時表現 ②〈まとめ〉(NHK ラジオ英会話, 2024.12)

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be going to は、to 以下の状況にむかっている流れの中にあることをしめします。will のイメージは「見通す」です。過去形の「遠く離れた」イメージが仮定法の「現実離れ」をあらわします。

NHK ラジオ英会話、2024年12月は、先月にひきつづき「時(とき)表現」にとりくみました。各レッスンのキーセンテンスは以下のとおりです。和訳は(注)にしめしました。

Lesson 161 現在完了形 ④ 過去の出来事がもたらす現在の状況(結果用法)

My phone battery has died, so I can’t use it at all.

Lesson 162 現在完了進行形(ずっと~している)

I have been learning the rules of chess.

Lesson 163 過去完了形

She called very early, but the tickets had already sold out.

Lesson 164 助動詞+完了形 ① will+完了形(未来完了形)

I’ll have played all of his sonatas when I perform that.

Lesson 166 助動詞+完了形 ② そのほかの助動詞+完了形

I must have left it in the car.

Lesson 167 未来を表す ① be going to と will

I’m going to reserve one for us.

Lesson 168 未来を表す ② 現在形・現在進行形・will be +動詞 -ing 形

Uncle Barry is coming over on Sunday.

Lesson 169 仮定法 ① 基礎

I wish I had more clients.

Lesson 171 仮定法 ② 基礎── be 動詞を使った仮定法

I wish I were a real human girl.

Lesson 172 仮定法 ③ 過去についての反事実

I wish you had told me about that earlier!

Lesson 173 仮定法 ④ if 節を用いた仮定法1

If I were you, I would apply for the teaching positions.

Lesson 174 仮定法 ⑤ if 節を用いた仮定法2

If I’d had more time, I would have dug a small pond next to it.

Lesson 176 仮定法 ⑥ 織り込まれた条件

Without your assistance, I couldn’t have read that letter.

Lesson 177 仮定法 ⑦ 仮定法が使われる表現

If it weren’t for classes, I’d be here every night.

Lesson 178 仮定法 ⑧ 助動詞の過去形

I can send you a list of properties. ── That would be wonderful!

Lesson 179 時表現の決定

I eat here every week.

(注)
  • 161 私の電話のバッテリーが切れてしまって、私は、まったくそれを使えません。
  • 162 私はずっと、チェスのルールを学んでいます。
  • 163 彼女はとても早く電話をしましたが、チケットはもう売り切れていました。
  • 164 それを演奏したら、私は、彼のソナタをすべて演奏したことになります。
  • 166 私はそれを、車の中に置き忘れたにちがいありません。
  • 167 私はそれを、私たちのために予約するつもりです。
  • 168 バリーおじさんが日曜日に訪ねてきます。
  • 169 もっと多くのお客さんがいたらいいのに。
  • 171 私が本物の人間の女の子だったらいいのに。
  • 172 あなたは、もっと早くそれについて私に教えてくれればよかったのに!
  • 173 もし私があなたなら、その教師の職に応募するでしょう。
  • 174 私にもっと時間があったら、その横に小さな池を掘ったのですが。
  • 176 あなたの助けがなければ、私は、あの手紙を読めなかったでしょう。
  • 177 授業がなければ、私は毎晩ここにいるでしょう。
  • 178 私は、あなたに物件のリストをお送りできます。── そうしていただけると、とてもありがたいです!
  • 179 私は毎週ここで食べます。

現在完了進行形

現在完了進行形は「have been + 動詞 -ing」の形であり、「現在に至るまで行為が続く=ずっと~している」ことをあらわします。現在完了形のイメージ「(今に)迫ってくる」と、いきいきとした行為の描写である進行形とのハイブリッドです。

過去完了形

過去完了形は「had +過去分詞」の形です。現在完了形のイメージは「(今に)迫ってくる」であり、過去完了形は、基準となる時点が現在から過去にうつり、「過去のある時点 までに(何かが起こった)」ことをあらわします。過去の時点から、それ以前の出来事をさかのぼってながめる意識です。

