「国立民族学博物館で30余年、世界の山岳地域を研究してきた著者が、定年を前にこれまでの調査研究の成果をまとめた」(日経ネット関西版2004/02/10)。
1978年、日本初のペルー・アンデスへの民族学調査団に参加、標高4000メートルの高地で暮らす理由を聞くと、人々は「蚊や蛇がいない。変な病気もないから」と答えたという。
91 年にはネパール・ヒマラヤを調査、アンデスと同じ階段耕地で麦やジャガイモが栽培されていた。アンデスの階段耕地はインカ帝国が建設した精巧な石壁だったが、ヒマラヤは土の斜面を切り取っただけだったそうだ。
高地に暮らす人々の多様な暮らしが伝わってくる。(ナカニシヤ出版、2600円=税抜き)
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