ヒマラヤ技術協力とKJ法
- フィールドワークからアクションリサーチへ -

 解 説
 2012年8月5日に、清水弘文堂から『 融然の探検 フィールドサイエンスの思想と可能性』という書籍が出版されました(注1)。この本は、 故川喜田二郎(1920-2009)を追悼する記念論集であり、川喜田からおしえをうけた弟子たちによって執筆され、のべ22題目の論考で編纂されています。

 川喜田二郎は、地理学者・文化人類学者、野外科学的方法であるKJ法の創始者としてひろく知られていました。

 私は筆者のひとりとして、「ヒマラヤ技術協力とKJ法」(注2)と題して以下の論考を執筆・掲載しました。本論では、私たちの国際技術協力の歴史をふりかえり、「主体-環境」系のモデルをつかった「アクションリサーチ」についてのべています。以下に再録します。

 紙面の都合で、アクションリサーチの具体的方法についてはくわしく記述できませんでしたので、これについてはあらためて紹介することにします。(2014年3月9日 解説記)

注1:川喜田二郎記念編集委員会編『融然の探検 フィールドサイエンスの思想と可能性』、清水弘文堂、2012年8月5日発行。
注2:田野倉達弘著「ヒマラヤ技術協力とKJ法」332-341ページ。
40年前のヒマラヤ・シーカ河谷:森林はほとんどすべて伐採されていた(出典:中尾佐助・佐々木高明, 1992)
写真2 40年前のヒマラヤ・シーカ河谷:森林はほとんどすべて伐採されていた(出典:中尾佐助・佐々木高明, 1992)
現在のヒマラヤ・シーカ谷:森林がよみがえった(撮影:田野倉達弘, 2005年12月)
写真3 現在のヒマラヤ・シーカ谷:森林がよみがえった
(撮影:田野倉達弘, 2003年12月)

※ 本サイトは、田野倉達弘(著)『国際協力とKJ法 -ネパール・ヒマラヤでの実践-』に再録しました。

参考文献
川喜田二郎著『KJ法』中央公論社、1986年
中尾佐助・佐々木高明著『照葉樹林文化と日本』くもん出版、1992年
本多勝一著『日本語の作文技術』朝日文庫、1982年