ステレオグラムあるいはステレオ写真をつかった立体視には平行法(パラレル法)と交差法(クロス法)の2つの方法があります。下記の方法を練習すれば(裸眼)立体視が誰でもできるようになります。3Dワールドを是非おたのしみください。
ステレオグラムあるいはステレオ写真をつかった立体視には平行法(パラレル法)と交差法(クロス法)の2つの方法があります。下記の方法を練習すれば(裸眼)立体視が誰でもできるようになります。3Dワールドを是非おたのしみください。
ステレオグラムをつかった立体視「平行法」(パラレル法)では、左目では左の図を見て、右目では右の図を見るようにします。すると元来は2つの画像が1つの画像に合成されて立体的に見えるようになります。
図1がステレオグラムとよばれる立体視をするための図のひとつです。ステレオグラムをつかった立体視には「平行法」(パラレル法)とよばれる方法と「交差法」(クロス法)とよばれる方法があり、今回は「平行法」を実験してみます。
立体視をやりやすくするために、図1の左右2つの図の中間に、図1の平面に対して垂直になるように紙(あるいは下敷き)をおきます(図2)。
顔を紙にちかづけ(目を図2にちかづけ)、左目では左の図を、右目では右の図を見ます。紙をおくことによって、左目では右の図が見えなくなり、右目では左の図が見えなくなります(図3)。
すると最初は2つの画像が見えます。しばらく、ぼんやりととおくを見るようにしてじっと我慢してみます。すると2つの画像が融合して1つの画像になる瞬間があるとおもいます。その状態をしばらく保持するようにします。最初はむずかしいとおもいますがくりかえし練習してみます。
小さな円がうきあがって見えたら実験は成功です。つまりつぎのことが証明されたことになります。目はセンサーであり、脳はプロセッサーです。目は2個あるので、ことなる2系統の情報が脳におくられ、脳で処理されて1つの3D画像が成立します。
なお集中して急に訓練をやりすぎると頭がいたくなることがあるかもしれません。そのような感じがしたときには一旦休憩するか、明日、あらためてやってみましょう。
立体視の仕組みについては、藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』にくわしくでています。ステレオグラムによる立体視にトライすることによって、わたしたち人間の視覚系の情報処理について実体験し理解をふかめることができます。
ステレオグラムをつかった立体視「交差法」(クロス法)では、左目では右の図を見て、右目では左の図を見るようにします。すると元来は2つの画像が1つの画像に合成されて立体的に見えるようになります。
図4がステレオグラムとよばれる立体視をするための図のひとつです。ステレオグラムをつかった立体視には「平行法」(パラレル法)とよばれる方法と「交差法」(クロス法)とよばれる方法があり、今回は「交差法」を実験してみます。
交差法による立体視をやりやすくするためにつぎのようにします。
しばらく見つめていると、2つの画像が融合して1つの画像になる瞬間があるとおもいます。その状態をしばらく保持するようにします。最初はむずかしいとおもいますがくりかえし練習してみます。
小さな円が奥にいき、大きな円が手前に見えて、全体が円筒のように立体的に見えたら実験は成功です。
なお集中して訓練を急にやりすぎると頭がいたくなることがあるかもしれません。そのような感じがしたときには一旦休憩するか、明日、あらためてトライしてみましょう。
今回は下図のステレオグラムをつかってみます(図6)。
「平行法」で立体視をするにはつぎのようにします。
黒点が3つのまま、視線はうごかさずに図6の真ん中の図をじっと見つめます。黒点がうきあがって見え、真ん中の図が四角錐に見えたら(ピラミッドを上から見ているように見えたら)実験は成功です。その左右のピラミッドはぼやっと見えている状態になります。
今回は下図のステレオグラムをつかってみます(図9)。
「交差法」で立体視をするにはつぎのようにします。
黒点が3つのまま、視線はうごかさずに図9の真ん中の図をじっと見つめます。黒点がむこう側にいって、真ん中の図が、四角錐を底辺から見ているように立体的に見えたら(ピラミッドを下から見るように見えたら)実験は成功です。その左右の図はぼやっと見えています。
今回は、ステレオグラム「平行法」の第3回としてやや難易度をあげてみたいとおもいます。図13のステレオグラムを見て「平行法」をつかって立体視にトライしてみてください。左右の図の間に紙をおくやり方でも補助点(黒点)をつかうやり方でもどちらでもよいです。
いったん立体的に見えたと感じてもすぐにやめないでしばらくじっと見つめていると、さらにくっきりと立体的に見えてきます。小さい正方形がうきあがって見え、台のように立体的に見えたら実験成功です。
図14についても「平行法」でトライしてみてください。紙をつかう方法でもよいです。補助点(黒点)はありませんが、たとえば階段の2段目の手前の角を補助点としてつかってもよいです。階段が立体的にみえたら成功です。
図15は、小さな三角形がういてみえたら成功です。
図16のステレオグラムを見て「交差法」をつかって立体視にトライしてみてください。紙の円筒をつかうやり方でも補助点(黒点)をつかうやり方でもどちらでもよいです。
いったん立体的に見えたと感じてもすぐにはやめないでしばらくじっと見つめているとさらにくっきりと立体的に見えてきます。小さい正方形がうきあがって見え、台のように立体的に見えたら実験は成功です。
図17についても「交差法」でトライしてみてください。紙の円筒をつかう方法でもよいです。補助点(黒点)はありませんが、たとえば階段の2段目の手前の角を補助点としてつかってもよいです。階段が立体的にみえたら実験は成功です。
図18は、小さな三角形がういてみえたら成功です。
立体視の実験により視覚系において情報処理がおこっていることを証明することがきます。わたしたち人間を、情報処理をする存在(情報処理システム)ととらえなおすことは現代の高度情報化時代においてはとても重要なことです。
ステレオグラムをつかって立体視をする方法は、ステレオ写真(3D写真)を立体視する方法としてもそのままつかえます。
