点メモと文章化 - 段階的アウトプット –

情報処理

みたり きいたりしたら点メモをとります。点メモをみて想起し文章化します。段階的なアウトプットが発想をうながします。

日々の生活のなかであるいは旅先などで、みたり きいたり味わったりしたことをメモすることがよくあるとおもいます。大事なことは記録にのこしておいたほうがよいでしょう。情報の取捨選択がこのときおこります。

メモのとりかたとしては、重要なことについて手みじかにキーワードだけをならべる方法があります。時間をかけずに時系列に点々と単語をしるしていき、これを「点メモ」といいます。

電車のなかで駅のホームで現地・現場で、いそがしいときや移動中はすべてをきちんと書いている時間はありません。時間がとれません。大事なことのみをとりあえず点メモします。あるいは取材などで他者の話をきいているとき、この方法でしたら、こちらがメモをとっているあいだに相手が話を中断しなくてよく、話の腰をおることがありません。また であるいているときに、ちゃんとした文で記録をとろうとすると周囲への注意がうすれ人や物にぶつかったりして危険なことがありますが、点メモなら一瞬でサッとできるので安全です。

情報を取捨選択し要点のみを記録することは、ものごとの大局・本質をぱっとみて判断する力、つまり直観力をたかめる訓練にもなります。

図1 点メモ

そして帰宅したら あるいは時間があるときに記録した点メモをみなおして、点メモをしたときの状況を想起し、今度は、ちゃんとした文章で書きだします。時系列の点メモがあれば、点メモと点メモのあいだのできごとも容易におもいだせ、点メモをふくらませる要領で文章化をすすめることができます。

文章化
図2 文章化

このように、点メモと文章化は、その場の記録と恒久的な記録をつかいわけるやりかたであり、段階的に情報をアウトプットしていく方法です。ここで、点メモにしろ文章化にしろ、書くことは、人間主体の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)におけるアウトプットであることに着目してください。点メモはもっとも初歩的な簡単なアウトプットであり、〈点メモ→文章化〉は、情報処理を段階的にすすめていく方法といってもよいでしょう。

現代は情報があふれかえっており、必要のない情報やまちがった情報(ゴミ)もたくさんあり、おおすぎる情報はものごとの見通しを往々にわるくし、判断をあやまらせます。もとめるべきはたくさんの情報ではなく、的確で簡潔な情報であり、シャープな みじかい点メモは情報を整理し見通しをよくします。点メモができる人は思考も鮮明です。

また文章化のときに、多数の点メモをみていると、過去にさかのぼってあるいは未来にむかって大事なことをつぎつぎにおもいつくことがおおく、点メモは発想をうながし、仮説をたてることにつながり、仮説がたつと検証・論理へ展開できます。

とくに、旅行にでかけて点メモをし、宿で(あるいは帰宅して)体験を文章化することをおすすめします。旅行は、時間とお金をかけるので普段とはちがい意識がたかまり、また旅先では心が自由になり、心がひらいた開放系の情報処理がすすみます。旅やフィールドワークは情報処理の訓練に最適です。

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