フィールド・情報処理・問題解決
- 基本的な解説 -

 

図1 フィールドとは「主体=環境系」である

図2 フィールドには「情報の流れ」がある

 フィールド(場)は、中心となる「主体」とそれをとりまく「環境」とから構成される。それは、一つの体系になっていて「主体=環境系」とよぶことができる。(図1)。

 「主体=環境系」においては、個人を主体とみることもできるし、集団や社会を主体とみることもできる。場合によっては、人類全体を主体とみることもできる。

 この「主体=環境系」には「情報の流れ」がたえずおこっており、主体は、環境から情報をとりこみ、その情報を処理し、環境へ情報をだしていく。主体が情報をとりこむことを「入力」(インプット)、環境へ情報をだすことを「出力」(アウトプット)という(図2)。

 このように一つのフィールドは、情報の「入力→処理→出力」という「情報処理系」になっている。たとえば、ある個人を主体とみた場合、その人は、視覚や聴覚などの感覚により環境(外界)から心の中に情報を入力し、その情報を心の中で処理し、そして環境(外界)にその結果を出力している。

 

図3 問題解決の三段階

 このようなフィールドにおいては様々な問題解決がおこなわれる。それは、「判断」→「実行」→「結論」という三段階の基本構造をもっている(図3)。「フィールドワーク」とは実行の一種である。

 そして、三段階の過程をへてある結論に達すると、それに基づいてあらたな実行にすすむことになり、問題解決(仕事)は展開していく。

 このような「問題解決」の全体的なプロセスは段階的・時間的にすすんでいくが、それぞれの段階の内部においては「情報処理」がたえずおこなわれる仕組みになっている。そして、「情報処理」はどちらかというと場所などの空間が重視されるのに対し、「問題解決」は段階や時間軸が重視される。情報処理は仕事の空間的側面を、問題解決は仕事の時間的側面を重視するといってもよい。

 このように「情報処理」と「問題解決」は仕事の2つの側面であり、人間にとって必要不可欠な能力である。両者は「車の両輪」の役割を果たすともいえる。これらの能力を開発するためには、基本的には、まず情報処理技術を身につけ、そのうえで特定のテーマについて時間をかけて問題解決にとりくんでいくという訓練法を採用するとよい。

 

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2003年09月27日発行 /2005年09月25日更新
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