写真 1a は平行法をつかうと立体視ができます。ステレオグラムのときに2つの図の間に紙をおいて立体視をしたように、2枚の写真の間に紙(あるいは下敷き)をおいて見るとよいです。あるいは花の中央の黒点を補助点(目印)としてつかって見てもよいです。
3D(3次元)で見えたでしょうか。はじめは時間がかかるかもしれませんがしばらくすると見えてきます。ステレオ写真が見られるようになると視野がおおきくなり、世界がひろがります。
写真の花はラン (Orchid: Aranda, Chao Praya Beauty)、シンガポール植物園(Singapore Botanic Garden)で撮影しました。
ステレオ写真(3D写真)は「交差法」をつかっても立体視をすることもがきます。ステレオグラム「交差法」がそのままつかえます。写真 1b は交差法で立体視ができます。ステレオグラムのときのように紙の円筒をつかってもよいですし、花の中央部を補助点(目印)としてつかってもよいです。
3D(3次元)で見えたでしょうか。はじめは時間がかかるかもしれませんがしばらくすると見えてきます。ステレオ写真が見られるようになると視野がおおきくなり世界がひろがります。
ステレオ写真(3D写真)による立体視は動物でもできます。写真 2a は平行法をつかうと立体視ができます。ステレオグラムのときに2つの図の間に紙をおいて立体視をしたように、2枚の写真の間に紙(あるいは下敷き)をおいて見るとよいです。目印(補助点)としてカメをつかって見てもよいです。
3D(3次元)で見えたでしょうか。はじめは時間がかかるかもしれませんがしばらくすると見えてきます。ステレオ写真が見られるようになると視野がおおきくなり、世界がひろがります。
写真はアオウミガメ(Honu: Hawaiian Green Sea Turtle)、ハワイ・シーライフ・パーク(Sea Life Park Hawaii)で撮影しました。
ステレオ写真(3D写真)「交差法」でも動物が立体視できます。写真 2b は交差法をつかうと立体視ができます。ステレオグラムのときのように紙の円筒をつかってもよいですし、目印(補助点)としてカメをつかってもよいです。
3D(3次元)で見えたでしょうか。はじめは時間がかかるかもしれませんがしばらくすると見えてきます。ステレオ写真が見られるようになると視野がおおきくなり、世界がひろがります。
ステレオ写真をつかえば風景写真も立体視をすることができます。写真 3a は平行法をつかうと立体視ができます。ステレオグラムのときに2つの図の間に紙をおいて立体視をしたように、2枚の写真の間に紙(あるいは下敷き)をおいて見るとよいです。目印(補助点)として中央奥の山頂をつかって見てもよいです。
何本もの山並みが幾重にもかさなっている様子が立体的に見えたでしょうか。左右2枚の写真が融合して立体的に見えたと感じてもすぐにはやめないでしばらく見つめているとさらにくっきりと見えてきます。
写真はヒマラヤ山脈(Himalayan Range)、中央奥にそびえる山は世界最高峰エベレスト(Everest, 標高 8848 m)です。タイ国際航空機(カトマンドゥ-バンコク便)から撮影しました。立体視をすると、ヒマラヤ山脈はたった一本の山脈ではなく、東西にのびる何本もの山並みが平行にはしってできていることがよくわかります。このような地形あるいは構造はどのようにしてできたのでしょうか。地球科学の第一級の研究課題です。
このように普通の平面(2次元)の写真では見えないことがステレオ写真(3D写真)では見ることができます。
わたしたちは、平面の2枚の写真を融合させて立体的に(3次元で)見ることができるのです。立体視ができることは、わたしたち人間の意識のなかで情報処理がおこっていることをしめしています。
ステレオ写真「交差法」でも風景を立体視することができます。写真 3b は交差法(クロス法)をつかうと立体視ができます。ステレオグラムのときのように紙の円筒をつかってもよいですし、目印(補助点)として中央奥の山頂をつかってもよいです。
何本もの山並みが幾重にもかさなっている様子が立体的に見えたでしょうか。左右2枚の写真が融合して立体的に見えたと感じても、すぐにはやめないでしばらく見つめていると、さらにくっきりと見えてきます。
立体視は、平行法と交差法、どちらでもやりやす方からトライしてみればよいです。なれることからまずははじめて、練習して一度できるようになると、あとはいつでも簡単にできるようになります。
ステレオ写真の実例は、ブログ「発想法 - 情報処理と問題解決 -」に随時アップしています。下記にリンクをはっておきますのでご覧ください。
立体視訓練で眼力を高める -『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』-
自然の写真を立体視して眼力を高める - 栗田昌裕著『眼力を高めるパワード・アイ』-
立体視をして目をよくする -『はじめての どんどん目がよくなるマジカル・アイ』-
立体視をしてリラックスする -『どんどん目が良くなるマジカル・アイ ヒーリング&リラックス』-
自然の風景画を立体視してたのしむ -『どんどん目が良くなるマジカル・アイ(自然・風景編)』-
見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 平行法(1)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 平行法(2)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 平行法(3)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(6)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(1)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(2)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(3)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(6)-