助動詞+完了形

Lesson 164「I’ll have played all of his sonatas when I perform that.」において、助動詞 will と完了形のコンビネーション(will have +過去分詞)がつかわれています。will のイメージは「見通す」であり、未来のある一時点を見通し、「そのときまでに」をあらわします。現在完了形の「現在時」を基準にした「(今に)迫ってくる」が未来の時点にうつったとかんがえるとよいでしょう。

未来をあらわす

be going to は go to の進行形であり、to 以下の状況にむかっている流れの中にあることをしめす未来表現となります。Lesson 167「I’m going to reserve one for us.」では、すでに心積もりがあり、予約にむけてすすんでいる流れの中に今いることをしめしています。

一方、will のイメージは「見通す」であり、たとえば「It will rain tomorrow.(明日は雨になります。)」とのべた場合、未来を見通す自信にみちた予測をあらわします。

仮定法

仮定法は、現在のことを過去形であらわします。Lesson 169「I wish I had more clients.」 は「実際にはそうではないがもっと多くのお客さんがいたらなぁ」という意味です。可能性がいちじるしく低いことや反事実をあらわします。現在のことをのべているのに、I had 〜 と過去形がつかわれるのは、過去形のイメージが「遠く離れた」であり、仮定法の「現実離れ」をあらわせるからです。

なお仮定法は、伝統的に、単数主語でも be 動詞は were としてきました(仮定法が特別な形をもっていたときの名残です)が、現代の英語とくに会話では was もつかいます。こちらのほうがカジュアルにひびきます。

Lesson 173「If I were you, I would apply for the teaching positions.」では、if 節内は、「私があなただったら」という内容(反事実)であるため仮定法(I were)をつかっています。むすびの節の would は「控えめ」をあらわす助動詞の過去形であり、過去形のイメージは「遠く離れた」であるため控えめな表現をうみだします。 will(~だろう)は、現実的なつよい予測をあらわすため仮定法ではつかえません。「if 節(ありえない仮定)→ 弱く控えめにとホンワカむすぶ(~となるだろうなぁ)」という仮定法のリズムを身につけてください。

⭐️ 時表現のまとめ

  • 現在形:身の回りのイメージ
  • 過去形:遠く離れたイメージ → 丁寧な表現、控えめな表現、仮定法
  • 進行形:比較的短期間つづく行為の途中(単なる be 動詞文) 
  • will:見通すイメージ
  • 現在完了形:(今に)迫ってくるイメージ
  • 現在完了進行形:現在完了形と進行形のハイブリッド
  • 過去完了形:基準となる時点を現在から過去にうつす
  • will+完了形: 基準となる時点を現在から未来にうつす
▼ NHK ゴガクル

上記のキーセンテンスは、NHK ゴガクルのサイト(無料)をつかって効率的に練習できます。
NHK ゴガクル “ラジオ英会話” フレーズ集
このサイトでたとえば、「聴き取り」をタップ(あるいはクリック)して、ネイティブスピーカーの音声を文字をみないできいてリズムをつかみます。そしてネイティブスピーカーのあとにつけて発音あるいはシャドウイングで発音練習をしてリズムにのります。必要に応じて文字や和訳をみて確認します。

▼ 参考文献(テキスト) & 音声教材
ラジオ英会話
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ラジオ英会話

『NHK ラジオ英会話』(2024年12月号、NHK テキスト), 2024年, NHK 出版
『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版(上)』, (2024年12月号), 2024年, NHK 出版
『NHK ラジオ英会話 音声(Audible版(下)』, (2024年12月号), 2024年, NHK 出版

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▼ 関連教材

大西泰斗・ポール=マクベイ著『NHKラジオ英会話 語順でシンプル 英語文法マップ』 NHK出版、2022年
(NHK「ラジオ英会話」2021年4月号~2022年3月号のテキストのエッセンスを再構成してまとめたものです。2021年度のラジオ英会話をきけなかった人のために、きいた人には復習のためにおすすめします。基本文型・説明ルール・指定ルールというたった3つの原則で展開される英語の本当の世界をたのしんでください。あなたの英語観がかわります。音声はダウンロードできます。)

大西泰斗・ポール=マクベイ著『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義 上』NHK出版、2019年

大西泰斗・ポール=マクベイ著『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義 下』NHK出版、2019年

(冒頭写真:アリゾナ記念館(USS Arizona Memorial, Oahu, Hawaii, USA), 2015年, 筆者撮影)

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