北の地域であり、シベリアや北アメリカ大陸北部では永久凍土の表面が夏にはとけるため、草本植物や地衣類からなるツンドラがひろがり、樹木としては、地面をはうようなシラカバやヤナギの仲間が少数種みられます。コケマンテマやチョウノスケソウなど、アルプスやロッキー山脈のものとの共通種もあります。

南極大陸では、比較的あたたかい南緯68度付近の南極半島に、花をつける植物として、ナンキョクミドリナデシコ(ナデシコ科)とナンキョクコメススキ(イネ科)が自生します。そこよりも南のさむい地域ではコケ類や地衣類などの隠花植物が分布し、地衣類は、南緯89度あたりまでみられます。日本の昭和基地周辺には、6種類のコケと30種類あまりの地衣類が生育しています。

ケッペンの気候区分によると、樹木がみられない気候は、乾燥して樹木が生育できない「乾燥帯」と、低温で樹木が生育できない「寒帯」に分類され、寒帯は、月平均気温が最暖月でも10℃未満で、夏の最暖月の月平均気温が0℃以上になる「ツンドラ気候」と、年間をとおして月平均気温が0℃未満となる「氷雪気候」に区分されます。

ツンドラ気候は、北極海沿岸やチベット高原・アンデス山脈などの高山地域に分布し、みじかい夏には氷雪や凍土層がわずかにとけて大小の湖沼や湿地がひろがり、コケ類(蘚苔類)やシダ類(地衣類)などが生育します。土壌は、有機物の分解が低温のためすすまない「ツンドラ土」が分布します。

氷雪気候は、氷雪に年中おおわれ、大陸氷河が特徴的な南極大陸やグリーンランド内陸部に分布します。

咲くやこの花館にいけば、熱帯から高山帯・極地まで、植物と環境の多様性を一度に一気に体験できます。熱帯と寒帯という両極端を対比することによって地球上の自然環境の全体像が容易につかめます。また環境の要素として気温と降水量が非常に重要であることもわかります。大変すぐれた植物館です。

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▼ 注1
咲くやこの花館
咲くやこの花館【公式】動画チャンネル

咲くやこの花館フロアマップ

▼ 注2
撮影日:2021年10月20日

▼ 参考文献
『咲くやこの花館ガイドブック』財団法人大阪市公園協会発行、1990年
こどもくらぶ著・高橋日出男監修『気候帯でみる!自然環境〈5〉寒帯』少年写真新聞社、2013年
村瀬哲史著『村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編』学研プラス、2018年

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